関西地方では交通系ICカード(電子マネー)には大きく二つの規格があります。JR西日本のICOCAと、スルッとKANSA協議会のPiTaPaの二種類です。首都圏におけるSuicaとPASMOのように、関西地方でこの二つの電子マネーをIC乗車券として利用することができます。
今回はこの二種類の交通系ICカードであるICOCAとPiTaPaについてそれぞれの使い勝手やポイント制度や割引などの違いについて徹底的に比較していきます。
ICOCAとPiTaPaの基本的な違いを比較
まずはそれぞれの違いを簡単に表で説明していきたいと思います。ICOCAの仕様は他地方でも利用されている交通系ICカード(SuicaやPASMO、SUGOCAなど)とほぼ同様なのですが、PiTaPaはやや特殊な仕様となっています。
東京・首都圏でも「SuicaとPASMOの違いを比較。どちらを使うのがお得なのか?」でも紹介したように二つの交通系ICカードがありますが、それらの差はポイント付与くらいのものだったのに対して、関西のICOCAとPiTaPaはいろいろな面で大きな違いがあります。
ICOCA | PiTaPa | |
---|---|---|
発行・管理 | JR西日本 | スルッとKANSAI協議会 |
乗車料金の支払い | プリペイド | ポストペイ(PiTaPaエリアのみ) プリペイド(PiTaPaエリア外) |
発行審査 | なし | あり |
乗車ポイント | 基本的になし。SMART ICOCAならJR西の路線乗車でポイントがたまる。 | クレジットカード一体型のPiTaPaの利用でたまる |
オートチャージ | 非対応 | PiTaPa改札で対応 |
他エリアでの利用 | 全国相互利用ができるところならそのまま利用可能 | あらかじめPiTaPaにチャージをしておけば全国相互利用対象路線で利用可能 |
お買い物での利用 | 交通系ICカードで払えるところなら可能。 | 他エリアの場合は事前チャージが必要 |
それぞれ仕様が大きく異なるため、大阪・関西エリアではICOCA派とPiTaPa派に分かれます。
乗車料金の支払い方法。事前払いか後払いか
ICOCAは事前チャージのプリペイド型、一方のPiTaPaはクレジットカードと同様の後払い方式となっています。一般的に交通系ICカードの仕様は全国的にICOCAと同様のプリペイド型ですので、PiTaPaの仕様のほうがどちらかというと変わっています。
交通系ICカードは一昔前まではそれぞれのエリア内だけで使えるという仕様だったものが全国相互利用というサービスが開始されるようになりました。これで割りを食った形になるのがPiTaPaです。他はプリペイドで自社だけポストペイという方式のため、PiTaPaの仕様そのままでは他エリアで使うことができないわけです。
そのため、PiTaPaはPiTaPaエリア内は後払いだけれども、PiTaPaエリア外で利用する分についてはあらかじめチャージしておいてそれを利用するというポストペイとプリペイドの両方の機能がある電子マネーとなっています。
プリペイド分(チャージ分)はPiTaPaエリア外(JR西日本を含む)での利用でのみ使われます。
関西以外での利用ではPiTaPaは少し不便
このPiTaPaの仕様について大阪・関西エリアであればあまり意識することはないかもしれませんが、ほかの地域で電車やバスに乗ることが多いという方にとっては不便に感じるかもしれません。PiTaPaは自動チャージに対応しており、残高が1000円を切ると自動的に2000円にチャージしてくれます(チャージ分は後払い)。
ところが、オートチャージに対応しているのはPiTaPa対応の改札だけで、それ以外のエリアだと自分で券売機などのチャージ機(他地域の交通系ICカードのチャージ専用機が利用できます)でチャージする必要があります。PiTaPanoチャージ上限額は2000円までとなっているので、他地域で電車に乗る機会が多いという人は高頻度でチャージしないといけないという手間がかかります……。
同じ事は交通系電子マネーを使ったお買い物でもいえます。たとえばICOCAならSuicaのエリアでSuica払いができるお買い物にICOCAを使うことはできますが、Suica払いとしてPiTaPaの利用はできません。
審査の問題。ICOCAは無審査、PiTaPaは審査あり
ICOCAは他の交通系ICカードと同様にチャージした金額までしか利用できません。そのため、発行会社は与信リスク(回収リスク)がないので、誰にでも発行することができます。ただし、カードの保証金として500円をデポジットしておく必要があります(解約時に払い戻し可能)
一方のPiTaPaは後払い方式となります。そのため与信(審査)が必要となる為、発行には時間がかかります。審査に通らなかった人のためには「保証金預託制PiTaPaカード」といってあらかじめ数万円を預けておいてその範囲で使えるタイプもありますが、あえてそれを使うメリットはないでしょう。
クレジットカード一体型ICOCA
クレジットカードと一体になったICOCAは2017年3月現在ではないようです。SMART ICOCAに申し込みをすれば、チャージ自体はクレジットカードと紐づけが可能になっています。申し込みをするなら普通のICOCAよりはSMART ICOCAにするほうがよいでしょう。少し手続きは必要になるので面倒ですが、普通のICOCAを使っている人はSMART ICOCAにすればデポジットとして預けている500円を取り戻すこともできます。
ちなみにSMART ICOCAに限り、JR西日本の電車に乗車すればJ-WESTポイントがたまります。
クレジットカード一体型PiTaPa
PiTaPaはそもそもの仕様がポストペイ(後払い)ということもあって、クレジットカード一体型のPiTaPaの種類も豊富です。かなりの数の提携カードがあります。代表的なところで言えば関西私鉄系のSTACIAカード(阪急阪神)や、e-kenet PiTaPa(京阪電車)、OSAKA PiTaPa(大阪市営交通)、minapita(南海電車)、KIPS+PiTaPa(近鉄電車)のような提携カードがあります。
PiTaPa自身に月間の乗車回数や合計利用金額に応じて運賃が割引となるサービスが用意されているほか、提携クレジットカードならPiTaPaの利用額=クレジットカードご利用分としてポイントがもらえたり、それぞれのクレジットカードで自社路線利用の特典が用意されていたりすることもあります。
結局はどちらの路線を多く使うか。ICOCAとPiTaPaの比較
つらつらと違いを説明してきましたが、あくまで関西地域で使うことを前提とするのであれば、最終的な比較・検討についてはJR西日本路線と、そのほかの関西の私鉄や市営交通機関のどちらを多く使うかが大きなポイントになるかと思います。実際の発行枚数で言えば、ICOCAがPiTaPaに対して4倍以上の差をつけられています。
また、前述のとおり関西エリア外での利用においてはいろいろと制約があることは確かなので、ほかの交通系ICカードが利用されているエリアへの出張や旅行などが多いという方はPiTaPaだと苦労することは多いかもしれません。
以上、IOCOCAとPiTaPaの違いを比較してみました。
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