海外旅行などで病気やケガをすると大変な治療費がかかるということはご存知の方も多いかと思います。そんな海外旅行時の病気やケガなどの諸費用を補償してくれる保険が「海外旅行傷害保険」です。この海外旅行傷害保険は損害保険会社などでも受け付けていますが、クレジットカードに付帯保険としてプラスされていることが多い保険です。
今回はそんな海外旅行傷害保険をクレジットカードを複数持つことによって補償内容を積み上げていき、より充実した保障にする方法を紹介していきます。
海外旅行傷害保険は補償の積み上げが出来る
クレジットカードの付帯保険として提供されている海外旅行傷害保険ですが、この保険はすべてではありませんが、補償の積み上げが可能になります。
海外旅行傷害保険における代表的な補償内容は下記の通りです。
×死亡時の補償
×後遺障害となったときの補償
○病気の治療費の補償
○ケガの治療費の補償
○他人に賠償責任を負ったときの補償
○携行品に損害が生じたときの補償
○病気やケガで救援者が必要になったときの費用
×(バツ)としているものは積み上げ不可、○(マル)としているものは積み上げが可能な補償です。死亡補償や後遺障害については、複数のカードの保険がある場合、最も高額な補償内容が上限となります。
一方で、病気やけがの治療費や損害賠償責任、救援者費用などの項目は、複数のカードの補償が重複する場合には合算することが可能です。
海外旅行傷害保険が自動付帯のクレジットカードを活用
海外旅行傷害保険については保険適用に条件がある場合と条件がない場合があります。
利用付帯
海外旅行の料金(航空券費用やホテル代など)を当該クレジットカードで決済していることが条件となるタイプ
自動付帯
料金支払いの有無は問わず補償が適用される。クレジットカードの利用が問われないため、こちらのほうが有利です。
利用付帯のカードであれば旅行費用をカードで決済しておく必要があり、自動付帯のカードなら机に入れておくだけでも効果が発揮されるというわけですね。
そのため、海外旅行傷害保険に期待をするなら自動付帯のカードの方がお勧めということになります。
重要視する項目は「治療費・救援者費用」「携行品損害」
海外旅行傷害保険の出番としては「治療費・救援者費用」「携行品損害」に対するものが多いとされています。ジェイアイ損害保険の2014年データでは、治療救援費用と携行品損害が保険事故件数の70%を超えています。
そのため、補償としても重要視するのはこの2項目となるでしょう。
クレジットカードの海外旅行傷害保険をチェックしてみる
よくクレジットカードの海外旅行傷害保険に関する説明のところに、「最高2000万円」とか「最高1億円」といった表記があります。ただ、この最高額はたいていのケースで死亡補償・後遺障害補償であって、治療費や携行品損害などの部分は少額だったり、場合によっては補償なしというケースもあります。
そのため、カードで海外旅行傷害保険を付けるという場合には補償の項目まで細かく見ていく必要があります。
年会費無料&海外旅行保険自動付帯のクレジットカード
まずは年会費をかけずに海外旅行傷害保険が自動的に付帯するタイプのクレジットカードを紹介します。優先度はかなり高めです。
エポスカード(死亡補償は低いけど、ケガ・病気の補償が手厚い)
年会費無料かつ海外旅行傷害保険が自動付帯します。死亡保障は少なめですが、病気やケガの補償は手厚いです。年会費無料でこれだけの保険が付いているカードは稀有な一枚です。
海外旅行や出張に行くならこの一枚だけでもお守り代わりに作っておくことをお勧めします。
ちなみに、エポスカードには医療費キャッシュレスサービスがついているので、病院に行く前にサポートデスクに電話をして依頼をすれば、現地の病院では1円も支払わずに診察を受けることができます。
死亡・後遺障害 : 最高500万円
傷害治療費用 : 1回の事故につき200万円限度
疾病治療費用 : 1回の疾病につき270万円限度
賠償責任 : 1回の事故につき2,000万円限度
携行品損害 : 1旅行中20万円限度(自己負担3,000円)
救援者費用等 : 1旅行・保険期間中の限度額100万円
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REXカード(死亡補償はそこそこ、EPOSとの二枚持ちが最強)
REXカードは年会費無料の高ポイント還元で知られるクレジットカードです。ポイント還元率は驚異の1.25%と年会費無料のクレジットカードの中では最高水準です。
さらに、海外旅行傷害保険が自動付帯となっています。前述のエポスカードは死亡保障が低かったのですが、REXカードは死亡・後遺障害も大きめです。
死亡・後遺障害 : 最高2,000万円
治療費用 : 1回の事故・病気につき200万円限度
賠償責任 : 1回の事故につき2,000万円限度
携行品損害 : 1旅行中20万円限度
救援者費用等 : 200万円限度
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JCB EIT(死亡補償が手厚い。病気ケガもそれなりに補償)
年会費無料かつ海外旅行傷害保険が自動付帯。死亡補償も比較的大きいです。
JCBカードのリボ払い専用カードです。「実は危険なリボ払い」でも紹介しているように、リボ専用なのでお買い物をするとリボ払い手数料がかかってしまいます。
死亡・後遺障害 : 最高2,000万円
治療費用 : 1回の事故・病気につき100万円限度
賠償責任 : 1回の事故につき2,000万円限度
携行品損害 : 1旅行中20万円限度(自己負担3,000円、携行品1つあたり10万円まで)
救援者費用等 : 100万円限度
DCカード jizile(やや補償は少ないけど、年会費無料だから……)
DCカードのリボ払い専用カード。
補償内容は上記の3枚と比べて低いですが、年会費無料なので持っておいて机に入れておくだけでも補償が有効になります。
JCB EIT同様にリボ専用カードなので決済には注意。
死亡・後遺障害 : 最高1000万円
傷害治療費用 : 1回の事故につき30万円限度
疾病治療費用 : 1回の疾病につき30万円限度
賠償責任 : 1回の事故につき1000万円限度
携行品損害 : 1旅行中10万円限度(自己負担3,000円、年間100万円上限)
救援者費用等 : 50万円限度
3枚のカードを合算した海外旅行害保険
上記の3枚のクレジットカードをすべて保有した場合の海外旅行傷害保険の保険内容は合算して下記のようになります。これだけで確実に十分とはいえませんが、補償内容自体はかなり大きくなっているといえるでしょう。
死亡・後遺障害:2000万円
傷害治療:530万円
疾病治療:600万円
賠償責任:7000万円
携行品損害:70万円
救援者費用:450万円
実際に海外旅行に行くときは、旅行代金を利用付帯の海外旅行傷害保険のついた別のクレジットカードで支払いをすれば、さらに上乗せができますね。
年会費を払ってもいいならプラスアルファでJCBゴールドもおすすめ
年会費無料というコンセプトからは外れますが、少し年会費を払ってもいいかなとおもうのであればJCBゴールドカードもおすすめです。
年会費:10,000円+税
少し年会費は高いですが、充実した海外旅行傷害保険が自動付帯しています。なお、死亡後遺障害についてはカードで飛行機代などを支払っていたら1億円に倍増されます。
死亡・後遺障害:5000万円(カード払いがあれば1億円)
傷害治療:300万円
疾病治療:300万円
賠償責任:1億円
携行品損害:50万円
救援者費用:400万円
JCBゴールドカードを勧める理由はこれに加えて、航空機遅延保険が自動付帯されている点も評価しています。海外旅行等で飛行機の遅延や欠航があった時の宿泊費用や食事代が補償されます。
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90日以上の旅行や高齢者の方は損保の旅行傷害保険も要検討
なお、クレジットカードによる付帯保険には90日程度の上限有効期間があります。
そのため、出張などで長期間滞在することが確定している場合などは保険期限切れとなる可能性もあります。
また、ジェイアイ損害保険の統計によると海外旅行における高額医療費が発生する事故の50%以上は65歳以上の高齢者によるものとしています。
2014年度のジェイアイ保険の統計による海外の高額医療費は1位9335万円、2位:6080万円、3位:5664万円、4位:2414万円、5位:1888万円で内4件はいずれも高齢者だったそうです。
高齢者の事故や病気は高額化しやすいということも考えると、高齢者が海外旅行に行くときは保険上限が高いまたは無制限の旅行傷害保険を利用するのもよいかもしれません。
以上、年会費無料クレジットカードで海外旅行傷害保険の補償を積み上げ十分な保障をつけるための方法いについてまとめてみました。
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