PTS取引というのは、証券取引所以外で株式を売買することができる場で、「私設取引システム(Proprietary Trading System)」と呼ばれています。一部の証券会社では東証(証券取引所)に加えてPTS取引にも対応しています。
PTS取引ができるメリットというのはSOR注文によって普通に東証に注文を出すよりも有利な価格で約定(取引成立)となる可能性があることや、夜間など時間外での株取引ができるといった点が挙げられます。今回はそんなPTS取引に対応しているネット証券の紹介や、それぞれのサービス内容を比較していきます。
PTS取引とは何か?どんな取引なの?
PTS取引というのは、東京証券取引所などの取引所を介さずに、証券会社が独自に用意したシステム内で株の取り引きをすることです。日本ではあまりメジャーではありませんが、米国などで株取引でPTSが使われるのは一般的です。
冒頭でも書いたように、
- 証券取引所と併用することで有利な価格で株取引ができることがある
- 証券取引所が締まっている時間でも株を売買できる
といった点がメリットとして挙げられます。前者はSOR注文、後者は夜間取引(時間外取引)と呼ばれます。
ちなみに、最近では証券会社内で注文を付け合わせる機関投資家向けの売買サービスである“ダークプール取引”についても個人投資家に開放する動きがあります。
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SOR注文とは何か?
SORとは“Smart Order Routing”の略で、複数の市場から最良の市場を選択して注文を出すという取引方法です。PTSに対応している証券会社で利用できる注文方法です。何も特別なものではありません。
同じ株式でも、複数の取引所で売買されていることがあります。たとえば東証だと1株100円で売り注文が出ているけど、PTS市場では1株99円で売り注文が出ているというケースがあります。
こうしたときに、SOR注文として買い注文を出せば自分に有利な方のマーケットで売買をすることができるという注文方法です。SOR注文に対応している証券会社は標準的な注文自体がSORとなっていることが多いです。
SOR注文が使えることで、“少し売買単価’(価格)で得ができることがる”といった感覚でOKです。
SOR注文にデメリットはあるの?
SOR注文は発注時に自分にとって有利な気配が出ている市場に注文を出すという仕組み上、執行条件付き注文と併用することはできません。不成注文、IFD注文など代表的です。こうした特殊注文を利用したい場合はSOR注文ではなく、通常注文をすれば使えます。
PTS取引を利用した夜間取引とは何か?
PTS取引は証券取引時のおける立会時間(取引時間)以外にも株を売買することができます。
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以下は東京証券取引所と、代表的なPTS取引であるジャパンネクストPTSの取引時間を表にしたものです。圧倒的にPTS取引のほうが取引時間が長いということがわかりますね。
<東証>
東証の場合、午前取引の前場、午後取引の後場に分かれます。前場と後場の間には1時間の休憩時間もあります。
前場(ぜんば) | 9:00~11:30 |
---|---|
後場(ごば) | 12:30~15:00 |
<ジャパンネクストPTS>
ジャパンネクストPTSの場合、お昼の取引は通しで行われ、時間もやや長いです。また、夕方からはないとタイムセッションとして夜間取引が可能となっています。
デイタイムセッション | 8:20~16:00 |
---|---|
ナイトタイムセッション | 17:00~23:59 |
PTS取引が使えれば、引け後や欧米市場を見て現物株売買が可能
企業の決算や重要な発表などは引け後(15時以降)に発表されることが多いです。また、欧州や米国の株価推移などもよくt時以降の日本株に大きく影響します。
そういう状況でもPTS取引が利用できれば、株式を売買することができます。
PTS取引で株取引をするときの注意点は出来高の少なさ
株取引において、ある程度、公正な価格形成を行うためには一定の注文数があることが前提となります。
注文が少ないと、少量の注文でも価格を押し上げたり、押し下げたりしますし、そもそも売り注文(買い注文)が板に乗っていなければ売買自体が成立しません。
現在のPTS夜間取引の取引ボリュームは決して、多くはない状況です。
PTS取引ができるネット証券比較
実際にPTS取引が可能なネット証券を紹介します。
実は、PTS取引は00年代後半に一度ブームがきて、多くの証券会社が独自にサービスを開始していました。
松井証券が「夜市(2007年11月終了)」、auカブコム証券が「kabu.com PTS(2011年10月終了)」、マネックス証券が「 マネックスナイター(2011年12月終了)」といった具合で多くのネット証券がPTS取引を終了し、SBI証券だけが唯一継続していた状況です。
そんな風向きが変わり始めたのが2017年です。楽天証券がPTS取引を開始、2018年には松井証券も参入を表明しています。
SBI証券 ネット証券最大手 ジャパンネクストPTSは夜間取引対応
SBI証券は長年にわたって投資家に対してPTS取引(ジャパンネクストPTS)を提供しています。取引時間中のSOR注文が可能です。ちなみに、SBI証券ではPTS市場での株の売買手数料は通常よりも5%安くなっています。
また、17時以降はナイトタイムセッション(夜間取引)にも接続しています。SBI証券に口座を持っていれば特別な手続きを必要とせずにPTS取引が可能です。現在のところ“夜間取引”に対応しているのはSBI証券だけとなっています。
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楽天証券 2つのPTSに同時接続、SOR注文が捗る
2017年12月23日よりPTS取引のサービスを開始しています。SBI証券と同じ、ジャパンネクストPTSに加え、チャイエックス・ジャパンPTSにも接続しています。東証の立会時間中であれば、東証、ジャパンネクストPTS、チャイエックス・ジャパンPTSの3市場に同時アクセスできるということになります。
2019年3月18日からは待望の夜間取引(ジャパンネクストPTS)にも対応しました。ネット証券2位の楽天証券もジャパンネクストPTSに参加することで、個人投資家による個別株の時間外取引も活発化すると嬉しいですね。
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松井証券 2018年3月に夜間取引に対応
松井証券については2018年3月19日よりPTSへの注文取次に対応しました。
取引対象はジャパンネクストPTSとなります。これでSBI証券、楽天証券、松井証券の大手5社のうち3社がジャパンネクストPTSで取引できるようになっており、より夜間取引の取引活発化が期待できます。
うれしいことですね。
以上、PTS取引とそれによるSOR注文、夜間取引の特徴や提供している証券会社についての情報をまとめました。
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