トヨタ自動車が「元本保証型の株式」の発行を決定しました。この元本保証型の株に投資するメリットはあるのでしょうか?それともデメリットやリスクがある投資なのでしょうか?
今回はトヨタ自動車が2015年7月に発行した元本保証型新型株のしくみやそのメリットやデメリットの他、どうやって購入できるのか?ということをまとめていきます。
(追記)第1回AA型種類株式は償却されました
当社は、2020年12月14日開催の当社取締役会において、第1回AA型種類株式(以下「本種類株式」といいます。)について、当社による金銭対価の取得条項を行使し、残存する本種類株式の全部を取得すること及び当該取得を条件として会社法第178条の規定に基づき本種類株式の全部を消却することを決議しました
ということで、発行されたAA種類株式(元本保証型株式)は強制的に償還されることになりました。これはトヨタ側が持っていたオプション(権利)を行使する形で実施されます。詳しくは「こちら(PDF)」
投資家には投資元本分(+経過利息分)が払戻されることになります。
株式投資なのに元本保証?元本保証種類株とは?
ニュースでも色々と報道されており、どういう株なのか?ということについてまずは基本を知りましょう。元本保証型株式(AA型種類株)の発行条件は下記のようになっています。
発行価格(投資家が購入する価格)
価格決定日(7月2日から7日のいずれかの日)のトヨタ自動車株(7203)の株価(終値)の120%以上で決定されます。
結果として、7月3日終値の1.3倍(上限)の10,598円に発行価格が決定しました。野村證券によると発行予定数量の4倍以上の引き合いがあったということです。
購入単位
普通株と同様に100株単位となります。100株、200株といった単位で申し込みを行います。発行価格は10,598円なので1,059,800円が最低購入単位ということになります。
配当金
発行価格に対して、下記の年率の配当が出されます。毎年0.5%ずつステップアップします。ちなみにトヨタ自動車の普通株の配当金とは異なります。この年率は発行価格である10,598円に対して行われます。
1年目:0.5% (52.99円)
2年目:1.0% (105.98円)
3年目:1.5% (158.97円)
4年目:2.0% (211.96円)
5年目:2.5% (264.95円)
6年目以降:2.5% (264.95円)
()内の金額はAA株1株あたりの配当金。トヨタは普通株に対して、2016年は1株あたり210円の配当を行っているので、配当額がそのままだとすると5年目以降は普通株を逆転する可能性があるということになりますね。
5年後の扱い(平成32年・2020年の9月以降)
そもまま元本保証株として保有し続けることもできますが、平成32年(2020年)9月1日以降、トヨタ自動車に対して「発行価格(10,598円)」での買い戻しを要求することができます(4半期に1度)。
また、平成32年(2020年)10月1日以降AA型種類株1株を普通株1株に転換することも可能です(半年に1度)。
ただし、トヨタ自動車は平成33年4月2日以降であれば、本株式を発行価格にて強制的に買い取ることができるオプション(権利)を保有しています。
本株式に対する詳しい資料は「トヨタ自動車IRページ AA型種類株式に関するご説明資料(PDF)」からも見ることができます。
元本保証型の新型株(AA型種類株)をどう見る?
まず、この株は株式ではありますが、「債券(社債)」としての性質が非常に強い株式です。株式なので普通株と同様に議決権はありますが、それを除けば、5年後に現在の株価の1.2~1.3倍の価格で転換可能な転換社債(転換社債型新株予約権付社債)に似ています。
金利面は変動するものの、5年間という投資期間でみれば1.5%となります。
配当利回りで見れば低いですが、AA型種類株は価格下落リスクがゼロということを考えるとそのリスクがある株と比較するのは適当ではなく、債券利回りと比較するべきです。
純資産が17兆円を超える超優良企業であり、倒産のリスクは限りなく低いトヨタ自動車の債券利回りと比較すると驚くべき高さです。
また、今後の株価動向次第ですが現在よりも株価が30%以上上昇すれば、普通株式に転換することが可能なので、株価が大幅に上昇した場合には恩恵を受けることもできます。
たとえば、短期的にインフレが大きく進行したような場合、債券の元本という面で見れば実質的に目減りしますが、普通株式への転換が認められていることから、インフレ対策にもなる商品です(インフレ時、通常株価は上昇するため)。
条件を見ると正直言って「かなり良い」です。
個人投資家限定となる本商品ですが、「中長期保有をする個人投資家の比率を増やしたい」というトヨタ自動車の思惑が背景にあるようです。
実際、トヨタの株主総会で出た反対意見には、日本の投資家だけが有利になるような株の発行は許されないといったようなものがありました。
メリットだけ?デメリットやリスクは無いの?
最大のデメリットは5年間の譲渡制限です。
この条項があるため、投資家は5年間はかならずこの株を保有し続ける必要があります。普通の株とは違い未上場の株という扱いになる上、第3者に譲渡するには取締役会の許可が必要となりますので、誰かに売るなどして現金化するのは事実上不可能となります。
そのため、AA型種類株に投資をするのであれば、5年間は絶対に必要としない資金で運用するべきです。
買えるのは野村證券だけ?ネット証券では買えないの?
引受、販売は「野村證券」です。
申込期間は2015年7月22日までとなっています。7月2日の価格決定時点で募集の4倍以上の申し込みが入っているということで、当初、”おそらくですけれども、すぐに売り切れてしまうんじゃないかなぁと思います。”と書いていた通り瞬間蒸発しそうな感じです。
これから口座を作っても割り当てがもらえるかどうかはかなり微妙なところだと言えるでしょう。
ちなみに、ネット取引専門の「野村ネット&コール」では販売しないそうです。あくまでも野村證券の本店・支店での取り扱いのみになります。
また、野村以外の証券会社(ネット証券を含む)では取り扱いはありません。
(追記)第1回トヨタ元本保証の新型株式の募集は終了いたしました。
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