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信用評価損益率は相場の天井や底を予測するのに使えるツール

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信用評価損益率という指標があります。これは信用取引をしている投資家がどのくらいの含み損益を抱えているのかを押しなべて評価した指標です。

値がマイナスであれば信用取引のポジションが含み損状態、プラスなら含み益状態を意味します。相場の天井や底を知る上で有用なツールとなることが多いので、今回はこの信用評価損益率について紹介していきます。

信用評価損益率は投資家の含み損益を知る指標

信用評価損益率とは個人の信用取引(買い方)が保有しているポジションがどれだけ含み益(含み損)を抱えているのかをトータルで表す指標です。

これがプラスなら個人投資家全体で含み益状態になっている、一方でマイナスなら含み損状態だということになります。

信用評価損益率=評価損益額÷信用建玉残高(買残のみ)×100

一般的に、この指標はプラスになることはありません。基本マイナスで推移しています。これだけ見ると個人投資家は信用取引で負けている……ということになりますが、必ずしもそうでありません。個人投資家の傾向として含み益がでているポジションは早めに手じまい、そして含み損のポジションは含み損が解消されるまで保有し続けるという傾向が強いためこんな風になるわけです。

 

信用評価損益率が0%に近づくと天井、-20%付近が底

表題の“相場の天井や底をしる”ための指標としての信用評価損益率の目安は0%と-20%です。

  • 0%:多くの個人投資家が儲かっている状況。やや相場過熱
  • -20%:個人投資家の投げが加速。やや売られすぎの状況

というように経験則で語られることが多いです。

 

0%付近は相場が総楽観。相場の天井か?

まず、信用評価損益率が0%付近になるというのは、ほとんどの投資家が儲かっている状態です。

前述のように多くの投資家は含み益の玉(建玉)は早めに決済するため、含み損益が0%という状況は多くの銘柄が直近高値を付けている状態と読み解くこともできます。

信用評価損益率が0%を超えることもないことはありませんが、これが10%を超えた水準というのまずありません。そう考えると、信用評価損益率が0%に近づいてきたら、ある程度の買いポジションは手じまい、株投資の割合を少し減らすというのも有効な手といえるかもしれません。

相場格言にも“総楽観は売り”という言葉がありますが、信用評価損益率が0%近いというのはそういう状況に近いといえるでしょう。

 

-20%付近は個人投資家の投げ売りが加速。一旦の安値を付けることも

一般的に、信用評価損益率が-10%を下回ってくると信用取引の評価損によって“追証(追加証拠金)”を払う必要が出てくるとされています。

追証を解消するには追加で現金を入金するか信用取引の解消が必要になります。お金を入れることができない場合は、買い建てをしている株を安値であったとしても投げ売る必要があります。そして、投資家全体がそんな雰囲気になる時点が相場の底であったりするわけです。

 

信用評価損益率を知る方法

信用評価損益として代表的なものは証券取引所が発表するデータがあります。

これは前週金曜日時点の二市場(東証・名証)における信用評価損益率となり、日本取引所グループが発表しています。正直、データとしてはあまり見やすいものではないので、加工されたもののほうが見やすいです。

たとえば、日経新聞の場合、毎週木曜日のマーケット面で数字が紹介されています。他にも、信用評価損益率などを日経平均のチャートと組み合わせたデータを提供しているサイトなどもありますので、“信用評価損益率 チャート”などで検索してみるのも手です。

 

速報性の高い松井証券の信用評価損益率

ネット証券大手の松井証券は日々、この信用評価損益率を公開しています。この松井証券のデータは個人投資家が入手可能な信用評価損益率の中でもっとも速報性が高い数字となっています。

前営業日のデータを知ることができるので、速報性が極めて高いです。相場の動きは時にして急なので、急落などの場面で信用評価損益率を投資の参考にしたいという場合は松井証券のデータがおすすめです。

松井証券公式ホームページ

なお、松井証券の信用評価損益率(買い)は、日本証券取引所が発表するデータよりもやや評価損益率が高めになっていますので、比較する場合は少しお気を付け下さい。

 

まとめ。投資指標を上手に活用しよう

相場の過熱や売られすぎを示す指標は様々ありますが、今回は投資指標として“信用評価損益率”を紹介しました。

相場の過熱等を示す指標としてはこの他にも騰落レシオやRSIなどもあります。こうした指標も上手に活用していきましょう。

 

以上、相場の天井や底を予測するのに使えるツール信用評価損益率を紹介しました。