セミリタイアって魅力的な言葉の響きがありますよね?セミリタイアというのは、一般的には定年を迎える前に会社を辞めて生活していくことを指します。定年前に会社を辞めるという意味でアーリーリタイアということもありますね。
貯金で生活をする、投資や資産運用で生活をする、あるいは必要な時だけ働くといったように、セミリタイアといってもリタイア後の生計の立て方は様々です。あくせく働くのではなく、悠々自適に、自由気ままに生活するというのは時間が決められ、窮屈な労働を余儀なくされる人から見ると輝いて見えるかもしれません。
一方で、セミリタイアをしてキャリアを捨ててしまうと、やっぱりセミリタイアは無理だった……となった時、同じように戻ることは難しいというリスクもあります。今回はそんなセミリタイアについて、30代、40代、50代でするために必要な貯金額や資金額あるいは、心構えなどを紹介していきます。
セミリタイアをするために必要な資金・貯金額はいくら?
多くの方が気になるであろうことが、○○歳でセミリタイアしようと思ったら、実際にいくらくらい貯金があればいいのか?ということかもしれません。
セミリタイアをして仕事を辞めた場合、当然ですが生活費というのは自分の資産(貯金)から賄っていく必要があります。実際にいくら貯金があればいいのでしょうか?
生活費-資産額×年間の運用利回り=セミリタイア1年に必要なお金
たとえば、現在4000万円の資産があるとして、年利2%の利回りで運用でき、生活費は年間に300万円という場合、300万円-(4000万円×2%)=220万円となります。これが1年に必要なお金となります。
このケースだと年220万円の資金を取り崩すということになります。資金を取り崩すということは2年目以降の運用金額が小さくなるため利息的収入が減少します。結果として、貯金の切り崩し額はどんどん大きくなります。
計算していくと、財産状況は以下のようになります。
1年後 | ¥37,800,000 |
2年後 | ¥35,556,000 |
3年後 | ¥33,267,120 |
4年後 | ¥30,932,462 |
5年後 | ¥28,551,112 |
6年後 | ¥26,122,134 |
7年後 | ¥23,644,577 |
8年後 | ¥21,117,468 |
9年後 | ¥18,539,817 |
10年後 | ¥15,910,614 |
11年後 | ¥13,228,826 |
12年後 | ¥10,493,403 |
13年後 | ¥7,703,271 |
14年後 | ¥4,857,336 |
15年後 | ¥1,954,483 |
16年後 | ¥-1,006,428 |
おおよそ15年間はセミリタイア生活ができますが、そこで貯金が底をついてしまうということになりますね……。上記はあくまでも“他に収入がない”という前提です。完全リタイアしたケースですね。
セミリタイアを成功させるためのポイントとコツ
セミリタイアを成功させるためのコツとしては以下の点が挙げられます。多くのポイントを満たせば満たするほどより有利となります。
- 貯金額を増やす
- 運用の利回りを増やす(高める)
- 何らかの形で収入を得る
- 生活費を下げる(落とす)
この4点です。
貯金額を増やす
前述の例において先ほどはスタートする金額を4000万円に設定していました。これが仮に1億円だったとしたらどうなるでしょうか。その他の条件は同じだとしてもセミリタイア生活をおよそ55年続けることができます。完全リタイアできるといってもいいですね。
ある意味、セミリタイアを成功させるためで、貯金額の大きさというのは最も確実度が高く分かりやすい変数になるでしょう。派手なお金を使わないというのであれば、億単位の資金を持っていれば、長期的なセミリタイア生活は40代でも50代はもちろん、30代からでも可能ということになりますね。
運用の利回りを増やす(高める)
続いて重要になるのが“利回り”です。今はマイナス金利政策によって単純な預金ではお金は殖えません。株や投資信託といった資産運用を行うことで、一定の運用をすることが求められます。
利回りを高めることができれば、その分すくない自己資金(貯金額)であってもセミリタイアを行うことができます。たとえば、冒頭のケースで4000万円の資産額、2%の利回りでの運用だと15年で資金は底をつきますが、5%の利回りで運用が可能だと22年間生活が可能になります。
一方で、利回りが高い運用というのはリスクのある運用だということになります。これからセミリタイア生活の計画を立てるというのであれば、ここの数字は低めに設定しておくほうがよいでしょう。
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何らかの形で収入を得る
セミリタイアというのは完全に働かなくなるというリタイアとは違います。
セミリタイア生活を続ける中で貯金を切り崩していく生活というのは結構ストレスになります。貯金が底をついたら、そこでオシマイになってしまうからです。セミリタイアをしているからといって、全くの無収入とするのではなく、何かしらの形で収入を得るための機会や仕組みを作っておくことは重要です。
生活費を下げる(落とす)
セミリタイア後の生活は基本的には貯金の取り崩しとなりますので、その取り崩す金額を小さくすれば、セミリタイア後の生活可能な年数は延ばすことができます。セミリタイアブログなどを見ると年100万円くらいの生活でセミリタイア生活を送っていらっしゃる方もいらっしゃるみたいです。
冒頭のケースでは300万円としていましたが、節約して200万円にできれば生活期間も15年から25年とすることができます。
セミリタイアをする前に知っておきたいリスクとデメリット
セミリタイア、アーリーリタイアを決断する前に、知っておきたい、心にとどめておきたいリスクについて紹介していきます。
何らかの理由で生活計画が狂うリスク
一目はお金のお話です。ここまでセミリタイア生活をするために必要な貯金や運用、収支について紹介してきましたが、こうした計画が何らかの形で狂うことが一つのリスクです。
- 何らかの理由で急にお金が必要になった
- 運用に失敗して資産を失ってしまった
- インフレになってしまって資産価値が低下した
こうしたことが挙げられます。もちろん、こうしたリスクはセミリタイアしていないケースでも起こりうるものです。ただ、セミリタイアしているということは、定期的かつ安定したサラリー(給料)などの収入がない状態です。こうした状況は生活環境や社会制度の変化に弱いため、リスクに対する防衛力が低いです。
もちろん、再度働くという選択もありますが、一度キャリアが途切れてしまうと再就職をしてもリタイア前と同じ収入を得るのは難しいでしょう。
社会的信用や社会的なつながりの低下、やりがい
もう一つは社会的なお話。要するに人との関係ですね。
仕事を辞めてリタイアしてしまうと、人との付き合いや社会的なつながりが激減してしまう人もいます。そうしたことに耐えられなくなる……という人も少なくないようです。
さらに、セミリタイアをする場合は家族の理解が必要になります。よく、定年退職後、夫が自宅にいるようになってから家族の関係が悪化したという話を耳にしますが、リタイア後どうしたいのか?を家族で共有し理解してもらう必要があるでしょう。
毎日が日曜日、でもそれって本当に楽しい?
セミリタイアをしたら、悠々自適にリゾートで暮らしたり、旅行を楽しんだりしたい。という夢を持ってリタイアしても、数年でそんな生活は飽きてしまった……。毎日が日曜日って意外とつらい……。セミリタイア後にそんな問題を抱えてしまう人も少なくないようです。
本当にセミリタイアしたいのか?それとも単に仕事を辞めたいだけなのか?セミリタイアをするなら、その後のビジョンも重要です。
セミリタイアはお金の問題だけでなく、生き方も重要
セミリタイアをするには、やはりお金が必要です。
数千万単位の貯金や運用、収支を綿密にシミュレーションしましょう。ただ、お金があればセミリタイアするほうが幸せなのか?と言われると、それとこれは話が別です。
セミリタイア後にどんな生活、生き方をしたいのか?ということをしっかりと考えましょう。そこに“生きがい”を感じることができるでしょうか?
以上、30代、40代、50代でセミリタイアするために必要な貯金額、資金額とリスクについてまとめてみました。
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