海外旅行時に困るトラブルの一つが、空港で預けたスーツケースなどの荷物が到着先の空港で受け取れないというケース。
飛行機には持ち込める手荷物の大きさに制限があるため、それを超えた分は預けておく必要があります。その預けた荷物が行方不明になってしまうということですね。国内線でもありえないことではありませんが、事故率でいうと国際線(海外)の方が多そうです。
今回はそんな飛行機で預けた荷物が受け取れないというロストバゲージ・ディレイバゲージについての基本と、事故にあわないための自衛策、事故に遭ってしまった時の対応などについてまとめていきます。
海外旅行でスーツケースなどが事故に遭う確率
いったいどのくらいの確率なんだろうかと思って調べたら、SITA(航空会社や旅行代理店頭の業界団体)が手荷物に対する事故率などの統計を出しています。
スライド引用元:SITA 2016 Baggage Report
一番下に書かれているMishandled bags(何らかの間違いが起こった手荷物)という項目。こちららは1000人乗客に対して6.5件という事なので、確率的には0.65%ということになります。
2003年は1.32%、2007年は1.888%だったという事なので、改善はしている……のかな。というところですね。
で、このMishandled bags(何らかの間違いが起こった手荷物)の内訳は以下のとおりです。
1)Delayd Bags:79.1%
2)Damaged/Pilfered Bags:14.8%
3)Lost/Stolen Bags:6.1%
ディレイバゲージが全体の79%でもっとも多いです。要するに「遅延」ですね。
15%が荷物の「損傷」、残りの6%が「紛失・盗難」となっています。
先ほどの例では手荷物トラブルは0.65%なので、
遅延リスク:0.51%
損傷リスク:0.10%
紛失リスク:0.04%
というトラブルに見舞われる可能性があるということになりますね。
飛行機に何度も乗る方は事故にいずれ遭う?
うーん。事故率を0.65%(1人1回の搭乗あたり)だとします。
4人家族で年1回飛行機に乗るとして10年(試行回数40回)とすると、1度以上事故に遭う確率は22.96%になります(1-0.9935^40)。
年に何度も飛行機に乗って旅行や出張に行くという方であれば飛行機のスーツケースや荷物の事故はリスクとして頭に入れておくべきでしょう。
ロストバゲージにあわないための自衛策と事故時の対策
そんなわけでロストバゲージやディレイバゲージといった事故は起こり得るものとして、まずはその自衛策と対策を紹介します。
- 荷物には身元・連絡先が分かるタグをつけておく
- スーツケースには他人のものと違いが判る目印をつけておく
- 古いバゲージクレームタグは外す
- 貴重品や薬など無くてはならない物は預けない
- 長期旅行の場合は旅程表を入れておく
- 高級ブランドなどのバッグは預けないようにする
荷物には身元・連絡先が分かるタグをつけておく
スーツケースがどこに行ったか分からなくなってしまった場合でも預けた荷物にネームタグが付いていれば、最終的に発見されたときに荷物が戻ってくる確率が高くなります。
また、それが途中で外れてしまうという可能性もあるので、スーツケースの中にも入れておくと安心です。また、預け荷物の中には長期旅行の場合「日程表(旅程表)」を入れておくと便利です。どこかの場所で見つかった時に、その場所(滞在先)まで送ってくれるようなケースもあるからです。
スーツケースには他人のものと違いが判る目印をつけておく
スーツケースの形状は似たものも多く、場合によっては完全に「被る」ことも。そうしたときの荷物の取り違えというリスクもあるのでスーツケースベルト、目立つタグ、シールなど自分のものとわかるように「デザイン」しておくとリスクを減らせます。
また、高級ブランドのスーツケースやバッグなどはそもそも預けないようにした方がよいです。特にターンテーブル(受け取り場所)でそうしたバッグを狙う窃盗犯がいないとも限りません。
古いバゲージクレームタグは外す
クレームタグは預けた荷物の引換証です。預けた荷物と受取人を照合するためのタグでシールになっていて預け荷物に張り付けています。
古いタグをつけたままにしていると空港側で混乱してしまうこともあるので、古いタグは必ず外しておきましょう。
また、バゲージクレームタグの控え(搭乗者に渡される分)は、万が一のロストバゲージ事故の時の調査や補償請求などにも使うので無くさないようにしてください。
貴重品や薬など無くてはならない物は預けない
いくら対策をしたとしてもロストバゲージのリスクをゼロにすることはできません。機械的、人為的なミスはいくらでもあるからです。
なので、スーツケースやバッグなどを預けざるを得ない場合には貴重品や薬といったなくなったら困るものは入れておかないというのが鉄則です。お金があっても現地で調達できない物は手荷物として持ち込むようにしましょう。
ロストバゲージの保険に入っておく
ロストバゲージはゼロにできないわけなので、万が一の被害にあった時の備えをしておくという事です。
そういう場合にそなえてロストバゲージの保険を利用するというのも手です。一部のクレジットカードの場合、こうしたロストバゲージ特約が自動で付帯するカードもありますので、こうしたカードを持っておくというのは安心になります。
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上記記事でも紹介していますが、航空機遅延保険がついているクレジットカードなら、預けた荷物の到着遅れや紛失も補償されます。
比較的年会費が高めのクレジットカードに付帯するサービスとなっていますので、あえてロストバゲージのためだけにカードを作るというのはナンセンスですが、こうしたゴールドカードなどは海外旅行や飛行機利用に関するラウンジ特典やその他保険も豊富なので海外へ行く機会が多い方にとってはメリットも大きいと思います。
ロストバゲージの被害に遭った時はどうすればいい?
実際に、預けたバッグやスーツケースなどの荷物がいくら待ってもターンテーブルから出てこない。そんな時はどう行動するべきでしょうか。
- バゲージクレームタグを用意する
- 航空会社に預けた荷物が出てこないことを伝え、探してもらう
- 保険に入っている場合は保険会社(カード会社)も連絡する
- 必要なものを買った時の領収証は取っておく
まず、最初にできることはこれです。預けた荷物の補償については航空会社によって対応が異なるようです。補償金などの補填がある会社もあれば、LCC(格安航空券)は補償なしというケースもあります。
また、航空便遅延補償保険などに加入している場合、あるいはクレジットカードの付帯保険でセットになっているような場合は保険会社(クレジットカード会社)にも連絡を入れておきましょう。
最後に、航空会社や保険で日用品を購入した代金などの補償を受ける場合には、領収証(rシート)が必要になります。無くしてしまったり、もらわなかったりすると後日請求のしようがなくなりますのでご注意ください。
領収証くださいは「Could I have a receipt?」でOKです。
以上、飛行機で預けた荷物が受け取れない!ロストバゲージ・ディレイバゲージの対処方法についてまとめてみました。
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