航空会社は航空券の予約においては「ある程度のキャンセル」を見込んで予約を受け付けています。つまり、実際の定員よりも多くの予約を受け付けることがあるというわけです。これをオーバーブッキング(過剰予約)と呼びます。
計算通りであればオーバーブッキング状態でもキャンセルが発生することで問題なく予約者は全員搭乗できるのですが、計算違いで多くの乗客が登場する場合、搭乗できない人が発生することがあります。
そうした場合では搭乗できない人が発生するわけです。ANAやJALといった国内線航空会社では「フレックストラベラー制度」として、オーバーブッキングによって搭乗できない人に対する取扱い(補償等)が定められています。
航空会社のオーバーブッキングの仕組みと発生する理由
オーバーブッキングは冒頭でも紹介したように、航空会社が定員を超えて予約を受け付けることによって発生します。
なぜそんなことをするのか?というと、そうするほうが航空会社にとっては収益性の向上につながるからです。
航空業界に限ったことではありませんが、予約をした人全員が来るわけではありません。ノーショウと呼ばれる無断キャンセル(当日キャンセル)などは一定数発生します。
航空会社はそうしたキャンセルを見越すことで定員よりも多くの予約を受け付けるわけです。後述するようにオーバーブッキングで搭乗できない顧客に対しては一定の補償(協力金の支払い)を行う必要がありますが、それが発生したとしてもトータルでは過剰予約を受け付けるほうが航空会社的には儲かるわけです。
オーバーブッキングが発生する確率
このデータは国土交通省で取りまとめられています。
たとえば平成29年1月~3月の期間中、JAL(日本航空)は6,907,922人を輸送していますが、不足座席数が654人発生しています。確率的には0.0094%ですね。
ANA(全日空)は9,316,624人に対して不足座席数は1,009人です。確率は0.01083%です。どちらもおおよそですが1万人に対して1席程度の不足が発生しているといえます。
また、自主協力(自発的に便変更に応じてくれた人)だけでなく、最終的に搭乗拒否となっているケースもあります。JALは10万人にたいして3名、ANAは10万人に対して1.6人ですね。これらの人は、その便に搭乗したいという意思表示をしているにも関わらず搭乗できなかったということになります。
全輸送人数 | 不足座席数 | 自主協力 | 搭乗拒否 | |
---|---|---|---|---|
JAL | 6907922 | 654 | 430 | 224 |
ANA | 9316624 | 1009 | 857 | 152 |
日本トランスオーシャン | 706646 | 32 | 20 | 12 |
スカイマーク | 1713225 | 65 | 65 | 0 |
エアドゥ | 513252 | 55 | 55 | 0 |
ソラシドエア | 415783 | 58 | 49 | 9 |
スターフライヤー | 621759 | 195 | 195 | 0 |
※不足座席数=搭乗手続きに来た予約客の数-提供座席数
オーバーブッキングによる搭乗拒否を防ぐには
不足座席が生じた場合、「だれか乗れない人」が出てくるわけです。後述しますが、航空会社は自主的に便を変更してくれる人を募集します。それでオーバーブッキング状態が解消されればいいですが、それでも不足する場合は航空会社の判断によって搭乗できない人が選ばれることになります(搭乗拒否)。
海外の話ですが、ユナイテッド航空で搭乗しているお客さんを引きずりおろすというショッキングな出来事がありました。あれば極端ですが、一般的には以下のような条件に該当する人が選ばれやすいです。
- 搭乗(チェックイン)する時間帯がギリギリ
- 安い航空運賃で搭乗している
- 荷物を預けていない
言い換えれば、オーバーブッキング状態になっていそうで、絶対にその時間の飛行機に搭乗したい人は条件を満たさないようにすればよいです。
実は美味しい?オーバーブッキングによる協力金
オーバーブッキングによって搭乗できない場合、フレックストラベラー制度により、ANAやJALでは便変更(通常は次の便への振り替え)に協力してくれる人を募集しています。
無償のボランティアではなく、一定の協力金が支払われるようになっているので、急いでいない人にとっては実はオーバーブッキングはおいしかったりします。
次の便への振り替えをしても問題ない場合、という条件付きとはなりますが、謝礼(協力金)はかなり魅力的です。
お金(現金)ならその場で受け取ることができます。マイルの場合は2週間後を目途に加算されます。お得度でいえば、マイルの方が高いでしょう。
ANAのフレックストラベラー制度
ご予約をお持ちのお客様の数が座席数を上回り、座席が不足した場合、当該便を予約済みのお客様の中から、ANAが提示する協力金額および代替交通手段に同意され、自主的に便の変更等についてご了承いただける方を募り、ご協力いただいたお客様に対して、協力金のお支払いおよび代替交通手段の提供を行う制度です。
- 当日便への振り替え:1万円または7500マイル
- 翌日便への振り替え:2万円または15000マイル
※出発が翌日以降になり、宿泊手配が必要な場合には、「協力金」に加えて宿泊費および宿泊施設と空港間の交通費をANAが負担。
JALのフレックストラベラー制度
ご予約をお持ちでも、さまざまなご都合により空港にお越しになれないお客さまもいらっしゃることから、一部の便において座席数よりも多くの予約を承ることがございます。予約数が座席数を上回り、座席が不足した場合に、当該便をご予約済みのお客さまの中から自主的に便の変更等についてご了承いただける方を募り、ご協力いただいたお客さまに対して、協力金またはマイルのお支払いおよび代替交通手段の提供を行う制度です。
- 当日便への振り替え:1万円または7500マイル
- 翌日便への振り替え:2万円または15000マイル
※翌日以降となる場合は、宿泊費、宿泊施設と空港間の交通費などを負担します。当該航空券の払い戻しをご希望の場合には、所定の手数料を免除のうえ、当該航空券を払い戻しいたします。その際も協力金または協力マイルをお支払いいたします。
オーバーブッキングでフレックストラベラーに応募する方法
座席不足が発生している場合、搭乗口でアナウンスされ、協力を呼びかけられます。また、ホワイトボードで、座席不足に対する協力が呼びかけられます。
その呼びかけに対して応募すると告げれば受け付けてくれます。
ただし、この段階で確定ではありません。その時点ではオーバーブッキング状態であっても、最終的にはノーショウが発生して座席不足が解消されることも少なくないからです。
また、座席不足が生じたとしても他に応募している人がいた場合は、必ずしも自分が選ばれるとは限りません。基本的には申し出順とされていますが、手荷物を預けている場合は優先順位が下がります(出すのが大変なので)。
オーバーブッキングを狙って予約するのはアリ?
アリといえばアリなのでしょうが、実際に狙うのは難しいと思います。前述のように最終的に不足座席が発生するのは1万人に対して1席程度です。飛行機の定員を350と見た場合、満席計算でも28便に1席程度しか発生しない計算になります。
航空会社としてもできるだけ満席を狙いつつも、座席不足は避けるように計算して予約を受け付けるわけですから、そうそう狙えるものではありません。
一般的には、お盆や年末年始、週末といったタイミングの方がオーバーブッキングが発生しやすいといわれています。
そう簡単に狙えるものではありませんが、もしも次便への振り替えを募集しているようなときは応募してみるのも一つといえるかもしれませんね。
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