株式投資や投資信託などの投資の税金が非課税になる制度、NISA(少額投資非課税制度)。制度が始まって時間もたってきたことで、利用者が増加傾向にあるようです。
NISAの口座を作るには銀行または証券会社に専用の口座を開設する必要があります。銀行と証券会社のどっちでもいいなら、普段から取引がある銀行でNISA口座と考える人も多いかもしれませんが、銀行でのNISA口座の開設はまったくおすすめすることができません。
今回は、NISA口座開設先として銀行がダメな理由を説明していきます。
銀行にNISA口座を開設するのは損?
まず、結論からいうと銀行にNISA口座開設はおすすめしません。
理由は投資商品の種類が少ないことと、扱える投資信託も証券会社よりスペックが低いものが多いという2点です。
投資商品が少ない(株式やETF,REITに投資できない)
NISA口座で非課税となる投資商品は「株」「ETF」「REIT」「投資信託」が対象となります。
証券会社であれば上記のすべての商品を購入することができますが、銀行の場合は「投資信託」しか購入することができません。
これが普通の口座であれば、銀行と証券会社に口座を作ってそれぞれで運用ということもできますが、NISA口座は一人一口座しか作ることができません。そう考えた場合、投資の幅に制限がある銀行よりも、NISAを活用するなら幅の広い証券会社を利用する方がおすすめです。
唯一扱える投資信託も証券会社よりスペックが低い
いや、自分はNISAでは投資信託しか買うつもりがないから銀行でいいんだ、という方もいるかもしれません。
確かに、最近NISAの利用で増えているのは党信託の積立投資で、こうした運用方法であれば証券会社でなくても銀行でも問題ありません。むしろ一つの銀行(金融機関)で資産を管理できる方がわかりやすいという面があるかもしれません。
ところが、投資信託の商品ラインナップや手数料を考えるとやっぱり銀行は損です。
投資信託のラインナップが少ない
銀行の場合、証券会社と比較すると取り扱いの投資信託の数は少ないです。
たとえば、大手都市銀行の三井住友銀行の取り扱い投資信託の数は154件、一方の大手ネット証券のSBI証券の取り扱い投資信託数は2135件と10倍以上の差があります。
数が多ければいいということは決してありませんが、取扱数が多いほど、より新しい投資信託(ファンド)の扱いにも積極的ということでもあります。
個人的な感想も含まれていますが、取扱商品数が多い金融機関ほど、コスパもよい投資信託の扱い数も多い印象があります。
銀行は投資信託の手数料も高い
たとえば、日経平均株価に連動する投資信託を買うとしましょう。
今回は、多くの人が口座をもっている「ゆうちょ銀行」とネット証券大手の「SBI証券」とで、それぞれが代表的に販売している日経平均(日経225)に連動する投資信託を買うときの手数料をみていきます。
ゆうちょ銀行(大和 ストック インデックス 225 ファンド)
販売手数料:1.728%(ネット購入時。窓口購入なら2.16%)
信託報酬(年間管理費):0.5616%
SBI証券(ニッセイ日経225インデックスファンド)
販売手数料:無料
信託報酬(年間管理費):0.27%
いかがでしょうか?
いちいちシミュレーションする必要がないくらいのスペック差があることがわかるかと思います。ゆうちょ銀行の場合、投資後1年間にかかる手数料は2%ちょっとかかります。一方のSBI証券ならわずか0.27%ですみます。
仮に100万円投資するとしたら年間で18000円も手数料に差が出ることになるわけです。
銀行でNISA口座を開設する意味はほぼない
以上のことからも銀行で投資信託を買う価値はありません。投資信託を買うならネット証券以外で買うべきじゃないと言い換えてもいいです。
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特にNISA口座に関しては一人一口座という制約があることを考えるとなおさらです。
唯一銀行にNISA口座を開設するメリットがあるとすれば、投資をするつもりは一切ないという方です。各銀行とも手数料を落としてくれる(であろう)NISA口座については獲得に積極的で、NISA口座を開設すれば○○プレゼントとか、ATM手数料無料といったような投資には直接関係のない特典などをプラスしてくれる銀行が多いです。
そうした特典を活用することだけが目的であれば銀行にNISA口座を開設してもいいかもしれません。
ですが、投資をするつもりがあるというのであればNISA口座は証券会社に開設するようにしましょう。
NISA口座の引っ越し(別の金融機関への移管)は可能ではありますが、少し面倒です。
具体的な証券会社はどこにするべきか?という点については「<最新版>証券会社のNISA口座の選び方・比較」の記事にまとめておりますのでこちらも参考にしてみてください。
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