大手ネット通販のAmazonが揺れています。Amazonの通販はすべての商品をAmazonが販売・発送しているわけではありません。一部はマーケットプレイスと呼ばれるAmazon以外の事業者がAmazonに商品を出品して販売しているケースがあります。こうしたマーケットプレイス業者の中には、私たち買い手を騙そうとしている詐欺を働く業者もいるようです。
2017年4月にはこうした業者がAmazonのマーケットプレイスに大量発生し問題化しています。今回はそんなAmazonで問題のあるマーケットプレイス業者の特徴やそうした業者から身を守る方法を紹介していきます。
Amazonマーケットプレイスとは?
そもそもマーケットプレイスというのはネット上で物の売り手と買い手とが参加できる取引の場です。AmazonではAmazon自身が商品を販売するだけでなく、マーケットプレイスとしてもサービスを提供しています。これらの販売者は個人だったり、法人だったりしています。
このマーケットプレイスの商品はAmazonにおける商品ページでAmazon自身が販売するケースと同じ様に販売されているケースもあり、中には販売者がAmazonではないことに気づかない方もいらっしゃるかもしれません。
Amazonマーケットプレイスで確信犯的な詐欺・悪質業者が跋扈
Amazonマーケットプレイスはこれまで比較的安心だと思われていました。
でも、今は様々なところで問題になっていますが、安心とはとてもいいがたい状態になっています。
以下はAmazonで2017年4月28日にシャープの空気清浄機の販売状況です。
Amazon自身は16,738円で販売していますが、他に異常ともいえる価格で販売しているお店が多数出店していることがわかります。
しかも、この商品の商品ページは下記のとおりです。
普通に商品ページを選んで、そのままカートに入れると3200円で購入することになります。
この商品を購入するとどうなるのか?
と思うかもしれませんが、ほぼ100%商品とどきません。これは代金を詐欺する目的、あるいは個人情報を収集する目的でやっているのです……。
- デタラメな発送番号が送られてくるが発送されていない
- 発送に時間がかかるなどといってなかなか送ってこない
Amazonのマーケットプレイス保証で金銭的負担はない?
Amazonではマーケットプレイス業者から商品を購入しても届かないなどのトラブル時には、代金を返金してくれるマーケットプレイス保証が用意されています。
Amazonでは、多くの購入者に安心してショッピングをしていただくためのさまざまなサポート体制の一部として、Amazon マーケットプレイス保証プログラムをご用意しています。大半の購入者は返金を申請することはありませんが、出品者と購入者の間で問題がどうしても解決できない場合など、Amazonマーケットプレイス保証を申請していただくことができます。
そのため、上記のような注文をして商品が届かなかった……というような場合には補償が利用できる可能性が高いため、金銭的な損害を負うリスクはすくないかもしれません。
個人情報は詐欺業者・悪質事業者にわたる
その一方で注文をした人の情報は悪質事業者にわたることになります。Amazonマーケットプレイスの場合、決済に関する情報(クレジットカード番号など)はマケプレ事業者には渡らないので、そうした情報はわたりませんが、商品発送に必要な情報はわたってしまいます。
- 名前
- 住所
- 電話番号
といった情報が悪質事業者に流れてしまいます。なかには、こうした個人情報を悪用されて、被害者名義で詐欺を目的としたオンラインショップを開設されて、第2の被害者から加害者扱いされるといった2次被害も生じているという噂もでているようです。
Amazonによる対策を待つしかないが……自衛策はあるか?
具体的な対応策としてはAmazonによるマケプレ事業者の審査や出品時のチェックなどを厳格化するといった方法しかありません。
そうはいってもAmazonの対策ができるまでAmazonが使えないというのは不便です。そんなときにこうした悪質業者で買わないで済むための自衛策を考えていきたいと思います。
1)極端な安値で売られているケースは注意する
詐欺業者は、市場価格で1万円の商品を500円で売るといったように通常考えられないような低価格で販売するという手法をとっています。
そのため、極端な価格で売られている商品は避けるというのが一つの手といえるでしょう。ネットの価格比較サイトなどを通じて標準価格を知り、安すぎる商品は怪しいと考えるようにするのが良いかと思います。
2)販売者(配送方法)のところをチェックする
Amazonの商品ページでは、販売者と発送者に対する記述があります。現在のマケプレ詐欺をやっているような事業者は下記の番号における(3)の配送方法をとっている事業者です。
- この商品は、Amazon.co.jp が販売、発送します。
- この商品は、〇〇〇(マケプレ事業者)が販売し、Amazon.co.jp が発送します。
- この商品は〇〇〇(マケプレ事業者)が販売、発送します。
この「この商品は〇〇〇(マケプレ事業者)が販売、発送します。」としているケースは避けるというのがまず被害にあわないコツといえそうです。
もっとも、こうした販売形態をとっているお店のすべてが悪質業者というわけではありません。むしろ、悪質業者はごく一部です。ただし、現状を考えると少し怖いところもあります。
Amazonマーケットプレイスは中小の事業者でもAmazonの販売網を使って商品を販売できるというシステムです。今回の事件(問題)で一番割を食っているのは、Amazonマーケットプレイスの中で正直に商売をしてきた事業者の方でしょう。
今後どのような形で対応されていくのかについてはAmazon次第なのでしょうが、早期解決されることを期待しています。
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