株式投資によって大きな利益を得たとき、人はどうしても金銭感覚が狂いやすいです。
投資によって儲かった100万円と仕事のお給料からコツコツ貯めた100万円も同じです。お金に色はありません。しかしながら、人はその二つの100万円を明確に区別してしまいます。行動経済学において「ハウスマネー効果」と呼ばれるものです。日本でも悪銭身に付かずという諺がありますね。
相場が堅調な時、相場で一儲けできた時というのはどうしても財布は緩みがちになります。家計管理(お金の使い癖)というのは習慣です。一度緩むと矯正するのは大変です。
ハウスマネー効果とは?
ハウスマネーにおけるハウスとはカジノのことです。
ハウスマネー効果というのはそうしたカジノで買って得たお金です。カジノのような形で幸運によって得られた収入(利益)というものは、労働などの対価として得たお金とくらべてその価値を低く評価してしまうというバイアスです。
- 株式投資で儲かった
- FXで大儲けできた
- 宝くじで1等が当選
- ギャンブルで大勝ちした
というような時、そのお金について「どうせ幸運によって手にしたお金なんだからパーッと使ってしまおう」という気持ちになってしまうというのがハウスマネー効果です。パチンコや競馬で勝ったからパーッと飲みに行くぞ~。みたいな経験がある方も少なく買いでしょう。
これは消費(浪費)に限りません。株式投資やFX取引で大きく利益が出たという場合に、通常ならしないようなハイリスクな運用をしてしまうことも含みます。とにかく、そうした利益分について浪費しやすくなるわけです。そうしてリスクを拡大していっても勝ち続ければいいですが、掛金を増やしすぎて最後は大負けするというコツコツドカンな目に合うかもしれません。
そうしたバイアスがあることを把握し踊らされないようにしよう
なので、私たち投資家としては、こういうバイアスが働きやすいということを理解した上で
- 無駄遣いをしないように心がける
- 普段以上に冷静な運用を心がける
という対応が必要になってきます。
ちなみに相場格言に「運鈍根三つのみでは財積めず、勤と倹の二うん忘れるな 」という言葉があります。
まず、これはトレードにおける大事な3つの要素を上げているものです。
- 運:そのまんま
- 鈍:動じない気持ち
- 根:根気と一貫性
ですね。ただし、この3つだけでは財積めず(金持ちにはなれない)というわけです。「勤と倹の二うん忘れるな」というわけです。
勤は勤労、倹は倹約ですね。相場で儲かったからといって、怠けて浪費をするようだと結局金持ちにはなれませんよ。という格言ですね。
行動経済学は相場と向き合う上で結構大切だと思う
通常経済学では「人は合理的に動く」という前提で物事を見ます。ところが、実際にはそうなりません。人は非合理的なのです。行動経済学という分野は人間は非合理的出来あるということを見る経済学です。
相場や投資と向き合う上でも行動経済学によって研究されている内容を見ると、なるほど!と思う部分は多くあります。少なくとも知っておくとあなたの投資判断やお金についての判断をしなければならない時の役に立つこともあるかもしれませんよ。
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