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日本学生支援機構が給付型奨学金を創設。受給基準や条件のまとめ。

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日本の奨学金制度は事実上の学生ローンであるとう指摘が上がっているなかで、政府内で検討されていた給付型の奨学金制度(返済不要型の奨学金)がスタートします。日本学生支援機構(旧:育英会)では従来の貸与型の奨学金に加え、返済が不要となる給付型を新設しました。

今回はそんな拡大された日本学支援機構の奨学金制度について給付型(返済不要型)を中心にその基準や条件などを紹介していきます。

国の奨学金制度は給付型と従来通りの貸与型(1種、2種)の三本立て

これまでは国の奨学金といわれることが多い、日本学生支援機構の奨学金は貸与型1種(無利子)、貸与型2種(有利子)の二本立てでした。ところが、2017年度に奨学金制度はただの教育ローンであるというような批判も大きくなり、返済が不要な給付型が新たに創設されました。

表にすると以下のような形になります。

給付型 貸与型
第1種(無利子) 第2種(有利子)
対象数 2万人 15万人 26万人
対象家計基準 住民税非課税世帯
生活保護世帯
747万円以下 1100万円以下
月額 2万円~4万円
進学先や通学形態により異なる。
2万円~6万円
進学先や通学形態により異なる。
3万円
5万円
8万円
10万円
12万円
からの選択

※対象人数は予算ベース。給付型は2万人というように従来の貸与型と比較すると人数としては少なめです。

 

給付型の奨学金を受給する条件

まずは、家計基準があり生活保護世帯または住民税非課税世帯となっています。住民税非課税世帯とは、世帯を構成している人がみな住民税が非課税となっている世帯のことを指します。ざっくりですが、夫婦と子供二人の世帯なら世帯主の額面給料の年収が255万円以下で、他の世帯構成員も年収100万円くらいが一つの目安となります。

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この他、「十分に満足できる高い学習成績」が求められています。これは高等学校等在学時に各高等学校等の教育目標に照らして「調査書」の学習成績概評が「A」であることが条件となっているようです。

給付型奨学金の利用は学校から日本学生支援機構への推薦が必要で2018年度入学者の場合は2017年7月中旬までとなっています。希望する人は現在通学されている学校(高校など)に申し込みをする必要があります。

 

学習成績概評がAとは?

学習成績概評とは、大学入試における資料の一つである調査書の記載項目です。評定平均値をもとに高校三年間の成績をA,B,C,D,Eの5段階であらわしたものです。

A:4.3~5.0
B:3.5~4.2
C:2.7~3.4
D:1.9~2.6
E:~1.8

となっています。今回の日本学生支援機構の給付型奨学金の条件は「A」ということでかなり高い成績が必要になります。なお、この学習成績概評については、学校の推薦入学の出願条件になっていたりします。こうした場合はB以上というケースが多いですね。

 

給付型の奨学金の金額

国公立大・自宅通学:2万円/月
国公立大・自宅外通学:3万円/月
私立大・自宅通学:3万円/月
私立大・自宅外通学:4万円/月

このようになっています。なお、給付型の奨学金だけでは不十分であるというケースも多いと思いますが、貸与型の奨学金との併用も可能となっています。

 

他の奨学金制度を併用するという手もある

今回の給付型奨学金の対象者である住民税非課税世帯や生活保護世帯のケースで上記給付金だけでは難しいというケースも多いかと思います。そういう場合は他の奨学金と併用することもできます。
ただし、実施主体によっては、機構 の奨学金との併用を制限している場合があるようです(個別具体名は明示なし)。

 

日本学支援機構の貸与型奨学金

給付型奨学金に加えて、貸与型の奨学金(1種、2種)を利用することができます。

 

新聞奨学生

朝日新聞や毎日新聞といった新聞社が実施している奨学金制度。学費を新聞社が払ってくれる代わりに、在学中は新聞販売店で新聞配達などを行う義務が生じます。
奨学金としての金額自体は大きく、住環境まで整うという面は大きなメリットがありますが、給付型とはいっても結局働く必要があるというのはデメリットです。働くことになるその地域の販売会社によって対応も随分と異なるようで、ハズレを引いてしまったときのダメージは大きいようです。

 

大学や地方公共団体の奨学金

進学先の大学や自治体で奨学金制度がある場合があります。こうした情報はJASSO(日本学生新機構)のホームページに掲載されていますので、ぜひご確認ください。

>> 大学・地方公共団体等が行う奨学金制度

 

その他民間の給付型奨学金制度

このほかにも公益財団法人、一般財団法人など民間の財団が給付型の奨学金制度を用意しているケースがあります。こうした情報は高校の学生課・学生支援課などに資料が届いていることが多いので学校にも確認してみてください。
また、大学などに進学後に利用できる場合もあります。特定の大学からのみ採用というケースもあるようです。

ただ、こうした財団等による奨学金は給付型が多い一方で、採用人数は若干名と狭き門であることが多いため、アテにしすぎるのは禁物といえそうです。

 

まとめ。日本学生支援機構の給付型奨学金

  • 2018年4月入学の締め切りは2017年7月中旬まで学校を通じて申し込む
  • 住民税非課税世帯・生活保護世帯世帯である
  • 学校成績が良好(学習成績概評がA)である必要がある
  • 給付額は2万円(自宅・国立)、4万円(自宅外・私大)
  • 他の奨学金との併用は多くのケースで可能

正直言って、給付型奨学金の受給条件はかなり厳しいです。過去の日本学支援機構に対する奨学金の申し込み者の内、住民税非課税世帯の方はベネッセの調査では約5万人ということで、2万人までという予算では、不足する可能性があります。

また、この給付型奨学金制度は進学を断念せざるを得ない人のための制度であり、住民税課税世帯は利用できません。制度がスタートしたばかりという事もあると思いますが、これだけで十分とは言えない状況でしょう。

 

以上、日本学生支援機構が給付型奨学金を新設したというお話についてまとめてみました。