夫婦において収入や生活費の管理をするとき、銀行口座をどのように管理、使用するかはひとつの問題です。夫(妻)の口座を夫婦で共有的に使うケースもあれば、それぞれの名義の銀行口座を使って家計を管理しているというケースもあるのではないでしょうか。
今回はそんな夫婦における銀行口座の名義を共有して使うのか?それとも個別に管理すべきなのか?それぞれの長所と短所、注意点などをまとめていきます。
夫婦でお金を共通管理する方法とそのメリット、デメリット
まず一つ目は夫婦(家族)のお金を共通管理していくという方法です。一般には夫婦で共通の口座を使ってお金を入出金するという方法が挙げられます。
夫婦で銀行口座を共同管理・利用するときのメリットとしては以下のような点が考えられます。
- 収支の管理や支払いの管理が楽になる
- 家族のお金、個人のお金を分けて考えやすい
生活費をひとまとめで管理することで、月々の収支の状況などが分かりやすいです。支出の分析などをしようと思った時も共通管理しておく方が、無駄の削減などに取り組みやすいです。
日本の銀行口座は個人名義のみ
日本では銀行口座の名義は個人のものしか作ることはできず、共有・共同名義の口座は作ることができません。そのため、銀行口座を共有して使いたいという場合は、夫婦どちらかの名義の口座を共有的に利用するという方法しかありません。
山田太郎さんと山田花子さんの夫婦がいるとして口座名義は太郎さんだけど、太郎さんの口座を花子さんもキャッシュカードなどを持って使うという形になるわけです。
夫婦とはいえ、山田太郎さんの銀行口座から山田花子さんがキャッシュカードや通帳を使ってお金を入金したり出金したりすることに問題はないのでしょうか?
実務上においてはまとまったお金の出金や定期預金の解約などを除けば問題となることは少ないです。
たとえば、夫名義の銀行口座で夫が通帳、妻がキャッシュカードを持つという形で共有しているというご家庭は少なくないようです。
ただ、こちらはあまり褒められたものではなく、不正出金などがあったときに問題となるケースがあります。このように銀行口座を共有したい場合は「代理人カード」を作るとよいでしょう。
代理人カード(キャッシュカード)は口座本人と生計を共にする親族のためのキャッシュカードです。銀行の窓口で申し込みをすれば作ることができます。
具体的な夫婦共通口座の作り方やおすすめの銀行などは下記の記事で紹介しています。
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夫婦で銀行口座を共同で利用するデメリット
一方で共同で資金管理をする場合以下のようなデメリットもあります。
- 夫婦とはいえ、別名義だと引落ができないこともある
- 離婚時のトラブルとなる可能性がある
- 名義人が死亡したときにトラブルとなる可能性がある
こういったデメリットもあります。
夫婦でお金を別々に管理する方法とそのメリット、デメリット
今度は逆に夫婦がそれぞれの資金を分けて管理するようなケースです。こちらのメリットはそれぞれが自由度をもったマネーライフを送ることができるという点にありそうです。
かつての夫が働き、妻は専業主婦として家を守るというようなケースでは夫の銀行口座にすべてまとめておくというケースも多かったのでしょうが、共働き夫婦世帯の割合が専業主婦世帯を超えている現状ではそうしたやり方も古くなってきているのは確かです。
特に、夫婦ともに正社員でそこそこ収入があるというケース。こうしたケースでは共同管理ではなく、個別管理が主体とすることも可能ですし、そちらの方がストレスがないケースもあるでしょう。
生活費のやり取りだけルール化しておき、後の部分はそれぞれが個別管理するという方法になります。
夫婦で別々のお金を管理する際はルール作りが大切
個別にお金を管理するのであれば、それぞれの支出はそれぞれが支払うのでしょうが、夫婦それぞれが恩恵を受ける支出をどうするかのルール作りがまず必要になります。
- 家賃
- 光熱費
- 食費
- 子供の教育費
こうしたお金についてどちらがどの程度出すのか?ということを決めておきましょう。
よく聞くのは家賃は夫が負担するけど、食費は妻が負担するといったように費用項目別に負担を分担するという話も聞きますね。
ただ、この辺りについては前項で述べた「共通口座」で管理したほうがスムーズかもしれません。夫・妻それぞれが共通口座に○○万円を振込して、共通の支払いはその口座からするといった感じでしょうか。
個別管理はブラックボックスになりがち。夫婦間のコミュニケーションを取ろう
大切なのは夫婦間でしっかりルール作りをした上で、コミュニケーションをとることですね。自由度が高い故、それぞれが浪費をしてしまい、お金があると思っていたら実はほとんど貯金出来ていなかったというような話も耳にします。
妻が(夫が)貯金していると思っていた……みたいなトラブルもあります。
また、お金の使い方がそれぞれにとってブラックボックスになることで不安や不信の原因となるケースもあります。
夫婦でお金を個別管理するのであれば年に一度程度は、それぞれの預貯金状況などについて話し合い、将来を考えるような機会を設けるとよいでしょう。
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