ソフト闇金という言葉が最近、一方面で使われているようです。ソフト（やわらかい）＋闇金（闇金融）という、相反するような言葉がつながった「ソフト闇金」。
内緒で借りられる、ブラックでもOK、来店不要、保証人不要などと耳障りの良い言葉を使い、また闇金融のような脅迫まがい、暴力まがいの行動はとらず、利用者にやさしく接するというスタイルの金融業者です。
やさしいイメージがありますが、あくまでも彼らがそう謳っているだけであり、金利は利息制限法を超える違法な高金利をとるアンダーグラウンドな存在であることは間違いありません。
今回はそんなソフト闇金という存在についていったいどのようなものなのかを紹介していきます。
ソフト闇金は広がっている？ソフト闇金とは？
たとえば、YahooやGoogleで「ソフト闇金」と検索するとサジェストとして「ソフト闇金 ランキング」「ソフト闇金 即日融資」「ソフト闇金 口コミ」「ソフト闇金 おすすめ」といったキーワード候補が並んでいます。
これはこうやって検索している人が数多くいるということのあらわれです。また、検索結果だと「ソフト闇金○○」といったように業者名のサイトが並んでいます。
いずれも自らを「ソフト闇金」と名乗り、高金利でお金を貸すというサービスを行っているようです。
ソフト闇金の特徴
普通に考えたら「闇金融」の「闇」の部分を隠すと思うのですが、そこはあえて「自分たちは闇金融です」と名乗ったうえで、小綺麗につくったホームページで親身に対応しますと書いています。
- 利息は法定利息を大幅に上回る
- ホームページやSNSなどで堂々と集客することが多い
- 融資するのは数万程度
- 対応が優しい（といわれている）
ホームページなどで堂々と金利を書いていますが、トイチ（10日で1割）なんてかわいいものというレベルの金利水準です。
トイチというと、漫画のミナミの帝王とかがこの金利水準でしたね。
ソフト闇金を名乗る業者のホームページで金利を確認すると、以下のような金利を提示している業者がありました。
- 2週間で30％
- 1週間20%
- 10日間で30%
- 月50%
いずれも、トイチという金利を大きく超えてきますね。トイチに合わせると、トニ（10日で2割）やトサン（10日で3割）といった金利水準になります。
そもそも利用する人っているのと思われるかもしれませんが、結構いらっしゃるようです。
冒頭でも紹介したように多くの業者がWEBサイトを使って集客しているようです。
また、実際に検索しているユーザーも多いと推測されます。以下は、Yahoo検索結果のサジェストです。サジェストというのは、他の人が良く検索しているキーワードの組み合わせです。
「ソフト闇金 ランキング」とか「ソフト闇金 即日融資」「ソフト闇金 おすすめ」といったようなキーワードで多くの人が検索していることがわかります。
ソフト闇金を利用するリスク、デメリット
結局のところ、「ソフト」と名乗っても闇金は闇金です。そもそもの法律（貸金業法）などに従っていないわけですから、いくら「ソフト」とか言い出したところで、大きな矛盾を抱えています。
最終的に反社（反社会勢力）とつながっている可能性はありますし、返済できない場合などには大きなトラブルになる可能性が高いです。
ソフト闇金だから優しいというように誤解している人もいますが、あくまでも「借りやすさ」の演出です。彼らもソフト闇金でお金を借りるような人が督促しなくても律儀にお金を返すような人ではないということは知っています。
当然、回収するときには回収します。
金利はアホみたいに高い
闇金は利息制限法といった法律を守りません。
法律の制限を大幅に超過する、トイチ、トサンといったようなバカみたいな高金利となっています。ちなみにトイチ、トニ、トサンといった闇金でよく利用される金利はどの程度になるのかをまとめたものが下の表です。
| 金利 | 単利運用 | 複利計算 |
|---|---|---|
| トイチ（10日で1割） | 365％ | 3142％（31倍） |
| トニ（10日で2割） | 730％ | 77545％（775倍） |
| トサン（10日で3割） | 1095％ | 1441791％（14417倍） |
とんでもない金利ですね。単利でもえげつない金利ですが、複利で考えるともっとひどいです。
複利は10日後に返せなかった場合はその利息分に対しても利息が乗るという形になります。
ソフト闇金は前述の通り、トニ、トサンに近い金利を設定しているところが多いようです。
トサンで10万円借りて1年間それを返さずにいた場合、14億円以上になっている計算になりますね。えげつない。
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多重債務者だけでなく「内緒でお金を借りたい」という層もターゲット
こうしたソフト闇金のターゲットは、どこでもお金を借りられない多重債務者（ブラック）を想像しやすいです。
ただ、ソフト闇金の利用はこうした人だけでなく、「普通の主婦層」もターゲットになっているようです。
お金がちょっと必要になったけど、旦那には話せない。
こういう人にとって無審査でお金を貸してくれるソフト闇金はありがたかったりするそうです。もっとも支払う金利は暴利なので、金融に対するリテラシーの低い層を狙い撃ちにしているとも言えそうです。
お金に困った時は、別の手段で対応するべき
ソフト闇金からお金を借りなければならないと考える人は、すでに一般的な融資でお金を借りることができない、いわゆる「ブラック状態（過去にクレジットカードやカードローンなどで長期の遅延などを起こしたことがある）」なのだろうと思われます。
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そういうケースだと、あらたに銀行カードローンはもちろん、いわゆる消費者金融を使ってもお金を借りることはできません。そうなると、こうしたソフト闇金といった方法でお金を借りようとするのではないでしょうか？
借金苦は借金では解決できない
借金があって苦しいから追加で借金をするというサイクルは必ず破綻します。
結局、借金をするということは今の生活（収入）では暮らせないだけの支出があるわけです。その穴埋めとしてお金を借りているわけです。これが一時的なものであればいいですが、恒常的だと問題は解決しません。
むしろ翌月以降は「返済＋利息」の負担も乗ってくることになるのでさらに苦しくなります。
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生活費のための借金は上記の区分だと「悪くて危険な借金」となります。
特に、ソフト闇金の利用であれば、前述のトイチ、トニ、トサンといった李祖副担を考えると、借入期間が延びるほど、返済不可能な水準にまで膨れ上があがっていってしまいます。
収入がある程度あるなら、債務整理をする
すでに他（カードローンなど）で借金があって、その返済も滞っている。でも生活のためにはお金がいるから……という理由でソフト闇金等でお金を借りたいと考えている場合は、まず債務整理をお勧めします。
こうしたソフト闇金でお金を借りる前に、こうした債務整理等での対応をお勧めします。
特に、一定の収入がある方であれば「自己破産」という選択ではなく、借金の金額を減らしたり、利息をカットすることで返済を続けるといった任意整理や個人再生といった方法もあります。
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公的な支援が利用できるケースもある
また、収入が少なくて生活にも苦労しているというケースでは、公的な融資制度などの支援が利用できる場合があります。代表的なものに「生活福祉資金貸付制度」があります。
各都道府県の社会福祉協議会が実施する支援制度で住民税非課税世帯などに対して必要な資金を貸してくれる制度となっています。
このほかにも、失業保険が切れたけど仕事が見つからないという場合には「求職者支援制度」。経済的な事情で住まいを失ってしまった人には「住宅支援給付」といった制度があります。
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以上、闇金融が優しい？ソフト闇金とは何か？名前はやわらかくても貸付条件はハードというお話でした。
