自動車保険を利用するときに重要な等級。事故無く過ごしてきた方は保険の等級もかなり高くなっているのではないかと思います。そんな自動車保険の等級は実は家族間であれば引き継ぐことができます。
たとえば、高齢でもう自動車に乗らなくなった、あるいは子供が新しく(初めて)自動車を購入したというような場合には、等級の引継ぎをすることで自動車保険の保険料をかなり安く節約することも可能です。
年間の自動車保険がトータルで5万円以上安くなるということもザラですので、ぜひとも検討してみてください。
自動車保険の割引は車両単位の保険
まず、一般的に自動車保険は「ノンフリート契約」といって保険料の割引や割り増しなどの等級(ノンフリート等級)は「車両」が対象となっています。
割引率は契約者・記名被保険者単位に対して行われるものではなく車両に対して行われます。
ただ、実際に自動車を買い替えた場合などは「入れ替え」によって割引率(等級)が引き継がれ形になっているので、契約者・記名被保険者に対する割引であるように思われやすいです。その入れ替えを上手に利用すれば高い等級の自動車保険を子供や家族などに譲る(入れ替える)ことも可能になります。
自動車保険を家族で引き継ぐような場合はこの部分は大事なので忘れないようにしてください。
両親の高い等級を上手に活用して家庭全体の保険料を節約する
無事故のベテランドライバーの場合、自動車保険の等級が20等級のような高い割引率となっている方も少なくないと思います。この割引率を上手に使って家庭全体の自動車保険料を節約することができます。
等級を引き継ぐことができる人はだれ?
・契約者の配偶者(内縁関係もOK)
・契約者の同居親族
・配偶者の同居親族
子供もOKですが、「同居」が条件になるのは注意ですね。親族なので親戚でもOKですが、やはり同居している必要があります。
高齢などを理由に自動車に乗るのをやめる場合は等級を移すか中断証明書をとっておく
高齢などを理由にもう自動車に乗るのをやめるという場合でも同様に等級を引き継ぐことができます。
こちらの場合は、子供が新しく車を買うなどの条件は必要なく、同居家族などの条件を満たしていれば、等級を親から子にそのまま引き継ぐことが可能です。
なお、今のところ引き継ぐ家族がいないという場合は、中断証明書を取っておきましょう。これを取得しておけば10年間は等級を維持することが可能です。
中断証明書の場合でも、同居家族であれば等級を引き継ぐことが可能です。もう自動車に乗らないけど、将来子供が自動車に乗るかもしれないという場合は、中断証明書を取っておくことをお勧めします。
詳しくは「自動車を手放すときは「中断証明書」を取得し、自動車保険の等級を守ろう」もご覧ください。
子供が初めて車を買った場合は子供の車に等級を移す
親が20等級のように等級が高い状態で自動車に乗っていて、さらに子供が新しく車を購入するというケースでは、親の等級を子供が新しく買った車に「入れ替え」することで自動車保険料を節約することができます。
たとえば、18歳の子供が初めて自動車を購入して保険を契約する場合、年齢制限なし(全年齢担保)が基本になるでしょう。また、自動車免許の色もグリーンで割引を受けることができません。そうした状態で車両保険付きの自動車保険に加入しようとするとかなり高額な自動車保険料がかかることになります。
この子供の車に親の20等級の自動車保険を「車両入替」することで、高い保険料を60%割引することが可能になります。
親が引き続き自分の車にのるという場合には親が新規に6等級からの割引率の小さい自動車保険に加入する必要があるものの、親の場合は30歳未満不担保というように年齢制限を高めにすれば保険料を大きく割引することが可能です。また、親がゴールド免許などであれば、自動車保険によってはさらに保険料を節約することも可能です。
そのまま保険に加入 | 保険等級 | 割引率 | 保険料 | 割引後保険料 |
---|---|---|---|---|
子どもの車(全年齢) | 6等級 | 17% | 150,000円 | 124,500円 |
親の車(30歳以上補償・ゴールド免許割) | 20等級 | 60% | 60,000円 | 36,000円 |
合計自動車保険料 | 160,500円 |
親と子の保険を入替 | 保険等級 | 割引率 | 保険料 | 割引後保険料 |
---|---|---|---|---|
子どもの車(全年齢) | 20等級 | 60% | 150,000円 | 60,000円 |
親の車(30歳以上補償・ゴールド免許割) | 6等級 | 17% | 60,000円 | 49,800円 |
合計自動車保険料 | 109,800円 |
保険料はあくまでも一例になります。また、一部の保険会社ではセカンドカー割引などで2台目の場合7等級スタートができることがあります。
このように親の高い等級の自動車保険を子どもに入れ替えするだけで家族全体の自動車保険料を大きく節約することが可能です。
1)保険会社に連絡し、新車に車両入れ替えを連絡
2)納車日を確認して車検証を準備
3)新車の記名被保険者を同居家族に変更し、保険名義も変更
4)親の車は無保険状態なので新規に親の名義で保険に入る
これだけです。手続きはかなり簡単ですよ。
この方法による経済効果(保険料節約効果)は保険の補償内容などによって変わってきますが、子供が20歳というようなケースでは家庭全体で5~10万円ほどの保険料節約につながることもあります。
ただし、絶対ではないので必ずシミュレーションすること
同じ程度のグレードの車に乗っており、車両保険の有無などの条件を合わせれば親から子に保険を移した方が安くなるでしょう。
ただし、ご両親が高級車に乗っているケースで車両保険を付けている場合などは状況が変わってくるような場合があります。そのため、子どもが車を購入して保険をどうするか考える時は、一度必ず保険料の見積もりを取った上でシミュレーションをするようにしてください。
親子それぞれを「インズウェブの自動車保険一括見積」などで保険料見積もりを取ってみるとその差がわかりやすいと思います。ぜひともお試しください。
以上、自動車保険の等級を家族間で引き継いで家庭全体の自動車保険料を節約する方法を紹介しました。
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