FX(外国為替証拠金取引)というのは名前は聞いたことがあるけど、どんなサービスなのか詳しく知らないという方も多いかもしれません。外貨を使ったリスクの高いギャンブルみたいな投資(投機)でしょ?と思っている方も多いかもしれません。
今回はそんなFX取引について、基本の基本ともいえる、その取引の仕組みがどうなっているのかというところを、初心者の方にもわかりやすく紹介していきたいと思います。
FXは為替レートの取引
FXという取引は為替レートに対してその差額を取引する投資です。差額を取引するって言われるとすごくわかりにくい感じがしますね。
たとえば円と米ドルで考えてみましょう。1ドルの為替レートは毎日ニュースのマーケット情報でも取り上げられていますよね。
1ドル=110円といったように通貨はそれぞれの通貨間で交換レートがあります。これを為替レートといいます。この為替レートは固定ではなく、買いたい人や売りたい人の需要と供給によって変動します。
1ドルが115円になったり、105円になったりするわけです。FXというのはこうした通貨の動きを売買する取引になります。
○○買い、××売り(米ドル買い、円売り)といった通貨ペア
為替というのは前述のように通貨同士で価格(為替レート)が決まります。為替レートの値動きを取引対象とするFX(外国為替証拠金取引)では、この通貨の組み合わせを売買対象とします。
- ドル円
- ユーロ円
- 豪ドル円
- ユーロドル
といったように二つの通貨のペア(通貨ペア)が取引対象となります。これらの通貨の値動きが取引対象となるわけです。
たとえば、ドル円という場合は米ドルと日本円の為替レートを取引対象とします。この通貨ペアを「買い(ロング)」または「売り(ショート)」します。
ドル円の買い=ドルが円に対して上がれば(円安になれば)利益
ドル円の売り=ドルが円に対して上がれば(円高になれば)利益
といった取引になります。FXは冒頭にも書いたように、実際に円やドルといった通貨を保有するわけではなく、「為替レートの差額だけを取引する」という仕組みになっているので変動した分×取引単位分の金額のやり取りをすることになります。
差金決済取引って何?
FXのように「差額をやり取りする」という取引のことを差金決済取引といいます。こうした取引はなかなか感覚がつかみにくいかもしれませんが、特に、実際にはその現物を必要としない場合には合理的な取引方法となります。
差金決済は購入時と決済時(売却時)の価格の差だけをやり取りする取引方法です。この差金決済は現物を本当に購入する必要がないため、効率的に投資ができます。
100円で買ったものを105円で売ったという場合。現物取引だと最初に100円を出して(100円を支払って)商品を買っておいて、105円で売った時に相手に商品を引き渡し105円の現金を受け取るという仕組みになります。
一方で差金決済取引の場合、100円で買ったことにしておいて、105円で売った時に、その差額である105円-100円=5円だけの差額を受け取るという取引です(損をした場合は差額を支払う)。
差金決済取引の場合は、実際にその商品を買う必要がないわけです。
証拠金取引って何?
前述のように、FXは差金決済取引です。差金決済取引の場合は実際に購入するものの現物は買いません。あくまでも差額だけをやり取りするという約束をしているだけです。
そのため、通貨を売買するときにも、その全額を支払う必要はありません。
たとえば、ドル円を1ドル110円で1万ドル分買う(米ドル買いの日本円売り)をするという場合、外貨預金のような現物取引の場合は110円×1万ドル=110万円の資金を預けておく必要があります。
ところが、差金決済取引(FX取引)の場合は実際にドルを買うわけではないので、買い付け代金は不要です。ただし、その決済時に問題が生じないように証拠金というお金を預けておく必要があります。
この証拠金は取引業者に預けておく資金であり、その資金が米ドルの購入に充てられるわけではありません。あくまでも、取引の保証のために預けているだけです。
FXはリスクが高いというのはこの証拠金のせい?
証拠金というのはあくまでも差金決済の時の支払いのための保証金としての性質があるものです。つまり、預けているお金は投資しているお金ではありません。
実際には取引している金額が投資している金額です。日本のFX取引の場合、一般に証拠金の最高25倍までの取引が可能となっています。こうした保証金(証拠金)を使って預けた証拠金以上の取引ができる投資のことを「レバレッジ取引」といいます。
FXがギャンブルといわれるのは、証拠金としてい預けている金額を投資している金額だと勘違いする人が多いからなんです。
たとえば、50万円を証拠金として預けたとします。このケースでは最高で1250万円ほどの外貨投資ができる計算となります。仮にマックス投資をしたとしましょう。このときに注意すべきなのはあなたが投資をしているのは50万円という証拠金の金額ではなく、1250万円という金額になるわけです。
1250万円の投資なわけですから、1%の値動きで12.5万円も損益が出ることになります。これは預けた証拠金からみれば25%という非常に大きな動きとなります。
証拠金取引においては預けているお金を投資ししているお金と勘違いすることが多いのですが、実際に投資しているお金をベースに考えればリスクは外貨預金と同等です。
むしろ取引手数料が安い分だけリスクは小さいといえるかもしれません。
参考:FXは怖いと考えている方へ。FXと外貨預金のリスクの差を比較
FXにおける金利
FXは何度も説明しているように、二つの通貨間の為替レートをやり取りする取引となっています。この取引はたとえばドル円の買いという場合には二か国通貨間の金利を考える必要があります。
ドル円の買いという場合は円を売ってドルを買うという取引をしていることになります。この場合、為替的にはそれぞれの通貨の金利の差を交換してやる必要があります。これを金利スワップといいます(スワップは交換という意味)。
具体的には、売った通貨の金利を支払い、買った通貨の金利を受け取るということになります。
仮に日本円の金利が1%で米ドルの金利が3%だとすると、売った通貨の1%の金利を支払い、3%の金利の受け取ることになるので、差し引き2%分の金利を受け取ることになります。
逆に、ドル円を売った場合はドルを売って円を買うという取引になるので差し引き2%の金利を支払う必要があります。
実際に取引を始めるには?
FX取引は、正直言ってこれまで投資を一度もやったことがないという人にとっては、取引の仕組みなどがやや複雑なため、わかりにくいと思うところも多いと思います。
実際の仕組み自体は一度理解してしまえばそう難しいものでありません。また、こうやって言葉で説明を受けてもなかなか理解しにくいかもしれません。
習うより慣れろといったところもありますし、FXって数万円も証拠金入れれば始めることができるわけなので、一度試してみるのもよいかと思います。
実際にFX取引を始めるにはFX取引業者への口座開設が必要になります。最近では大手のネット証券系のFXサービスも充実しているので、そちらから始めてみるのも一つの手ですね。
詳しくは「FX取引業者を徹底比較。目的別におすすめのFX業者を徹底分析」なども参考にしてみてください。
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