不用品を処分する手段として「ネットオークション」や「フリマアプリ」を活用している人も少なくはないでしょう。ネットオークションでの取引は便利な反面、多くが個人対個人の取引となることからトラブルに発展する事態も少なくはありません。
今回は出品者としてオークションへ出品する時の注意点やトラブルを防止するあるいはトラブルとなった時に有利になるためのポイントを紹介します。
ネットオークションやフリマアプリで売るには諸経費がかかる
まず、物を売るというときのネットオークションは万能ではありません。
まず一つは「送料がかかる」ということです。決済コスト(振込手数料)などのは「振込手数料無料のネット銀行」などを活用すればほぼ無料化できますが、「商品を発送する費用」はどうしても掛かります。
宅配便なら大きさによって費用が掛かります。金券のような価値の高いものは普通郵便だと補償が効かないので、書留のような費用の掛かる発送方法になってしまいます。
もう一つはネットオークションやフリマアプリの大手としては「ヤフオク」や「メルカリ」が挙げられますが、こうしたサービスを利用する際は決済金額に応じた手数料が発生します。
たとえば、ヤフオクの場合落札時には8%(税別)のシステム手数料が必要になりますし、メルカリも10%の手数料が必要となります。
ネットオークションやフリマアプリで物を売るときは「送料」と「決済手数料」の両方を考えておきましょう。安く送ることができる商品ならいいですが、重くてかさばる商品は“送料”がネックとなることも多いです。
もっとも、送料は相手負担とすることもできますが、購入者はその送料も含めて購入価格となるわけなので、送料が高ければ売れにくくなります。
送料を節約する方法について、詳しくは「個人が利用できる配送方法比較。安く配送できる発送方法比較」なども参考にしてください。
ノークレーム、ノーリンターンは万能じゃない
まず、この「ノークレーム・ノーリターン(NCNR)」さえ書いておけば大丈夫と思っている人もいるようですが、決してそんなことはありません。ちなみに、最近では、NCNRではなく3N(ノークレーム・ノーリターン・ノーキャンセル)という表現をする方もいますね。
重要な情報を記載していなかった場合、相手側から「錯誤による無効」や「隠れた瑕疵」などから返金や損害賠償などの請求される可能性があります。ノークレーム、ノーリターンと書いていたしそんな要求は無効という話は通りません。
ですから、出品する側としてもできるだけ多くの情報を掲載し、錯誤による無効、隠れたる瑕疵と取られないように対応する必要があります。
トラブル防止のための説明文や取引条件の書き方
ネットオークションでトラブルを防止するためには商品の説明文をていねいに書くことと、取引条件をしっかりと記載しておくことが重要です。
相手に分かりやすく文章を書くことで入札されやすくすることはもちろん、後々トラブルとならないように責任の範囲を明確にしておくことも重要です。
製品の悪いところは書く(傷やシミなど)
たとえば、「大きな傷はありません」と記載しておきながら傷があるような場合は、出品者の過失となる可能性が高いです。悪いところがある場合はしっかりとその旨を記載するようにしましょう。
写真はできるだけ沢山とって掲載する
ネットオークションでは実物が見れないため、紹介文と写真が重要な要素となります。なるだけ沢山の写真と鮮明な写真を心がけましょう。前述の悪いところは書くという方針と同じように、悪いところも写真に収めて分かるようにしておきましょう。
電化製品などの「動作確認済み」は慎重に
「動作確認をしている」と書いている場合、相手に届いた時に動かない機能などがあった場合は返品などを求められる可能性があります。しっかりとチェックできないなら書くべきではありません。
簡単なものなら動作確認も容易でしょうが、複雑なものは中々すべての動作確認はできません。
あるいは「○○の機能のみ動作確認をしています」といった表現も有効です。
トラブル時の裁判所は自分の所轄内に限定する
「本取引で裁判上等の紛争が生じた時は、いかなる場合でも出品者の現住所を所轄する裁判所へ裁判を起こすことに合意した上で入札するものとします。」と記載しておきます。
東京在住なのに福岡で裁判を起こされると大変ですから。
キャンセル権(キャンセルポリシー)について記載する
一定の条件で出品者がキャンセルできる旨を明確にしておきトラブルを予防します。
- 落札後●日以内に入金が無い場合はキャンセルさせていただきます
- 新規IDの方や当方が不安に感じる評価の方は入札取り消し、キャンセルとさせていただく場合があります
などと記載しましょう。特に相手の評価は重要な判断材料です。顔が見えないネットオークションでは悪意をもっている人も少なからず存在するからです。
質問されそうな項目は予め回答しておく
商品の特性上、質問されそうな項目には予め回答しておきましょう。また、取引上周知しておきたい点も回答しておきましょう。
メルカリなどのフリマアプリの場合は「値下げ交渉」が行われるのが一般的だったりします。ただ、出品する方によっては、そうした交渉は煩わしいので受けたくないという方も多いかと思います。そういう場合、「値下げ交渉は一切受け付けておりません」といったような記載を予めしておけばよいでしょう。
送料トラブルを予防する
意外と多いのが送料を相手負担とした時のトラブル。送料●●円としているのにそれより安い金額だったじゃないか!返金しろみたいな話は時々あります。
送料に変化が生じた場合でも差額の請求、返金はいたしません。と記載しておくことでそうしたトラブルを予防することができます。ただし、ヤフオクなどではそうした送料の過大請求には厳しくなっています。
あくまでも適正な範囲ということは重要です。また、できる限り相手のことを考えた送料設定や配送方法の選択をしてあげることも重要です。
売り手と買い手がストレスなく取引できる環境をつくることが大切
こうした説明文や取引条件などは、出品者である私たちが一方的に有利になろうというものではありません。しっかりと情報を記載することは出品者にとってのリスク回避になるだけでなく、落札者にとっても分かりやすい出品となるはずです。
その上で、隙のない内容で出品をするということは悪意のある相手に対する有効な抵抗手段となります。上手にネットオークションを活用しましょう。
その一方で、ネットオークションにおいて取引をリードするのはやはり出品者です。相手の要望があればそれを聞く度量は当然必要ですが、スムーズに取引できるようにできることろはできる、できないところはできないということは重要です。
以上、ネットオークションに出品する時の注意点とトラブル防止のポイントをまとめてみました。
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