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名前は似ているけど別物?収入保障保険と所得補償保険+就業不能保険の違いを比較

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保険の中には名前が似ているけど、実際の補償内容が全く違うというものもあります。代表格といえるのが生命保険の「収入保障保険」と損害保険の「所得補償保険(就業不能保険)」ではないでしょうか。いずれも名前は似ていますが、補償の内容は全く別物です。

今回はこの二つの保険の特徴とそれぞれの違いについてわかりやすくまとめていきたいと思います。

収入保障保険は基本的には死亡保険であり、所得補償保険(就業不能保険)は病気やケガなどで働けなくなった時の収入減を補うための損害保険です。

収入保障保険と所得補償保険の違いを比較

まずは、この二つの比較を簡単に表でまとめてみました。大きく、死亡するリスクをカバーする収入保障保険と働けなくなるリスクをカバーする所得補償保険となります。

なお、同じように働けなるリスクをカバーする保険に所得補償保険とは別に「就業不能保険」という生命保険会社の保険商品もあるため同様に比較します。

死亡リスクをカバー 働けなくなるリスクをカバー
収入保障保険 所得補償保険 就業不能保険
加入する保険会社 生命保険会社 損害保険会社 生命保険会社
保険事故 死亡、高度障害 就業不能状態(病気・ケガ)で現在の業務ができなくなった場合 病気やケガで仕事ができない状態
保険期間 長期 短期(1年単位など) 長期
保険金額 保険金額は一定の範囲で自由に決めることができる 税込年収の一定割合の範囲で定める 保険金額は一定の範囲で自由に決めることができる
保険金の受取 遺族(死亡時)が受け取ります。 本人が受け取ります。 本人が受け取ります。
備えるリスク・加入理由 一家の大黒柱の死亡などの際に遺族の生活保障のために加入する。死亡保険。 働いている人が、急な病気やケガで収入が途絶える短期的なリスクをカバーする保険。 高度障害などによって長期的な収入が途絶えるリスクをカバー。

この収入保障保険と所得補償保険は、それぞれが名前は似ていますが、備えているリスクは違っています。ここが大きな違いとなります。

 

遺族の生活を保障する収入保障保険(要するに死亡保険)

収入保障保険は一家の大黒柱が死亡(後遺障害)となった時の、遺族の生活保障のための保険です。一般的な「定期死亡保険」と同じタイプの保険です。

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万が一、被保険者が死亡した場合には遺族に死亡保険金が支払われます。受け取れる保険金は以下のように、年齢に従って低減(少しずつ減っていく)形になっています。

たとえば、30歳で死亡したときには1億円の保険金が出るけど、40歳なら6000万円、50歳なら2000万円といった具合になります。

これは、遺族にとって必要な保険金は遺族の年齢が上がるにつれ少なくなるという前提に基づいています。たとえば、子どもがまだ小さい家庭ならその分多くの保険金が必要でしょうが、子どもが成人しているなら必要なのは配偶者の老後の資金だけでよいわけなので、必要保険金額は減るという考えに基づいているわけです。

 

所得補償保険は自分が生活するための保険

収入保障保険が家族(遺族)のための保険だとしたら、所得補償保険は自分のための保険です。

病気やケガで働けなくなってしまった時の収入をカバーするための生活補償のための保険となります。保険事故は「現在の仕事ができないこと」です。認定された場合は年収の6割といったようにあらかじめ定めている保険金が給付されるという仕組みになっています。

たとえば、病気やケガで働けないという状況になった時に、月額20万円を最長5年間給付するといった保険になります。もちろん、その後の治療で回復して就業不能状態でなくなった場合には、保険給付は終了となります。

あくまでも所得補償保険は実損を補填してくれる保険です。

 

医療保険との違いは?

病気やけがで保険金がもらえるなら医療保険とおなじじゃないの?
という疑問もあるかもしれません。この大きな違いは「入院の有無」です。

医療保険は手術や入院、あるいは通院に対して〇日あたりいくらといった保険になります。大病や長期入院などの際は力を発揮するかもしれません。

一方で、足を骨折して運転ができないドライバーという場合、通院は1日だけど車の運転はできず全治1か月の治療中全く仕事ができなかった……。といったリスクもあります。こうしたリスクをカバーできるのが所得補償保険です。

 

健康保険の傷病手当金に近い性質

所得補償保険は、健康保険(社会保険)で利用可能な傷病手当金に似た性質の保険となります。要するに、今の仕事ができないから収入ダウンに備えるというタイプの保険です。

言い換えればサラリーマンにとっては傷病手当金という公的な制度があるので、あえて所得補償保険に入る必要があるのか?と言われたら微妙なところだと思います。

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その一方で、フリーランスの方や個人事業主のように社会保険に入っていない方は傷病手当金制度が利用できませんので、所得補償保険のような保険で、働けなくなるリスクをカバーするのは一つの手だと思います。

 

就業不能保険とは別物?

一般に所得補償保険という場合、保険期間は1年程度の短期となっています。あらかじめ保険契約で決めている仕事内容ができない場合は保険が給付されます。

これに対して「就業不能保険」と呼ばれる保険もあります。こちらは損害保険会社ではなく生命保険会社が扱っている保険です。この保険は長期の保険になりますが、基本的には転職することを含めて働けないという状態で初めて保険金が給付されるようになっているのが特徴です。

 

就業不能保険の保険事故認定

就業不能保険はケガや病気で就業不能になることです。
就業不能というのは「働けない」ということです。

たとえば、所得補償保険のところで、ドライバーが足を骨折したケースを挙げました。こちらはドライバーとしての仕事はできないので所得補償保険ならカバーされます。

その一方で、就業不能ではありません。ドライバーとしては働けなくても、事務員という仕事ならできるはずです。そのため、保険事故の認定は厳しいです。

また、販売されている保険で対象外となる病気やケガの種類も指定されていることがあります。

 

今の仕事が続けられない、数年単位で働けない場合に有効

就業不能保険はこのように、数か月、1年といった治療期間ではカバーできないような大病や障害などをカバーする保険となっています。

性質的には公的年金の「障害年金」に近いような性質がある保険です。

障害年金については前述の傷病手当金のようにサラリーマン(社会保険加入者)が対象というわけではなく、自営業者が加入する国民年金でも傷害基礎年金が給付されるので公的な補償も存在しています。サラリーマンの場合は障害厚生年金。

ただ、障害年金(障害基礎年金)は障害等級1級または2級でないと給付されない上、補償される金額もそれだけで生活できるレベルではないと考えられますんので、そうしたリスクに備えるために上乗せとして就業不能保険を利用するのは一つの手かもしれません。

 

まとめ。所得補償保険(就労不能保険)は自営業者は検討の価値あり?

死亡保険である収入保障保険については基本的にサラリーマンでも自営業でも家族(特に子供がいる場合)には誰もに必要性がある保険の一つといえます。

対して、所得補償保険(短期)や就労不能保険(長期)に関しては、サラリーマンの場合は「傷病手当金」や「障害厚生年金」といった公的な保険で賄える部分も大きいです。

一方で社会保険に加入できない個人事業主の方、フリーランスの方は傷病手当金もありませんし、障害に対する年金も受給要件が厳しく年金額もそこまで大きくありません。

こう考えると、所得補償保険(就労不能保険)については自営業やフリーランスをしている方にとっては日常の生活を守るための保険として検討する価値があるかもしれません。

ちなみに、所得補償保険は損害保険会社で、就労不能保険は生命保険会社で加入することになります。

 

以上、名前は似ているけど別物?収入保障保険と所得補償保険+就業不能保険の違いを比較してみました。