2020年4月1日 民事執行法が改正!養育費や慰謝料の逃げ得・踏み倒しが困難になり債権者が有利に

2020/01/17 更新   教育費 法律トラブル 結婚・離婚

2020年4月1日より民事執行法が改正されます。民事執行法というのは、その名前の通り民事裁判によって勝訴するなどして損害賠償などが貰えるようになっているが、それを相手が払ってくれないというときに、強制的にそれを取り立てるための法律です。

よくある話として離婚した夫婦で養育費を支払う取り決めをしていたにも関わらず、その後相手側が養育費を支払わなくなってしまったというような場合。もちろん、改正前でも取り立てをすることはできましたが、相手の銀行口座情報や勤務先情報などを把握しておく必要があり、ハードルが高く実質的に逃げ得・踏み倒しが行われるケースが多かったのです。

そうした点を問題として民事再生法が改正されて、「第三者から情報取得手続き」という制度が新設されます。これによって養育費などを払ってくれない相手に対して請求をするのが容易となります。

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改正の内容はどんなところ?

大きく二つの項目で改正されました。一つは「債務者の財産開示手続きの見直し」で、もう一つは「第三者からの情報取得手続き」という制度の新設です。

これまで、養育費の不払いなどで債務を弁済しない人に対して強制的に財産を差し押さえる場合、相手の銀行口座や勤務先などの情報は債権者自らが特定する必要がありました。

どの銀行の何支店に口座があるのか?どの会社で働いているのか?といった情報がわからなければ差し押さえすることができなかったのです。離婚による養育費支払いなどの場合、相手の情報を知るのは困難なケースも少なくありません。

結局、公正証書や調停調書があっても、取り立てができず、泣き寝入りとなったケースが多かったわけです。

そうした問題を受けての改正となっており、これまで養育費などを滞納されて困っている人も2020年4月以降は取り立てがより容易に行える可能性があるわけです。

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なお、この記事では「養育費」という話をベースにしていますが、「貸したお金を返してもらえていない」「損害賠償や慰謝料を払ってもらえない」というようなケースも同様に対象となります。

 

債務者の財産開示手続きの見直し

民事執行法を利用するにあたって必要な情報を開示させる手続きが「財産開示手続き」です。この制度は元々ありましたが、制度がより使いやすくなり、債務者に対する罰則が大幅に強化されました。

  1. 強制執行にあたって必要な債務名義を有していれば誰でも申し立てが可能
  2. 債務者の不出頭に対する罰則強化(6か月以下の懲役または50万円以下の罰金)

大きく変わったのはこの二つです。

 

債務名義があればだれでも申し立てが可能に

強制執行にあたって「債務名義」があれば強制執行が可能になりました。かなり範囲が広がりました。公正証書でも利用できますので、離婚時の養育費の取り決めを公正証書で行っていれば、強制執行が可能です。
債務名義には以下のようなものが挙げられます。

  • 裁判所の判決(判決書)
  • 裁判所で和解や調停が成立したときに作成される和解調書・調停調書
  • 執行証書(公正証書)

 

債務者の不出頭で罰則

債権者が申し立てを行うと、裁判所は債務者を呼び出し出頭させます。旧法では不出頭や虚偽陳述に対する罰則は30万円以下の過料でしたが、6か月以下の懲役または50万円以下の罰金となります。過料は行政罰ですが、罰金は刑事罰であり、前科が付きます。

 

第三者からの情報取得手続き

債務者の財産開示手続きの見直しは債務者本人を裁判所に呼び出して、本人に開示させる方法でしたが、2020年4月からは新たに「第三者からの情報取得手続き」という制度が新設されます。これは債務名義を持つ人が裁判所に申し立てをすることによって財産に関する情報を第三者から取得できるようにするルールです。

なお、口約束や文書による合意書しかない場合、家庭裁判所で養育費調停をして権利を先に確定させる必要があります。

これまでは、相手の財産がどこにあるかをじぶんで調べる必要がありましたが、それが大幅に楽になります。

  • 銀行本店(預貯金情報)
  • 登記所(不動産情報)
  • 年金機構(勤務先)
  • 証券保管振替機構(株式)

といったようになっています。

銀行については金融機関が把握できている必要があります。支店までは知る必要がありません。たとえば三井住友銀行、ゆうちょ銀行、三菱UFJ銀行、横浜銀行といった具合で銀行の本店は特定しておく必要があります。

その他については、第三者からの情報取得手続きを利用する前提として、前述の財産開示手続きの申し立てを行う必要があります。

 

情報取得手続きを受け手差し押さえの申し立てを行う

これらの方法で相手の財産や勤務先などの情報がわかったら、差し押さえに動く必要があります。ここまでの内容はあくまでも、債務者の財産や勤務先の情報を知るための手続きとなります。

情報開示後に相手が財産を別に移してしまったら元も子もありません。

自分で申し立て手続きをするのは大変だと思いますので、弁護士などの専門家に相談しましょう。弁護士費用がない時は法テラスの民事法律扶助を受けることも可能です。まずは相談しましょう。

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過去の債務名義も有効?

法律の施行は2020年4月です。この民事執行法の改正は「財産開示請求」にかかるものです。

過去の債務名義で合ったとしても2020年4月1日以降にに財産開示請求をすれば改正後の法律が適用されます。申し立てに必要な債務名義の作成時期は関係ありません。つまり、現時点で養育費を支払ってもらえていない人も2020年4月1日以降はどしどし開示請求をやりましょう。

また、今後は養育費や慰謝料などの支払いに強制執行認諾条項の付いた公正証書があると非常に強力なツールとなります。

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