JR九州のIPOが2016年10月25日に行われました。2016年のIPOとしてはLINEと同様の大規模になるものとなりました。今回はそんなJR九州の上場に先立って、JR九州とはどのような会社なのか?ということや、業績の分析、同業である他のJR各社が上場したときはどうだったのか?ということなどを紹介していきます。
JR九州のIPOは果たして買いなのでしょうか?
JR九州の上場、いわゆる三島会社で初
いわゆるJRはJR東日本、JR西日本、JR東海の3社はすでに上場しています。一方で、三島会社と呼ばれるJR九州、JR四国、JR北海道は鉄道による収益力が弱く、なかなか上場できていませんでした。
JR九州はこの三島会社の中では収益力は高いとされています。
JR九州については九州新幹線や、クルーズトレインとして話題になった「ななつ星in九州」、その他にも様々な観光列車を運営しており人気です。一方で、鉄道事業全体における収支は依然として赤字で、不動産事業を中心として収益を上げています。
分譲マンションのMJR、賃貸マンションのRJR、駅ビルのアミュプラザ、ドラッグストアのドラッグイレブン、ホテルのJR九州ホテルといったように多角経営を行っています。クレジットカード事業としてJQカードの発行も行っていますね。
本社がある博多駅前には2011年にアミュプラザ博多がオープンしており、2016年4月にはKITTE博多(博多マルイ)が開業して話題になっていますね。
(10月21日追記)
JR九州の上場について東京証券取引所は9月15日(木)に上場承認、上場日を10月25日(火)とすることになりました。株式も500分割して、公開価格はは2600円と決まりました。100株単位なので260,000円が最小売買単位ということですね。なお、東証だけでなく、福岡証券取引所(福証)への重複上場となります。銘柄コードは9142と決まりました。
JR九州の株主は鉄道建設・運輸施設整備支援機構
JR九州の株式は100%を国土交通省所管の鉄道建設・運輸施設整備支援機構になっており、その株式を売り出す形での上場となる見通しです。
JR九州における「経営安定基金」
経営安定基金というのは、JRの民営化時に赤字を埋めるために国から提供されている基金です。この基金を運用することで、鉄道事業による収支のマイナスを埋めています。
JR九州についてもこの経営安定基金による運用益はかなり大きな部分を締めてはいますが、これながないと赤字というレベルではありません。鉄道ではいまだ赤字でもトータルで安定基金に頼らなくても黒字になっているというのがJR九州が上場できるようになった背景といえそうです。
なお、すでに上場しているJR3社はすでに経営安定基金は全額返済しています。JR九州も上場後はこちらをすぐにとは言わないでしょうが、返済していく形になると思われます。
一方で、経営安定基金の運用益がJR九州の収益に大きく寄与しているため、早期に返済をするとJR九州全体の収益力が低下してしまう恐れがあります。
過去のJRの上場
JR東日本
上場は1993年10月。公募価格38万円、初値は60万円と好調な結果となりました。
当時の日経平均株価:20105.71
JR西日本
上場は1996年10月。公募価格35.7万円、初値は36万円とほぼ公募価格で寄り付いた格好です。
当時の日経平均株価:21556.4
JR東海
上場は1997年10月。公募価格は38万円、初値は38.5万円とJR西日本と同様にさほど大きな株価上昇にはつながっていません。
当時の日経平均株価:17887.71
JR九州
上場は2016年10月25日。公募価格は2600円、初値は3100円と堅調な結果となりました。
JR東日本は公募価格の約60%UPでしたが、他のJRについては微妙なところになっていますね。(10/25追記:JR九州は約20%UPとよかったですね。)
JR九州のIPOは買いか?
また、直近のIPOマーケット全体は好調です。
2015年の勝率:86.6%
2014年の勝率:78.3%
2013年の勝率:93.3%
2012年の勝率:78.0%
2011年の勝率:52.8%
2010年の勝率:45.5%
2009年の勝率:68.4%
2008年の勝率:38.5%
2007年の勝率:73.6%
(引用元:IPO投資にオススメな証券会社比較)
※勝率は公募価格で当選した人が、初値で売却したときの勝率です。
もちろん、JR九州自体は新興企業ではなく、大企業です。そのため、新興企業のような初値が公募価格(IPOで募集される価格)の何倍にもなるというような値動きはまずしません。
その一方で昨年の郵政IPOを含め、国(政府)が株を放出するケースのIPOの勝率(初値>公募価格)は10社中9社※となっており勝率は高くなっています。
10社内訳
・NTT(1987年上場)
・JR東日本(1993年上場)
・JT(1994年上場)
・JR西日本(1996年10月8日上場)
・JR東海(1997年10月8日上場)
・NTTドコモ(1998年上場)
・J-power(2004年)
・日本郵政(2015年)
・ゆうちょ銀行(2015年)
・かんぽ生命(2015年)
その中でも同業であるJR系の成績を見てみましょう。
JR東日本:公募価格38万円、初値:60万円 (+57.89%)
JR西日本:公募価格35.7万円、初値36万円(+0.84%)
JR東海:公募価格38万円、初値38.5万円(+1.31%)
JR東日本はよかったですが、JR西日本、JR東海はかろうじて勝ったというような状況ですね。ちなみにJR西日本やJR東海が上場するタイミングの年は住専問題や銀行の不良債権処理などが問題になった時期ですね。アジア通貨危機(1997年)、山一證券の自主廃業(1997年)や北海道拓殖銀行の破たん(1997年)などがあり、相場環境は決して良いタイミングではなかったと思います。
以上を踏まえて考えると、決して悪いIPOにはならない(しない)んじゃないかなと私は考えています。いずれにしても私自身は、とりあえず応募する予定です。
JR九州のIPOに応募するにはどうしたらいいの?
JRのIPOに申し込みをするには幹事証券会社と呼ばれる証券会社に口座を持っておく必要があります。なお、JR九州のような大型IPOでは複数の証券会社で募集が行われますので、当選確率を高めるためにも複数の証券会社を通じて応募するのが定石です。
・SMBC日興証券(オンライン専用口座)
・SBI証券
・auカブコム証券
上記の3社は確実に抑えておきたいところだと思います。
なお、IPO全般に関しての証券会社の選び方については「IPO狙いで証券会社を選ぶポイント」で解説しているのでご一読ください。
JR九州の上場スケジュール
上場に関するスケジュールも固まりました。
9/15:上場承認
10/6:仮条件決定
10/7~10/14:ブックビルディング期間(応募期間)
10/17:公募価格決定
10/25:上場日
ブックビルディング期間は2016年10月7日(金)~10月14日(金)となっているので、遅くともこのタイミングまでには申し込みが可能な証券会社に口座を作っておく必要があるということになります。
上場の結果
10月25日(火)に東京証券取引所に上場しました。公募価格2600円に対して初値は3100円と好調でした。ただし、寄り付き後は値を落としました。最後は少し盛り返して当日の終値は2990円で引けました。
JR九州の株主優待はあるの?
JR九州も他の鉄道会社と同様に株主優待を上場に合わせて実施発表しています。さすがですね。株主優待の内容は鉄道株主優待券です。区間内の乗車料金が半額となる物で、内容としては「JR西日本の株主優待」とほぼ同様の内容みたいですね。
ただ、JR九州内ということで、新幹線であれば博多-鹿児島の正規料金が10,450円です。この半額なので5000円相当がお得ということになりますね。他にもJR九州は魅力的な観光列車も多いので観光客の方も活用できるかもしれません。JR九州の株主優待制度については「JR九州の株主優待情報のまとめ。上場に合わせて新設。」でもっと詳しくまとめました。
以上、JR九州のIPOは買いか?JR九州の事業内容や過去のJR上場、IPO申込のポイントをまとめてみました。
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