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2014年、2016年の証券投資の税制変更と節税法のまとめ

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2014tax2013年3月末に成立した税制改正によって2014年以降および2016年以降で証券投資(株式投資、投資信託、債券)などへの税制が大きく変わります。
ここでは、2014年と2016年におけるそれぞれの証券税制変更点のまとめ、株や債券、投資信託などの各証券に投資をしている投資家の方がこの税制改正を踏まえてどのように動くべきなのか、どんな行動をすることで節税できるかをまとめていきたいと思います。

証券税制に関する変更のまとめ

証券税制は大きく2014年と2016年に大きく変更される形となります。それをまとめた図は下記となります。

kabutax2014

 2014年の変更点

  • 上場株式や株式投資信託における税率が10%から20%へと変更(復興増税分は省略)。
  • 日本版ISA(NISA)がスタート

 

2016年の変更点

  • 公社債投資信託や債券の譲渡益が課税対象へ
  • 公社債、割引債、上場株式、株式投信が一体課税、損益通算も可能に
  • NISAの年間限度額が100万円から120万円に。ジュニアNISAの創設

以上です。大きな変化としてはNISAの導入。2014年から株、株式投資信託の税率アップ、2016年以降から公社債投信(外貨MMF含む)の譲渡益が課税対象&各種金融所得の一元課税化というところです。

それでは、上記のように税制が改正される前後で私たちはどのように行動すべきなのでしょうか?上手に売買をすれば節税効果が生まれるケースもあります。

 

2013年末までにやっておくべきこと

2013年12月までにやっておくべきことと言えば、やはり株や投資信託の売却益に対するものです。税率が10%から20%へと一気に倍になるので、ここは対応しておくべきかと思います。

 

・株や株式投資信託の益出し

含み益がある株式や株式投資信託については利益を確定することで税率が10%から20%にアップすることによる税負担の増加を免れることができます。

益出しについては一旦売却した後、翌営業日以降に再び購入することも可能です。
(当日中の買い戻しは平均額となってしまうのでご注意ください)
逆に、含み損については2014年以降にする方がお得ということになりますね。

※株式については取引コストは無視できる水準ですが、株式投資信託の場合は信託財産留保額や再度の販売手数料というコストがかかる場合があるので、買い戻しを検討している場合はご注意ください。

また、2014年からスタートする日本版ISA(NISA)についての投資については、NISA以外の投資とは完全に切り離されます。また、過去の投資を引き継ぐことはできません。

NISAの詳細については「日本版ISA(NISA)に関するまとめ」がまとまっているのでそちらもご参照ください。

 

2015年末までにやっておくこと

特に、2014年、2015年はやや円安傾向が続いていたので外貨MMFや外債で為替差益が生じている方も多いかと思います。2015年12月までにやっておくべきことで特に影響が大きいのが外債や外貨MMFにおける「為替差益」の取り扱いが変わると言う点です。

 

・ 外債(利付債)や外貨MMFの為替差益の売却による益出し

外債や外貨MMFにおいて為替差益(為替レートの変動による利益)が出ている場合は、途中で売却することにより為替差益が非課税となるので税効果が生まれます。2016年以降はこれらの為替差益に対しても20%の税金がかかる形となります。
ちなみに外債(利付債)の場合、満期まで保有していると償還差益は2015年末まででも雑所得扱いになるので、為替差益が生じている場合は満期前に売ってしまうことをお勧めします。

 

・外債(割引債)も為替差益は売却で益出しを行う

外債の割引債(ゼロクーポン債)に関しては、償還日まで保有すると雑所得扱い、償還日前に売れば譲渡所得となります。ただし、2015年末まではこの譲渡所得は50万円の特別控除が利用できます。これを利用して外債(割引債)の場合も為替差益が出ていれば償還前に売却することをお勧めします。

 

節税効果か、税の繰り延べによる利益か?

なお、これらの税率アップ前に一旦利益確定をするという方法は確実な税効果が節税効果が得られる一方で、税の繰り延べ効果を失うことになります。

たとえば、50万円で株を買っておりそれが100万円になっているとします。これを2013年末までに売れば税率は10%なので95万円の現金となります。一方で2014年に100万円で売れば税率は20%となり90万円の現金となってしまいます。

ここだけを見ると前者の方がお得ですが、もしこの株を売らずにいた場合(前者は同額で買い戻しした場合)を考えてみましょう。2013年までに売ったケースをA、売らずに2014年以降も保有し続けたケースをBとします。

2014年1月の時点の株式時価評価はA:95万円(取得価額95万円)、B:100万円(取得価額50万円)となります。Aは支払った税金分時価評価が下がります。
その後、この株式が10年後に今よりも3倍に値上がりしたとします。そしてその時点で売却したとします。

A:95万円×3=285万円
B:100万円×3=300万円

税率は20%です。

A:285万円-(285-95)×20%=247万円
B:300万円-(300-50)×20%=250万円

となり、Bの方が最終的な税引き後の利益が大きくなります。これはAが一旦税金を支払ったことで投資元本が目減りしたことによる差となります。ここまで大きくなった場合は10%分の税金を節税するより、そのまま保有し続けた方がお得ということになるわけです。

この点も一応頭に入れた上で、どのように行動すべきかを検討する必要があるわけですね。