はじめのかんぽはお得?返戻率、メリットとデメリット、向いている人を解説
郵便局で相談しやすい学資保険として、かんぽ生命の「はじめのかんぽ」を候補にする家庭は多いです。
ただし、学資保険は「郵便局だから安心」「返戻率が100%を超えるからお得」と単純に決める商品ではありません。
教育資金は使う時期がほぼ決まっているお金なので、受け取るタイミング、途中解約のしにくさ、インフレへの弱さ、契約者に万一のことがあったときの保障を分けて見る必要があります。
この記事では、2026年5月2日時点のかんぽ生命の商品情報をもとに、はじめのかんぽの返戻率、メリットとデメリット、向いている家庭、NISAや預貯金との使い分けを整理します。
この記事の要点
- はじめのかんぽは、大学入学時、学校進学時、大学在学中など、学資金の受取タイミングを選べる学資保険です。
- 2026年5月2日時点の公式例では、30歳男性が契約者、0歳の子ども、18歳満期、基準保険金額500万円の全期間払込で、月額保険料は22,750円です。
- この例の払込総額は4,914,000円で、500万円を受け取る前提なら返戻率は約101.7%です。
- 契約者に万一のことがあった場合の払込免除を重視する家庭には、預貯金にない役割があります。
- 途中解約では元本割れする可能性があり、インフレや新NISAとの比較も欠かせません。
- 医療特約は付けられますが、自治体の子ども医療費助成と重なる可能性があるため、貯蓄目的なら慎重に判断します。
はじめのかんぽとは
はじめのかんぽは、かんぽ生命が取り扱う学資保険です。
子どもの進学時期に合わせて学資金を受け取る仕組みで、全国の郵便局やかんぽ生命の窓口で相談できます。
現在の商品ページでは、学資金の受け取り方として3つのコースが示されています。
| コース | 主な受取タイミング | 向いている家庭 |
|---|---|---|
| 大学入学時 | 17歳満期または18歳満期 | 大学入学前のまとまった支出に備えたい家庭 |
| 小学校、中学校、高校、大学入学時 | 各入学前と満期 | 進学ごとの制服、教材、入学金などにも備えたい家庭 |
| 大学入学時と在学中 | 18歳、19歳、20歳、21歳満期 | 大学4年間の授業料や生活費を分けて準備したい家庭 |
払込方法はコースで異なりますが、10歳で保険料を払い終えるタイプも用意されています。
かつては12歳払い済みの説明が見られましたが、現在の商品ページでは10歳払込済プランとして案内されています。
2026年5月2日時点の保険料例と返戻率
かんぽ生命の商品ページでは、2026年5月2日時点の保険料例が掲載されています。
基準保険金額500万円、全期間払込、18歳満期、被保険者0歳、口座払込みの場合、契約者30歳男性の月額保険料は22,750円です。
18年間で216回払うと、払込総額は4,914,000円です。
返戻率の計算例
5,000,000円 ÷ 4,914,000円 × 100 = 約101.7%
同じ条件で契約者30歳女性の場合、月額保険料は22,700円、払込総額は4,903,200円です。
500万円を受け取る前提なら、返戻率は約102.0%になります。
この数字は、契約者の年齢、性別、子どもの年齢、満期、払込期間、保険金額、特約の有無で変わります。
特約を付けると保険料が上がるため、貯蓄性だけを見た返戻率は下がりやすくなります。
返戻率だけで判断しない
学資保険の返戻率は、受取総額を払込保険料総額で割って計算します。
100%を超えれば払った保険料より受取額が多く、100%を下回れば払込総額より少ない受け取りになります。
しかし、返戻率101%から102%台という数字は、18年近くお金を固定する対価として高いとは限りません。
途中で自由に引き出せないこと、インフレで教育費が上がること、別の運用機会を使えないことも同時に考える必要があります。
金利、利回り、返戻率の違いは次の記事でも整理しています。
はじめのかんぽのメリット
はじめのかんぽのメリットは、返戻率よりも「教育資金を決まった時期に準備しやすいこと」と「契約者の保障」にあります。
| メリット | 内容 | 向いている家庭 |
|---|---|---|
| 受取タイミングを選べる | 大学入学時、学校進学時、大学在学中などから選べます。 | 教育費の支出時期に合わせて準備したい家庭 |
| 強制的に積み立てやすい | 毎月の保険料として払い込むため、普通預金より使い込みにくくなります。 | 手元にあると使ってしまいやすい家庭 |
| 契約者の万一に備えられる | 一般的な学資保険では、契約者に万一のことがあった場合に以後の保険料払込みが免除され、学資金は予定どおり受け取れる仕組みがあります。 | 主たる収入者に万一があっても教育資金を残したい家庭 |
| 生命保険料控除を使える場合がある | 条件を満たす保険料は一般生命保険料控除の対象になります。 | 所得税や住民税の控除も含めて考えたい家庭 |
| 郵便局で相談しやすい | 近くの郵便局で商品説明を受けやすい点は、ネット契約に不安がある人に向きます。 | 対面で確認しながら契約したい家庭 |
はじめのかんぽのデメリット
はじめのかんぽのデメリットは、学資保険全体の弱点と重なります。
特に注意したいのは、途中解約、インフレ、特約、流動性です。
| デメリット | 内容 | 対策 |
|---|---|---|
| 途中解約で元本割れしやすい | 満期前に解約すると、払った保険料より解約返戻金が少なくなる可能性があります。 | 生活防衛資金を別に確保してから契約します。 |
| インフレに弱い | 将来受け取る金額が決まっていても、教育費が上がると実質的な価値は目減りします。 | NISAや預貯金と組み合わせます。 |
| 返戻率は高利回りではない | 返戻率が100%を超えても、18年近く固定する運用としては控えめです。 | 払込期間と受取時期をそろえて比較します。 |
| 医療特約で貯蓄性が下がる | 特約を付けると保障は増えますが、保険料も増えます。 | 自治体の子ども医療費助成や別の医療保険と重複しないか確認します。 |
| 自由に引き出しにくい | 急な支出に使うには預貯金より不便です。 | 教育費用の保険と緊急資金を分けます。 |
生活防衛資金を作る前に学資保険を厚くすると、急な支出で解約せざるを得なくなる場合があります。
教育資金とは別に、数カ月分の生活費を預貯金で置いておくほうが先です。
医療特約は必要か
はじめのかんぽには、災害保障、医療保障、先進医療保障などの特約を付けられます。
保障を一つにまとめたい家庭には便利ですが、教育資金の貯蓄を目的にするなら特約は慎重に扱います。
子どもの医療費は、自治体の助成で自己負担が抑えられる地域が多くあります。
そのため、入院や手術の保障をどこまで学資保険に付けるかは、地域の助成、勤務先の保障、別の医療保険、貯蓄額を見て決めます。
返戻率を重視するなら、基本契約と特約を分けて見積もり、特約を付けた後の払込総額で判断します。
新NISAや預貯金との使い分け
教育資金は、すべてを学資保険に入れる必要はありません。
使う時期が近いお金は預貯金、長期で運用できる一部は新NISA、契約者の万一に備える部分は学資保険というように役割を分けるほうが現実的です。
| 方法 | 強み | 弱み |
|---|---|---|
| 学資保険 | 契約者の万一に備えながら、計画的に準備できます。 | 途中解約、インフレ、流動性に弱いです。 |
| 預貯金 | 元本が守られやすく、必要なときに使いやすいです。 | 金利が低いと教育費上昇に追いつきにくくなります。 |
| 新NISA | 長期運用でインフレに対応しやすく、利益が非課税になります。 | 元本保証ではなく、入学時期に値下がりしている可能性があります。 |
| 児童手当の積立 | 毎月の支給を教育費として分けやすいです。 | 別管理しないと生活費に混ざりやすくなります。 |
教育資金と新NISAの使い分けは次の記事で詳しく解説しています。
インフレに強い金融商品と弱い金融商品の考え方は次の記事も参考になります。
はじめのかんぽが向いている家庭
はじめのかんぽが向いているのは、教育資金を計画的に積み立てたい家庭です。
特に、主たる収入者に万一のことがあっても教育資金を残したい家庭、郵便局で対面相談したい家庭、投資よりも金額が見える仕組みを優先したい家庭には合います。
一方で、返戻率の高さだけを求める家庭、途中で自由に引き出したい家庭、18年近くの長期で一部を運用に回したい家庭には、学資保険だけでは物足りません。
この場合は、預貯金、新NISA、生命保険の必要保障額を組み合わせて設計します。
生命保険そのものの見直しは次の記事で整理しています。
契約前に見るべきチェックリスト
はじめのかんぽを検討するなら、見積書の保険料だけではなく、次の項目を同じ画面で確認します。
- 受取総額と払込保険料総額
- 特約なしの返戻率
- 特約を付けた後の返戻率
- 満期と学資祝金の受取時期
- 10歳払込済と全期間払込の保険料総額の差
- 契約者に万一のことがあった場合の払込免除の条件
- 途中解約時の解約返戻金の推移
- 生命保険料控除の対象になる保険料区分
- 家計に無理のない月額保険料かどうか
途中解約の返戻金は、契約初期ほど不利になりやすい部分です。
児童手当やボーナスを前提にしすぎず、収入が下がったときでも払える金額に抑えます。
教育費の全体像も先に見る
学資保険の受取額を決める前に、教育費の全体像を見ておくと過不足を判断しやすくなります。
大学入学金や授業料だけでなく、受験料、塾代、教材費、交通費、一人暮らしの家賃や生活費も教育資金に含めて考えます。
子どもの進学に必要な学費と教育費の目安は次の記事で整理しています。
教育資金が不足した場合の選択肢として、奨学金の仕組みも早めに知っておくと判断しやすくなります。
はじめのかんぽは保障重視なら候補になる
はじめのかんぽは、返戻率だけで見ると高利回りの商品ではありません。
2026年5月2日時点の公式例でも、30歳男性契約者の18歳満期、基準保険金額500万円の返戻率は約101.7%です。
しかし、教育資金を使い込まずに積み立てる仕組みと、契約者に万一のことがあった場合の保障を同時に持てる点は、預貯金やNISAにはない役割です。
はじめのかんぽを選ぶなら、教育資金の全部を預けるのではなく、保障として必要な部分に絞り、残りを預貯金や新NISAで補う考え方が使いやすいです。
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教育資金を新NISAや預貯金と組み合わせたい場合はこちらです。
子どもの教育費の目安を確認したい場合はこちらです。
奨学金や返済の考え方を先に知りたい場合はこちらです。
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