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孤独死対策となる保険が増加中。賃貸住宅の孤独死費用と遺族や保証人、大家の負担

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孤独死保険という保険の利用者が増えているようです。

孤独死(孤立死)というのは一般的に、一人暮らしをしている人が住居内で病気や発作などで死亡することを指します。家族と同居しない高齢者が増えたことで社会問題にもなっています。特に、賃貸住宅での孤独死となると、清掃費用、リフォーム費用などが必要になってきます。

そうした費用を賄える保険が“孤独死保険”と呼ばれる保険です。保険としては大家さん向けの保険になりますが、遺族はもちろん、社会全体にとっても必要性が高い保険だと考えられます。今回はそんな孤独死で発生する費用とそれを負担する人、孤独死保険の概要について紹介したいと思います。

孤独死によって発生する費用とは?

賃貸住宅において“孤独死”が発生してしまった場合、以下のような費用や資産価値の低下が発生することになります。

  • 遺品整理・片付けにかかる費用
  • 敷金を超える金額の清掃費用、原状回復費用
  • 部屋が“事故物件”となることによる価値の低下、減収
  • 未納の家賃があるならその家賃

清掃費用やリフォーム費用がかかるというのはもちろんですが、孤独死は状況次第で事故物件(心理的瑕疵がある)扱いとなる場合があるからです。

心理的瑕疵があるという場合は、次の契約者に対して“告知義務(そういうことがあったことを伝える義務)”が生じます。当然ですが、そうなってしまうと借りたいと思う人は減るので、長期間空室になったり、あるいは賃料を大きく値下げしないといけないかもしれません。

 

孤独死の費用は誰が負担する?

  1. 遺族(相続人)
  2. 保証人
  3. 大家

このいずれかの人が孤独死の費用負担をすることになります。

住人が孤独死をした場合、上記のような費用は原則として遺族(相続人)が負うことになります。
子どもや孫などの直系の親族がいない場合は兄弟や、甥、姪など、相続権が及ぶ範囲の人に対して請求が行くことになります。
こうした人たちは“相続放棄”をすることでこうした費用負担から免れることはできます。

入居時に保証人(連帯保証人)になっている人がいればその人に請求が行くことになります。保証人になっている人がいるのであれば、この人に対して大家さんから請求が行くことになります。こちらは拒否することはできません。

遺族もおらず(あるいは遺族が相続放棄)、保証人もいないというようなケースでは、大家さんは泣き寝入りするしかありません。このケースでは大家さんが自分で費用負担をかぶることになります。

 

孤独死リスクがある人に大家さんは部屋を貸したくないけど……

こうしたこともあり、孤独死のリスクが高い人に対して大家さんは本音では部屋を貸したくないと考えているはずです。

その一方で、50歳まで一度も結婚したことがないという生涯未婚率は年々上昇しています。2015年の国勢調査では男性23.37%、女性14.06%です。こうした人は当然住まいは、おひとり様です。

また、核家族化の影響により、高齢の夫婦だけで賃貸に住んでいるという人も少なくありません。こういう人たちもパートナーに先立たれてしまうと、一人になってしまいます。

 

孤独死保険は今後ニーズがますます高まる保険

孤独死保険というのはこのような問題の解決につながる保険です。

名称や保険内容はいろいろありますが、孤独死が起こった時に発生する清掃費用やリフォーム費用、空室期間の損害などを補償してくれる保険となっています。

  • 入居者が保険料負担で加入して保険金受取は大家というタイプ
  • 大家が加入している火災保険の特約としてセットするタイプ

最近では、入居者に対して、入居者が月々数百円程度の保険料を負担して孤独死保険への加入を義務付けている賃貸住宅も増えているそうです。入居者本人からすれば少し嫌な気持ちになるかもしれませんが、大家サイドとしてはそうしなければならないほど切実な問題であるようです。

こうした保険があるからこそ、高齢者の一人暮らしであっても住宅を借りやすくなるという側面もあるので悪いことではないと思います。

いわゆる少額短期保険(ミニ保険)と呼ばれるタイプの保険で、最近はニッチなニーズに対していろいろな保険が登場していますね。

 

自分で自分の孤独死に備える保険に入る人も増えている

大家さんのための保険である孤独死保険ですが、そうしたリスクを自分で備えたい向けの商品も出ています。

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生前整理という言葉も最近よく聞かれるようになりましたが、こうした形で保険を残しておくこともある意味で生前整理の一つといえるかもしれませんね。

単純に自分の相続人(遺族)に迷惑を掛けたくないという話なら通常の死亡保険(生命保険)でも備えることはできるでしょう。

一方で身寄りがないような方の場合は状況が違います。通常の死亡保険は第三者を受取人とすることはできません。自分の死後、大家さんに迷惑を掛けたくないという方は、自分でそういう保険に入る人もいらっしゃいます。

 

孤独死対策はそもそもコミュニケーション窓口を作ることが有効

孤独死をしたあとの損害のカバーを考えておくことも重要ですが、それよりも孤独死をしない、早期発見されるような体制を作っておくということも重要です。

  1. 周囲の人とコミュニケーションをとるようにする
  2. 定期訪問型のサービスを利用する

早期発見は孤独死の予防につながるだけでなく、体調不良などにいち早く気付くことができれば命を取り留めることもできる可能性もあります。

 

周囲の人とコミュニケーションをとるようにする

周囲に住む人や家族などとマメな連絡、コミュニケーションをとるようにすれば、周囲の人から孤独死や変調などに気づいてもらいやすくなります。私が聞いた話では、毎日それぞれがお互いの雨戸が開いていないときは訪問しあうというようなルールを作って孤独死対策をしている方もいらっしゃるようです。

 

定期訪問型のサービスを利用する

お金はかかりますが、定期訪問型のサービスを利用するというのも手です。
昼食はお弁当を宅配してもらうようにするというようなサービスを使っていれば、受け取りに出てこない時点で異常を把握することができます。最近では、食材宅配・弁当宅配などのサービスがこうした見守りサービスを兼ねているようなケースもあります。

 

以上、賃貸住宅と孤独死における費用やその負担、対策となる孤独死保険という新しい保険について紹介しました。