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新車購入と残価設定プラン(残クレ)のメリット、デメリットを解説

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car自動車を新車で購入する時に利用することができる「残価設定プラン」、残価設定ローンや残価設定クレジット、略して残クレ(ざんくれ)などと呼ばれることもあります。

一般的に新車購入時に3年から5年後の下取り価格を割り引いてローンを支払うという内容になっており、見た目だけだとマイカーローンを組む場合よりも月々の返済額を抑えることができるとされています。

今回はそんな残価設定プランの利用を検討している方に知ってほしい、メリットやそのデメリット、注意点などを紹介していきます。

残価設定プランのしくみ

残価設定型プラン(ローン)の仕組みを説明していきます。まずは、300万円の自動車の購入を考えているとしましょう。購入の為の頭金は50万円で残りはマイカーローンか残価設定プランの利用を考えているとして説明していきます。

金利はいずれも3%。返済期間は3年間とします。

 

通常のマイカーローンの場合

新車の300万円からローンの50万円を差し引いた金額がローン総額になります。この場合、250万円を3年間(36カ月)に分けて分割返済をすることになります。

金利3%だとすると月々の支払額(元金+利息)は72,703円となります。そうトータルだと2,617,308円ということになり、元金に対して117,308円の金利を支払ったことになります。

 

残価設定プランの場合

まず、新車の3年後の残価を決定します。

今回は仮に120万円だと仮定しましょう。この残価というのは3年後に自動車をディーラ側が買い取ることを保証する金額となります。

月々のローンで返済するのは新車の総額からこの「残価」を引いた分で良くなります。つまり、300万円(新車価格)-50万円(頭金)-120万円(3年後残価)=130万円が3年間の間に返済する金額で済むわけです。

こうなれば、月々の支払額は40,805円となります。先ほどの自動車ローンで購入する場合よりも月々の返済が少なくなります。

残価設定プランの最大のメリットは「月々の返済額を抑えることができる」ということです。この他にも、以下のようなメリットがあると説明されることもあるでしょう。

  • 頭金がなくても新車に乗れる
  • 気軽に車の買い替え、乗り換えができる
  • 買取価格が保証されているので安心できる
  • 車検が必要ない場合がある(3年の場合)

ただし、この残価設定プランには以下のようなデメリットもあります。安易に月々の返済を抑えられるからといって飛びつくのは賢明でない場合があります。

 

残価設定プラン(ローン)のデメリット

残価設定プランのデメリットは「金利負担は結果的に大きい」「3年後は買い替え、一括返済(分割返済)、売却の選択が必要」「残価との差額が生じる可能性がある」という3点があります。

 

金利負担は結果的に大きい

残価設定型のローンは月々の返済額は残価分の元本返済をしないので小さく見えますが、実際に負担する利息は大きくなります。

これは残価設定型のローンの返済は残価分が返済猶予されているにすぎないためです。

ローン金利の計算では残価部分にもしっかり金利がかかります。3年のマイカーローンの場合、元本を3年間で返済していくので借金の元本は3年間でゼロになります。

一方の残価設定型ローンの場合、上記の例では3年後でも120万円の残価分が未返済額として残っていることになります。その分残価設定型ローンの方が高い利息を支払うことになります。

3年ローンの場合、3年間に支払う利息の総額は117,308円に過ぎませんが、3年残価設定プランの場合168,980円もの利息を負担することになります(金利はどちらも3%の場合)。

無駄なコスト(金利)を支払いたくないというのであれば、残価設定プランはお勧めできません。

 

3年後は買い替え、返済、売却のいずれかの選択が必要

マイカーローンの場合、3年で返済し終えたあとは車は完全に貴方の物になりますが、残価設定プランの場合は違います。3年経った状況でも上記例では120万円の残債(未返済の分の債務)があることになっています。

この時、あなたが取れる方法は下記の3つです。

 

別の車に買い替える

3年後、その車をディーラーに返還して、別の車に買い替えるという方法です。基本的には同じ自動車メーカー(同一ディーラー)での買い替えとなります。他メーカーへの乗り換えをする場合は返済してから、別途買い替えと言う形になります。

通常、残価の返済は不要ですが、売却代金等は受け取れません。そのため、新車をまっさらな状態で購入する必要があります。頭金や新車の購入代金を用意する必要があります(再度、残クレを利用して買うこともできます)。

あくまでも「残価」は未返済分の借金に充てられるだけです。また、次の項目で取り上げているように、運転状況によっては残価よりも小さな金額でしか査定されずに追加の支出が求められる場合もあります。

 

一括返済(分割返済)

3年後に残価として設定されている金額を一括で返済する、またはローンを組み直して分割で返済するという方法になります。

この場合は単純に支払いを長期化させることと同じになります。当初の返済額は少なくて済みますが、利息負担のところでも書きましたがローン利息負担額は大きくなります。

 

売却(車を手放す)

車を手放す(ディーラーに渡す)という方法になります。こちらも(1)と同様に、走行状況等によっては追加の資金の差し入れが必要になる場合があります。

いずれにしても、マイカーローンを組む場合と比べて自由度は大きく下がってしまいます。タイミングが選べないというのは大きなデメリットになります。

 

残価との差額が生じる可能性がある

残価設定型プランなどで問題となるのが、3年後に設定された「残価」と「実際の価値」との差が生じる場合です。

代表的なものが「過走行」です。定められた走行距離よりも多く走った場合は残価が下げられてしまいます。他にも傷を付けた場合なども一定の範囲を超えるとマイナス査定となります。

残価設定クレジットの「残価」というのは買取の上限に近いようなもので場合によっては足が出ることがあります。一括返済をするような場合は問題ないですが、買替や売却を考えている場合はこの差額が思わぬ問題となることがあります。

 

まとめ。基本的にはあまりお勧めできない残クレ

個人的な評価も入りますが、残価設定型プラン(残クレ)は個人にはお勧めしません。

メリットは新車を月々の返済額を抑えて買える。と言うだけです。
もっともこのメリットが大きいのでしょうが、そういう買い物は「背伸び」をした買い物です。

月々の返済は軽くてもそれは単純に将来(3年後や5年後)に負担を先送りしているにすぎません。昔問題になった住宅ローンの「ゆとりローン」と同じです。

残価設定型プラン(残クレ)の利用価値で言えば、新車に乗りたいけど3年後には確実に車を手放す理由がある方や、特定のメーカーでしか車を購入する予定はなく、常に新車に乗りたいという方などに向いていると言えるでしょうか。

 

以上、新車購入と残価設定プラン(残クレ)のメリット、デメリットを説明しました。