ご家庭における大型家電製品といえば代表的な冷蔵庫。個別の家電では電力消費量では最大という家庭も多いはずです。その一方で冷蔵庫については特に消費電力面でかなりの節電化が進んでいる製品でもあります。今回は2017年現在の情報をもとに冷蔵庫の消費電力の仕組みや、買い替えによる節電効果、冷蔵庫のサイズ(容量)と消費電力の関係などをまとめていきたいと思います。
冷蔵庫の省エネ性能の進化と買い替え
まず、冷蔵庫については近年の省エネ性能はめまぐるしく変化しています。
この左のグラフは経済産業省がまとめた「省エネ性能カタログ」から抜粋したものですが、平均的な冷蔵庫の消費電力量は大幅に2007年(約10年前)と比較して半分程度にまで下がっています。
10年位前の冷蔵庫ならまだまだ現役と考えている方も多いかと思いますが、電気代の差だけでも年間8000円くらいになるというのは大きな差です。
冷蔵庫の価格はそれぞれですが、450リットルタイプなら10万円~20万円くらいの価格差になるでしょう。冷蔵庫を買い替えで今後10年、15年使うと考えると、買い替えによる節電による経済メリットで、ある程度の買い替えメリットはあると考えられます。
なお、買い替えをするときは容量も一緒に考えてみましょう。最近では断熱材の高度化(真空断熱材など)の影響などもあり、容量が大きな冷蔵庫ほど省エネ化が進んでいます。
ご存知の方も多いかもしれませんが、実は容量が大きな冷蔵庫のほうが称する電力は少なくて済むのです。
(出所:省エネ性能カタログ(経済産業省)2015)
ちなみに、買い替えを検討するときは、経済産業省の「しんきゅうさん」というWEBサイトも役立ちます。今使っている冷蔵庫の型番と買い替え予定の型番を入れたら、どのくらいの節電効果があるのかを比較できます。
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冷蔵庫の買い替えによらない節電術
続いては冷蔵庫の使い方による節電についてまとめていきます。
いくら省エネ性能が高い冷蔵庫を買ったからといっても、無駄な使い方をしていたら電気代は高くついてしまいます。このあたりの冷蔵庫の節電方法については昔から言われていることと同じです。
冷蔵庫にはものを詰め込みすぎない
冷蔵庫は食品を入れすぎると冷気の循環が悪化してしまい、入れているものが冷えにくくなります。
また、これによって冷蔵庫に入れている必要なものを探すのに時間がかかるという問題も生じて、より電力が消費されやすくなります。
省エネ性能カタログ~2015年冬版~によると、冷蔵庫に物を詰め込んだ場合と半分にした場合とでは年間に43.84kWhの省エネにつながるとされています。1kWhあたりの電気代を25円とすると1096円の節約になります。
冷凍庫は詰めてもよい?
なお、冷凍庫に関しては詰め込みは決して悪くありません。冷凍庫の場合は、凍った食材等が保冷材の役割をするため、むしろ詰め込みされているほうが節電になります。ただし、探すのに時間がかかってしまったら元も子もありませんので、探しやすいように整理しておくことは重要です。
無駄な開閉はしない
冷蔵庫を開閉すると当然ですが、冷気が逃げ出してしまいます。こちらも省エネ性能カタログ~2015年冬版~によると、JIS開放試験(冷蔵庫は12 分ごとに25 回、冷凍庫は40 分ごとに8 回で、 開放時間はいずれも10 秒)を行ったケースと、その2倍の頻度で開放を行った場合、年間の消費電力は10.4kWhの変化、電気代だと260円ほどの差が生まれたそうです。
冷蔵庫は整理整頓しよう
冷蔵庫の無駄な開閉や開けている時間を短くするには、整理整頓が大切です。
- 容器なを色分けしたり、ラベルを付けるなどしてわかりやすくする
- 冷蔵庫に置く場所をジャンル別にあらかじめ決めておく
設定温度を低くしすぎない
冷蔵庫の温度設定は「弱・中・強」といったように三段階程度で設定できるようになっています。
当然ですが、冷蔵温度を上げればその分消費電力は少なくて済みます。
周辺温度が22度で設定温度を強から中に変更すると年間で61.72kWhの節電となります。電気代だと1543円の節約です(最新の機種ではこの辺りは自動設定になっていることも多いですね)。
ただし、冷蔵庫温度を中や弱にすると冷蔵庫の温度が下がりにくくなりますので、生ものなどの痛みにはご注意ください。
直射日光や熱源が当たらない場所に冷蔵庫を置く
冷蔵庫は断熱が施されているとは言っても周囲の温度やさらされている環境によっても影響を受けます。
特に日光が直接当たるような場所だとその太陽の熱で冷蔵庫の温度が上がってしまいます。ほかにもコンロやオーブンなどの熱源の近くに置くのもよくありません。
また、冷蔵庫自身も冷却時に熱を発します。冷蔵庫を触ると少し温かいですよね?
なので、冷蔵庫が発する熱を逃がすためにも冷蔵庫の周囲(左右上部)には適切な間隔をあけるようにしましょう。
まとめ。買い替え+細かな小技で節電・節約
もちろん、コツコツとした小さな節電もよいのですが、節電は、消費電力が大きなものから実施するほうが効率的です。消費量が大きな分だけ10%、20%の節電をするだけでも大きな経済効果を生むからです。
また、電気代が高くて困っているという方は、電力会社の切り替えも有効かもしれません。2016年4月からは電力の小売りが完全自由化されています。
旧来の地域電力会社以外でも様々な電気代プランを用意しています。
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以下のエネチェンジでは電力会社の比較ツールが用意されているので、ぜひ一度お試し下さい。
以上、冷蔵庫の節電術。無駄に電気を消費させないコツと買い替えによる電気代比較をしてみました。
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