2016年1月のマイナス金利政策の発表を受けて、金利市場は軒並み低下(債券価格は上昇)しており、そうした長期金利をベースに決められる住宅ローンの金利水準も軒並み低下しています。特に10年固定や35年固定といった長期固定型の住宅ローン金利も大きく下落しています。
この状況は数年前に変動金利などで住宅ローンを借りている方にとってはまたとないチャンスです。これを機に金利タイプを長期固定タイプに切り替えることで将来の金利変動リスクをなくすことができます。
10年固定金利が0.5%台、35年固定でも1%前半の低金利
日銀のマイナス金利導入によって住宅ローン金利は大きく下落しています。
ここにきての特徴としては変動金利と長期固定金利との金利差がかなり縮まってきているということです。2012年には変動金利と長期固定金利の差は1%以上ありましたが、2016年4月現在だとその差は0.6%台にまで低下してきています。
※住宅ローン金利ランキングの2016年4月と2012年10月のデータを元にそれぞれの変動金利と長期固定金利の最も低い金利の銀行との金利差より算出。
底値水準の金利だからこそ変動金利→固定金利をおすすめ
住宅ローンの金利変動の仕組みとして、金利上昇局面では変動金利よりも固定金利の方が先に動くという性質があります。金利が安い今の内は変動金利で借りておいて、いざ金利が上昇し始めたら固定金利に乗り換えると考えている人は危険です。
変動金利が上がり出す頃には固定金利はさらに上昇しているはずです。
だからこそ、今のように変動金利と固定金利との差が小さくなっている今がチャンスといえます。
固定金利の住宅ローンに借り換えをするメリット
わざわざ今の住宅ローンを固定金利に借り換えするメリットはどんなものがあるのでしょうか?大きく金利リスク(金利変動リスク)の解消と、長短金利の差が小さくなったことによる負担減少が挙げられます。
将来の金利変動リスクにおびえる必要が無くなる
現在の金利は歴史的な低水準ですが、これがいつまで続くかは分かりません。
2%のインフレを目指すという政府目標が達成された暁には今の様な超低金利は期待できません。
変動金利でも2%を超えるような金利になる可能性は十分にあります。
そうなったとき、今の住宅ローンをそのまま返済できますか?
たとえば、3000万円の住宅ローン(35年返済・元利均等)は金利0.6%なら月々約8万円の返済ですが、金利が2%になったら約10万円、3%になったら約11.5万円にまで増大します(金利がその分大きくなる)。
場合によってはかなり厳しい返済状況(月々の返済額の増加)に悩まされるケースも出てくるはずです。固定金利に切り替えてしまえばこうしたリスクにおびえる必要はなくなります。
長短金利差の縮小により固定金利にしても負担が少なくて済む
ここ数年間で住宅ローンを利用した方にとって今の金利水準は底値に近い金利です。
通常変動金利よりも固定金利の方が金利水準は高くなりますが、いま見直しをすれば変動金利と固定金利の金利があまり変わらないという方も多いかと思います。
4年前(2012年)だと1%の差があったものが2016年には0.6%台の差になっています。もっと前に住宅ローンを借りていたという方はさらに差は小さくなっているはずです。
当時は資金負担の小ささから変動金利を選択していたという方も、今の長期固定金利が低下した状況だと、負担が少なく固定金利への借り換えが可能になるはずです。
なお、現在の借り換えローンの金利水準などについては「借り換えローン比較ランキング」をご参照ください。
また、住宅ローンプランの変更は必ずしも銀行を変えないとできないわけではありません。原材料している銀行と交渉するという手もあります。
詳しくは「借り換えよりも得?今の銀行の住宅ローン金利引き下げ交渉のコツ」も参考にしてください。
以上、マイナス金利でチャンス。住宅ローンを長期固定金利で借り換えて将来の金利リスクを減らす、というお話でした。
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