ファンディーノ(FUNDINNO)とは、日本クラウドキャピタルが2017年にサービスを開始した、未上場のベンチャー企業に対してクラウドファンディングの仕組みを利用して投資ができるサービスです。
IPOをめざしている会社を応援するために資金を出し、その資金に応じた株式(普通株式)を受け取ることができます。クラウドファンディングですが、実質的には未上場のベンチャー企業・スタートアップ企業に投資ができるというサービスになっています。
今回はそんな株式投資型クラウドファンディングであるファンディーノ(FUNDINNO)のサービスの特徴やメリット、デメリットなどをできるだけ分かりやすくまとめていきます。
投資型クラウドファンディングとしてベンチャー企業に直接投資ができる
クラウドファンディングというとネットを利用して資金を集めるサービスになりますが、大きく「寄付型」「商品購入型」「融資型」「投資型」に分類されます。ファンディーノは投資型に該当するもので、資金を出すとその会社の株式を受け取ることができるという内容になっています。
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応援したい企業やサービスを支援し、成功したら果実も分け合える
いわゆる、投資型クラウドファンディング(株式投資型クラウドファンディング)というのは、自分が応援したい会社(サービス)に対してお金を出すことになります。そして、その会社が集めた資金を使って事業を拡大し、成功した暁には、出資者はその成功に応じた果実(利益)を受け取ることができるわけです。
寄附型のクラウドファンディングと違って、その会社を応援して成功することで自分にもメリットがあるということになりますね。
ハイリスク・ハイリターンのエンジェル投資ができるサービス
まず最初に、ファンディーノというサービスは万人向けの投資サービスではありません。正直言ってリスクはかなり高い投資になります。
クラウドファンディングを通じて投資をすると、ファンディーノを通じて、その会社の普通株式を受け取ることができます。その会社の株主になれるわけです。ちなみに、未上場のベンチャー企業に対して投資をすることを「エンジェル投資」と言います。
株主になることで「議決権」「配当の分配を受ける権利」「残余財産を受け取ることができる権利」などの権利を得ることができます。一方で、ファンディーノのクラウドファンディング案件はいずれも未上場の会社です。未上場株式の株というのは、売買するマーケットがありません。
基本的にはその会社が上場する、ないしはM&Aされるなど、一定の成功を収めない限り、投資したお金は回収できません。そして、その回収ができる確率というのは高くはありません。
ファンディーノ(FUNDINNO)を使うメリット
実際にファンディーノ(FUNDINNO)を使ってクラウドファンディングを利用する(投資する)メリットを考えていきましょう。
- エンジェル税制が利用できる
- その会社の株主として応援、一緒に活動することができる
エンジェル税制が利用できる
エンジェル税制というのは、ベンチャー企業へとリスクマネーを供給する投資家のための税制優遇措置です。ベンチャー企業に投資をすると所得控除や税額控除などの節税が可能です。
たとえば、投資段階では二つの税制優遇があり、どちらかを選ぶことができます。ただし、優遇措置Aと優遇措置Bでは対象となるベンチャー企業の条件が変わってきます。
優遇措置A (総所得から所得控除) |
ベンチャー企業への投資額から2000円を控除した金額を、その年の総所得金額から控除することができます。節税額は控除額×税率(所得税+住民税)となります。税率の高い高所得者の方にとって有利な優遇措置です。 なお、控除上限は総所得の40%または1000万円の低い方です。 |
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優遇措置B (株の譲渡益からの控除) |
ベンチャー企業への投資総額の“全額”をその年の他の株式譲渡益から控除できます。譲渡益の範囲内の投資であれば、実質的にノーリスクでベンチャー投資ができるということになります。 |
※優遇措置A、優遇措置Bを受けることができるベンチャー企業には上限があります。FUNDINNO(ファンディーノ)の投資案件がすべてエンジェル税制の適用対象とはなりません。
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その会社の株主として応援、一緒に活動することができる
投資型クラウドファンディングというものは、正直、投資として考えた時にどの程度のリターンがあるかは未知数です。
投資としての実質の部分は未上場株式投資です。投資をしても上場できない案件も多数出てくることかと思います。あくまでも、その会社(事業)を応援したいという気持ちも重要になると思います。
また、それだけでなく“株主”としてその会社が実際に成功するためのサポート(応援)をすることも重要になります。むしろ、ファンディーノ(FUNDINNO)のサービスを利用して資金調達をしたいと考えている会社は、スタートアップ企業として、サポーターが欲しいと考えてる会社も多いはずです。
実際にファンディーノ(FUNDINNO)の投資案件では、そうした“つながり”を作るための場も用意されています。また、一部の企業では株主優待制度を用意している会社もあります。
ファンディーノ(FUNDINNO)のデメリット、リスク
デメリット、リスクとしては“投資としての不確実性が大きすぎる”という点ですね。
たしかに、ファンディーノを通じて取得した株(企業)が上場でもしようなら、投資した額の数倍、数十倍、あるいは数百倍といったリターンを得ることができる可能性があります。
一方で、そうなる確率はどの程度なのか?まだ結果は出ていません。
10社に1社なのか、20社に1社なのか、あるいは100社に1社かもしれません。
出資をすればその会社の「普通株式」を取得することはできるわけですが、正直いって未上場企業の株式なんて、ほぼ金銭的価値はないです。証券会社を通じて投資をする、通常の株式投資とはリスクの大きさは段違いです。
ゼロか100かといったハイリスク・ハイリターンな投資ということを忘れてはいけません。
ファンディーノを利用するまでの流れ
口座開設自体は簡単です。「公式サイト」からメールアドレスやパスワードを登録し、必要事項を入力するだけです。
口座開設には“審査”がある
ファンディーノ(FUNDINNO)の口座開設には審査があります。審査といっても電話がかかってきたりするわけではなく、質問に答えるだけです。
この記事をここまで読んでいただいた方はお分かりと思いますが、株式投資型クラウドファンディングというのは極めてハイリスクな運用になります。そのことを理解しているか?とう適合性のための審査となります。
- 収入や資産状況
- 投資経験
- 投資の目的
などが聞かれることになります。投資経験なしという人や、短期のリターンを求めるような人には向いている運用とは言えないので、そういうケースでは審査に落ちる可能性があります。
何度も書きますが、応援+投資の感覚が重要、あなたの目利き力も求めれる
ファンディーノに限った話ではないですが株式投資型クラウドファンディングは、投資として考えれば極めてハイリスクです。
なので、あなた自身が、その会社やサービスについてどれほどの将来性を感じることができるか?またそれを応援したいと思うのか?というところが重要になると思います。
こうした投資型クラウドファンディングの登場というのは、個人的にはすごく歓迎しています。なぜなら、こうしたベンチャー企業・スタートアップ企業へ投資をするということは、これまで個人投資家にとってはその道すらなかったからです。
一部のベンチャーキャピタルやプロ投資家くらいしか、そもそも投資ができなかったわけです。そうした中で、クラウドファンディングという仕組みによってグッと個人まで近づいてきたのです。
まだスタートしたばかりのサービスですが、私としては積極的に応援していきたいと思います。
以上、ファンディーノの評判とメリット、デメリット。未上場ベンチャー投資ができる株式クラウドファンディングについて紹介しました。
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