終活(しゅうかつ)とは、人生の終わりを迎えるための活動です。自分自身の人生の最期を迎えるにあたって行う様々な準備の総称です。就職活動の就活をもじって作られた造語です。2010年には慎吾・流行語大賞にもノミネートされました。
終活と一口に言っても幅広く、自分自身のための葬儀やお墓などの準備、遺族のための生前整理や相続対策などが挙げられます。今回はそんな終活の基本について理解できるように、終活とはどのようなもので、どんな対策をするべきなのか?また、どのくらいの時期から終活を始めるべきかといったスケジュール感についても紹介していきます。
終活の基本。終活とは何をするのか?
人はいつか死ぬわけで、年齢を重ねれば重ねるほど、死と向き合う機会も増えることになります。そうした中で、終活という言葉が気になっている人も多いのではないでしょうか。
終活は冒頭でも書いたように、自分の人生の終わりを迎えるための活動全般を指す言葉です。
終活を“単純に自分が死んだときのことを考える”というようとらえている人も多いかもしれませんが、それだけではありません。
終活は“自分の人生を振り返り、これからどう生きたいかを考える”というポジティブな面もあります。人生の終わりが『死』であるとするなら、そのゴールに向かって生き抜くという活動でもあるわけです。
10代、20代のときのような壮大な夢ではないかもしれませんが、より現実的に最期に向かってやりたいことを考えるきっかけになるはずです。
終活はいつから始めるべきか?終活のステップ
終活というと、人生も終わりに差し掛かった時期に始めるものと考えている方もいらっしゃいますが、そうではありません。
終活は前項でも書いたように、人生のゴールに向かってポジティブに生き抜くという面もあるわけですから、やりたいこと、やり残したことを実現するためにも、時間や気力が必要です。
また、終活の中には“時間”が必要なことも多いため、なるだけ早い時期に始めるほうが選択の幅も広がる可能性があります。
思い立ったら始めてみるというスタンスでよいと思います。40代、50代で始めたとしても決して早すぎるということはないと思いますよ。
1)エンディングノートを書いてみる
終活の第一ステップとして語られることが多いのが“エンディングノート”です。
自分に万が一のことがあった時のために、残された家族や友人、知人などに伝えておきたいことを遺すノートです。専用のノートである必要はありませんが、Amazonなどでも1000円前後でエンディングノートが販売されているので、こちらを購入するのが便利です。
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- 自分のこと
- 経歴や職歴
- 資産状況、年金や保険の契約状況
- 医療や介護など自分が望む方針
- お葬式やお墓、埋葬について自分が望むこと
- 自分の財産の処分について望むこと
こうしたことを書くようになっています。エンディングノートを一通り書けば、自分自身が動けなくなったあとや死亡したあと、どうしてほしいのかということは伝わります。
たとえば、財産に関して言えば、最近はネット取引も増えており、どこに自分の財産(預貯金や有価証券など)があるかがはっきりしないケースがあります。どこに何があるのかを分かるように記しておくのは重要でしょう。
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また、延命治療や葬儀など自分に万が一のことがあった時にどうしてほしいのか?という意思を残しておくことも需要ですね。
まずは第一歩としてエンディングノートを作成するところから始めてみてはいかがでしょうか?
2)人生を振り返る、やりたいことをリスト化する
死が人生のゴールとするなら、これまでの人生を振り返り、そしてこれからゴールに向けて自分がやりたいこと、やり残していることをリスト化してみるのもよいでしょう。
調査会社のマクロミルが2016年に実施した終活アンケートによると、“人生でやり残したこと”として最上位だったのが旅行でした。
- 世界一周旅行、海外旅行
- 夫婦で旅行
- 思い出の地にもう一度行きたい
こういったことが挙げられています。次点は、自分の子どもや孫に関することが多いようです。
3)自分の思い出と財産を整理する生前整理
エンディングノートを作成した次のステップとして、自分の人生の整理を何らかの形で実行していくことです。いわゆる生前整理と呼ばれるものです。
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生前整理は自分自身の人生の最期を迎えるあたっての整理です。
- 不必要なものを処分する
- 処分しにくい資産は自分が元気なうちに処分して負担を家族に残さない
- 死後、見られたくないものは処分ないしは、処分されるように手配する
- 遺したい、引き継いでほしいものを明確にする
もちろん、“処分”も必要です。実際に体験したことがある方はその大変さがわかると思いますが、亡くなった人の荷物の整理は思った以上に大変です。不要なもの、使わないものはある程度処分してしまいましょう。
モノだけでなく財産の処分もやっておいたほうがいい場合もあります。中でも一番大変な財産は“不動産”でしょうね。最近では空き家の増加もあり、不動産のことを負債的な土地という意味で“負動産”と呼ぶケースもあります。特に家族が遠方にいて、こちらに戻ってくることもないというのであれば、空き家として遺すよりもいっそのこと処分(売却)するなどしておいたほうが良いケースもあります。
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一方、生前整理というと“処分”というイメージが強いかもしれませんが、それだけではなく、必要なものを残すのも生前整理です。
たとえば、先祖代々引き継いだものを、自分の子どもや孫に継いでもらうというのも一つですよね。
着物やずっと使ってきた家具などをリメイクして小物などにして形見分けするといった方もいらっしゃるようです。自分が大切にしてきたものを、子どもや孫に使ってもらうというのも一つです。
さらに言えば、社会的な関係の整理も一つです。後進に道を譲る、後継者を育てて権限を委譲するというもの終活の一つといえるでしょう。
思い出というところでは、写真などの思い出も膨大な場合はデジタル化して残すといった方法も一つでしょう。一方で、遺族には見られたくないプライバシーの高いデータもあるでしょう。こうしたデータの取り扱いや処分に関しても生前のうちに対処しておくのも一つです。
4)相続を争続にしない相続対策
いわゆる相続対策と呼ばれるものですね。自分の財産や負債の状況を分かりやすく整理しておくというのが基本となります。これ自体はエンディングノートでも十分に可能ですね。
ここから先は「遺言による相続財産の処分」と「相続税対策」の二つが挙げられます。
いや、自分にはそんな財産はないから相続対策なんて……と思われるかもしれませんが、それでも相続争いは起こるときは起こります。
財産処分に関してはエンディングノートでも意思を伝えることはできますが、相続が争続にならないためにも必要であれば遺言書を作成しておきましょう。
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もう一つは相続税対策ですね。
相続税については基礎控除などが縮小されたため、相続税が課せられる人が増えています。また、同時に相続税の税負担額も大きくなっています。そうした税対策についてはある程度の時間も必要になってきますので財産が大きい方は早めの対策が必要になってきます。
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5)死後の葬儀や埋葬について準備する
葬儀・埋葬に関しては、やり方は色々あります。豪華なお葬式やお墓などを望む人もいれば、最近では直葬といってお葬式は開かずに直接火葬するような送り方もあります。
自分はどうしてもしいのか?どうしたいのか?ということが明確であれば生前のうちから葬儀や埋葬についての手配をしておくというのも一つです。お墓を生前に準備しておく、お葬式についてもある程度決めておくという人もいます。
遺された家族も、故人の意思としてはっきりしていれば気が楽になるはずです。
また、最近では生前葬などといって、存命中に親しい知人や友人などとのお別れを済ますような式を実施する人も増えています。こうした方法を利用してみるというのも一つの手かもしれませんね。
まとめ。終活は何らかの形でやっておくべき
終活とは、決してネガティブな活動ではありません。
人生は限りあるものです。その最期の時間までをより良いものにするため、自分の夢や希望、家族の事、老後などを考えるきっかけの一つです。最後まで自分らしく生きるためにも、終活を上手に活用してはいかがでしょうか。
以上、終活とは何か?終活を始める理由とその内容についてまとめてみました。
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