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住宅ローンが苦しい、返済できない、払えなくなったときの5つの対処法

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住宅ローンは長い間返済を続けなければならない借金です。どんなに万全な準備・計画を立てていても20年、30年という長期の返済の間には様々な経済上の変化があるものです。そういった中経済的な事情により住宅ローンの毎月の返済が困難になるケースもあるでしょう。

今回はそんなローンの返済が困難になったときの対処法を解説していきます。合言葉は「危ないと思ったらすぐ動く」です。

住宅ローンの返済が苦しい、返済できない人はどのくらいいるの?

住宅金融支援機構の決算情報から見てみましょう。

平成29年度決算では、買取債権(フラット35)の合計額が14兆7979億円に対して正常先(ちゃんと返済できている)金額は14兆6580億円となっています。

言い換えると正常先でない債権額が1399億円あるという事になります。割合にすれば約0.95%になります。

1%未満という事ではありますが、100組に1件程度が住宅ローンに何らかの問題を抱えている状況と言えるわけです。

 

住宅ローンが返せない。放置すると1年ほどで競売へ……

では、実際に住宅ローンの返済が困難になり返済できないという状況が続くとどうなってしまのでしょうか。

まずは、まずは簡単にそうなった時の流れを時系列に見ていきます。

 

1か月~2か月滞納

銀行から電話や書面で住宅ローンの返済(支払い)が滞っているので返済してくださいという連絡が電話や書面で届くようになります。

 

3か月以上滞納

銀行の区分的には“要管理先”という扱いになってきます。

また、一般には3か月滞納で、個人信用情報機関へ事故情報が登録されます。

これによって、あなたは金融事故を起こしたことが、他の金融機関(銀行、クレジットカード会社、消費者金融など)にわかるようになり、新規のローンやクレジットカード作成などが困難となります。

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6か月~8か月滞納

基本的に破綻したと銀行に判断され、住宅ローンの一括返済を請求されるようになります。

専門用語だと「期限の利益の喪失」といいますが、約束通り返済がされないので、期限の利益(分割して返済することができる権利)が失われ、銀行から一括でローンを完済するように通知が来ます。

 

9か月滞納

住宅ローンで保証会社を利用している場合、銀行は保証会社に対して代位弁済を求めます。これによって保証会社は住宅ローン残債を銀行に代わりに返済します。これを代位弁済と言います。

ただ、あなたの借金が無くなるわけではなく、以降は請求元が銀行ではなく、保証会社が銀行に代わってあなたに、未返済残高+利息を支払うように請求するようになります。

 

10か月~11か月滞納

保証会社(保証会社を使っていない場合は銀行)が担保にしている不動産(マイホーム)に対して競売を申し立てます。自宅に「担保不動産競売開始決定通知」が届きます。

 

12か月滞納~

裁判所が法律に基づき現地調査を行います。これは拒否できません。自宅内での写真撮影などを行います。

 

競売の決定

競売の期間入札通知書が裁判所から届きます。いついつから競売をしますよという内容です。

 

競売の完了と強制立ち退き

期日に開札が行われ、最も高い値段で入札した人が決定されます。自宅に売却決定の通知が届きます。

基本的にはそのあとで、立ち退きを求められます。応じない場合は執行官による強制立ち退きとなります。

 

債務が残っていれば返済

競売によって売却された代金はローン残債に充てられますが、それでも不足する場合は残りの債務(借金)は残ります。保証会社(または銀行)に対して返済をすることになります。

 

なぜ住宅ローンが返せなくなるのか?

住宅ローンが返せなくなる、返済できなくなる事情は様々です。

  • 転職による収入減
  • リストラや会社の倒産による収入減
  • ケガや病気で収入が減少
  • 親の介護で会社を辞めて収入が減少した
  • 退職金が思ったよりも少なかった
  • 離婚でローン返済を元配偶者がしてくれなくなった
  • 離婚して共同名義・連帯保証人の元配偶者が音信不通になった

人生には何が起こるか想定はつきません。リスクを考えすぎていたらとてもじゃないですけど、数千万円の借金なんてできそうにない……というのが状況かもしれません。

そのため、住宅ローンは設計段階において、こうしたリスクを想定したうえで頭金を多めに入れておく、共有名義にするときはルールを決めておくなどの対応も必要になるのではないかと思います。

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ただ、もう、そのような段階ではないという方がこの記事を見ていらっしゃるかもしれません。

 

住宅ローンの破綻対策は早ければ早いほど選択肢が多い

まず最初に説明しておきたいのは、返済がもう無理、もう限界という切羽詰った状態から対策を考えるよりも、ある程度余裕があるうちのほうが手の打ちようが多いということです。

返済が困難になったときの対策には大きく「JTIを通じた自宅の貸出」「返済額の軽減申請」「返済期間の延長申請」「個人再生手続き」「任意売却」という5つの対処法があります。

前者であるほど、個人に対する負担は小さくなり、任意売却を除けば、今すんでいる家(マイホーム)を手放すことなく住宅ローンの建て直しもできる可能性もあります。

しかしながら、切羽詰まってくると費用面でも時間面でも余裕がなくなり、競売などで不利な条件で家を手放さなくてはならなくなるリスクがあります。

 

JTIを通じた自宅の貸出

市場価値が高い住宅で、いい場所にある自宅なら賃貸に出すという方法があります。

通常の住宅ローンではローン物件を賃貸に出すことはできませんが、移住・住みかえ支援機構(JTI)が提供する「マイホーム借り上げ制度」は利用できるケースがあります。(少なくともフラット35は可能、銀行の場合は要相談)

ローン返済が厳しい場合は「再起支援借上げ制度」として自宅を貸し出せます。この仕組みを利用して、入ってくる賃料収入を使ってローンの返済に充てることが可能です。

契約は3年ごとの定期借家契約なので、返済の見込みが付いたら、契約を更新しないことで再度家に戻ることができます。

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銀行にリスケ(リスケジュール)をお願いする(任意整理)

JTIが利用できるケースは限られますので、住宅ローン返済の行き詰っているのであれば、こちらの銀行へのリスケ依頼が最初にできることかと思います。

返済額を一時的に軽減してもらったり、あるいは返済期間を延長することで月々の住宅ローンの返済を軽減してもらうというものです。

いずれにしても銀行(金融機関)によって対応はまちまちです。基本的には「今は返済に支障があるけど、時間的猶予があれば返済できる」とうことをアピールする必要があります。

  • 家計簿の提出
  • 収入についての見込みの説明

などが重要になります。

債務整理の手段としては最も軽いもので、あくまでも交渉によるものとなります。

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返済額の軽減申請

返済額の軽減申請というのは、銀行との交渉で行うもので「一定期間の住宅ローン返済額を軽減する」というものです。これは、短期的に特別な事情により収入が減少している(または支出が増大している場合)などに当該期間だけ月々の返済額を軽減してもらうというものです。
(軽減してもらった分は期間満了後に支払うことにはなります)

たとえば、病気や怪我などにより仕事が減った、家族の入院や高額な手術費用などの発生により月々の支出の増大などにより一時的に満額の返済が困難な場合に活用できます。

一方で軽減期間終了後には、従来の返済額+(軽減期間分に軽減された分+金利)=月々の返済額となり、返済額は大きくなるので、将来のめどがまったく立たないという場合には、下の返済期間の延長などの手続きの方が有効かもしれません。

 

返済期間の延長申請

これは、現在の住宅ローンの返済期間を延長してもらう方法です。銀行との交渉が必要となりますが、住宅ローンの返済が困難になったときは第1に検討したい方法です。
たとえば、残りの返済期間が15年のローンがあったとして、これに10年の延長が通った場合、月々の返済額が期間が延長された分小さくなります。

もっとも、返済期間が延びることで総金利負担額は大きくなってしまいますが、月々の返済額が過大でこのままでは返済が困難という場合には有効です。

 

個人再生手続で家(マイホーム)を手元に残す

個人再生手続とは将来において継続的な収入見込みのある人で借金の金額が一定額(3000万円)以下の場合に利用できる制度で、自己破産と異なり住宅を手放さずに借金の減額等を通じて自己再生を図る制度です。

住宅ローンが残っている場合でも「住宅ローンに関する特則」を活用することで、一定の条件を満たしている場合には自宅を手放すことなく再生手続きが可能となります。

この場合、住宅ローンの債務(借金)自体が減ることはありませんが、住宅ローン以外の借り入れについては一部減額される場合もあります。

100%自宅を手放さずにすむというわけではありませんが、住宅ローン以外にも多くの借り入れがあり、それさえ多少減額されれば何とかローンの支払いが可能かもしれないという場合には活用できる手段です。

任意整理よりは手続きが煩雑化します。また、「再生」とあるように、一定の条件のもとで返済を続ける前提となるため、その返済が可能なだけの安定した収入がないと利用することはできません。

 

任意売却で少しでも借金を減らす

現在の状況では返済が難しいという場合は、担保物件(マイホーム)の維持をあきらめることになります。

ただ、それでも競売にかけられて安い価格で売るよりも少しでも高い金額で売る方が当然よいです。仮に2000万円の住宅ローンが残っているとして、任意売却で2200万円で売れれば200万円が手元に残ります。

一方で競売にかけられて1500万円でしか売れなければ、家を失っただけでなく500万円も借金が残ってしまいます。

任意売却というのは、あたな自身の希望によって不動産会社などを通じて自宅を売却するという方法です。自宅は手放すことになりますが、ローンが返済できずに銀行から強制的に競売にかけられるよりは高い金額で自宅を売却できる可能性が高いです。

ただし、任意売却を行う場合、必ずその住宅を担保にお金を貸している金融機関(銀行)の許可が必要です。そのため、銀行とも交渉する必要がありますので、ギリギリになって交渉を始めるよりもある程度まだ余裕があるうちから交渉をスタートさせる必要があります。

また、売却額(想定額)が住宅ローンの残債を下回っている場合は任意売却についても銀行側がうんと言わない可能性もあります。そのような場合は弁護士等の専門家等も交えて交渉に臨むようにしてください。

 

住宅ローン返済が厳しい時に絶対にやってはいけないこと

一番だめなパターンは自転車操業をすることです。住宅ローンが返済できないから、住宅ローンよりも金利の高い消費者金融やカードローンなどを使って返済をすることは経済的に破綻するのは目に見えています。

住宅ローンというのは日本で借りれるお金の金利の中でももっとも金利の低いローンの一つです。それが詰まっているという時点で、他の形で資金調達をして何とかするというのは、抜本的な解決にはつながりません。

特別な事情があって1ヶ月とか2ヶ月の短期で利用するのならともかく、将来が見えない状況でこうした対策をするのは絶対に事態を悪化させるだけです。

 

住宅ローンの返済ができない、厳しいときは専門家に相談をしよう

いろいろな対策があることは分かりましたが、実際に自分にとってどのような方法をとるのがベストなのかについては、あなた自身がおかれている状況によって大きく変わります。

  • 今後の収入の見通し
  • 今後の支出の見通しや節約の余地
  • 現在の住宅ローンの残高
  • 現在の住宅の価値(市場価値)
  • 現在のローン金利

など様々な要因でとるべき戦略は変わってきます。

可能であれば、個人のライフプランニング、マネープランニングにつよい独立系のFP(ファイナンシャルプランナー)などに相談するのがお勧めです。

 

以上、住宅ローンが返せない、払えなくなったときの5つの対処法についてまとめてみました。