大規模な自然災害によって住宅が損壊することがあります。
我が国では1995年の阪神淡路大震災を教訓として1998年に「被災者生活再建支援法」という法律が施行されており、自然災害(暴風、豪雨、豪雪、洪水、高潮、地震。津波、噴火その他の異常な自然現象によって生ずる被害」について一定の規模を超えると適用され、支援金の給付をうけることができます。
適用される被災規模
被災者生活再建支援法の適用を受けるには、被災規模が一定以上ある必要があります。
- 市町村なら10世帯以上
- 都道府県なら100世帯以上
- 上記と隣接しており、一定の条件を満たした市町村
などが条件となっており、おなじ自然災害であっても市町村によって補償の対象となる場合と対象となならない場合があります。
これは問題点とされることも多く、おなじタイミングで発生した自然災害であっても住んでいる地域(県や市町村)で支援を受けられる受けられないという例があります。
支援金の給付を受けることができる人
被災住宅に住んでいた世帯が申請することができます。
持ち家だけでなく、借家の場合でも支援金をもらえる可能性があります。ただし、店舗などの営業者や住宅を賃貸に出していた大家さんなどは対象外となります。
基礎支援金
被害の程度に応じて受け取ることができる支援金です。
全壊・半壊、敷地被害により止むを得ず解体した世帯・被害によって居住不能な状態が長期間継続している世帯
基礎支援金:100万円
大規模な補修が必要な状態(大規模半壊)
基礎支援金:50万円
災害発生日から13ヶ月以内に申請する必要があります。
加算支援金
こちらは家の再建方法によって金額が変わってきます。
- 買う・建て直す場合:200万円
- 補修する場合:100万円
- 公営住宅以外に転居する場合:50万円
こちらの申請期限は37ヶ月以内と比較的長期です。
なお、基礎支援金と加算支援金はあわせて300万円が上限となります。また、単身世帯の場合、各金額は3/4に減額されます。
公的補償(支援金)の給付を受けるための手続き・申請
基礎支援金の給付を受けるには、原則として住民票のほか「罹災証明書(りさいしょうめいしょ)」が必要になります。
これは市区町村から交付されますが自動的に交付されるものではなく、自治体に自分(世帯主)が申請して、自治体による被害認定によって程度が決定されます。
また、加算支援金を受ける婆には住宅の購入や賃借等の契約書も必要となります。
雑損控除も利用可能
ここで挙げた支援金の対象とはならないようなケースでも「雑損控除」という税制上の優遇を利用することができます。
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公的補償の限界と自然災害への備え(自助努力)
基本的に、自然災害に対する備えというのは「自助努力」が基本とされています。
前述の通り、被害を受けても被害を受けた住宅の数が少なければ、自分の家が被災しても補償は受けられません。また、被災程度の判定も、罹災証明書の交付が受けられなければ支援を受けることはできません。
このような公的な補償制度は被災者にとって支援の一助となるのは確かですが、それだけで自然災害に対する金銭的リスクをカバーできるものではありません。自分自身でも災害に備える自助努力をする必要があります。
住宅の場合で、災害に備えるということであれば、「火災保険」などの民間の損害保険がリスクをカバーするためには大切になってくるでしょう。
詳しくは「災害から自宅や家財を守る火災保険の選び方」でもまとめています。
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