燃油サーチャージとは?過去最高水準の7月と8月発券分と予約タイミングを解説
国際線の航空券を予約するとき、運賃とは別に燃油サーチャージが加算されることがあります。
燃油サーチャージは、航空燃料価格と為替の影響を受けて2カ月ごとに見直されます。
2026年7月1日から8月31日購入分は、日本発のANA国際線で欧州、北米、中東、オセアニア方面が片道65,000円、ハワイ方面が片道40,400円です。
日系大手の実際の適用額としては過去最高水準で、家族旅行や特典航空券の自己負担額に大きく響きます。
この記事では、燃油サーチャージの仕組み、過去の推移、2026年7月と8月発券分の負担額、値上げと値下げを踏まえた予約タイミングを整理します。
この記事の要点
- 燃油サーチャージは、航空燃料価格と為替をもとに決まる国際線の追加運賃です。
- 原則として搭乗日ではなく発券日、つまり航空券を購入した日の適用額で決まります。
- 2026年7月1日から8月31日購入分は、日本発の欧米線で片道65,000円、ハワイ線で片道40,400円です。
- 4人家族で往復すると、欧米線は燃油サーチャージだけで520,000円、ハワイ線でも323,200円になります。
- 値上げが決まっているなら早めの発券、値下げが見えているなら運賃上昇や空席リスクも含めて待つか判断します。
燃油サーチャージとは
燃油サーチャージは、正式には燃油特別付加運賃と呼ばれます。
航空会社が、航空燃料価格の高騰分を通常の運賃とは別に利用者へ転嫁するための追加運賃です。
ANAの説明でも、原油価格の高騰に伴い、企業努力で吸収しきれない航空燃料費用の一部を利用者が負担する追加運賃とされています。
燃油サーチャージは航空券代の一部として請求されます。
空港税、旅客サービス施設使用料、航空保険特別料金などとは別の費用です。
マイルを使った国際線特典航空券でも、燃油サーチャージや税金、空港使用料は別途支払うことが多いです。
2026年7月と8月発券分は過去最高水準
2026年7月1日から8月31日に購入する日本発ANA国際線の燃油サーチャージは、次の水準です。
金額は1人1区間、片道あたりです。
| 路線 | 2026年7月と8月購入分 | 2026年5月と6月購入分 | 差額 |
|---|---|---|---|
| 日本、欧州、北米、ハワイ除く、中東、オセアニア | 65,000円 | 56,000円 | 9,000円増 |
| 日本、ハワイ、インド、インドネシア | 40,400円 | 36,800円 | 3,600円増 |
| 日本、タイ、シンガポール、マレーシア、ミャンマー、カンボジア | 33,500円 | 29,000円 | 4,500円増 |
| 日本、ベトナム、グアム、フィリピン、パラオ、モンゴル | 22,500円 | 19,700円 | 2,800円増 |
| 日本、東アジア、韓国を除く | 15,400円 | 14,700円 | 700円増 |
| 日本、韓国、ロシアのウラジオストク | 7,400円 | 6,700円 | 700円増 |
欧米線の片道65,000円は、往復で13万円です。
4人家族なら燃油サーチャージだけで520,000円になります。
ハワイでも片道40,400円、往復80,800円なので、4人家族なら323,200円です。
航空券の表示運賃が安く見えても、燃油サーチャージを足すと旅行総額が大きく変わります。
燃油サーチャージは発券日で決まる
燃油サーチャージは、搭乗日ではなく発券日で決まります。
発券日は、航空券を購入してチケットが発行された日です。
2026年9月に搭乗する航空券でも、2026年8月31日までに発券すれば7月と8月購入分の燃油サーチャージが適用されます。
反対に、同じ9月搭乗でも2026年9月1日以降に発券すれば、その時点の新しい燃油サーチャージが適用されます。
| 判断する日付 | 燃油サーチャージへの影響 |
|---|---|
| 搭乗日 | 原則として直接は決め手にならない |
| 予約日 | 予約だけで発券していなければ確定しないことがある |
| 発券日、購入日 | 適用額を決める日 |
発券後に燃油サーチャージが下がっても、航空券をそのまま使うなら差額が自動で戻るわけではありません。
一方で、発券後に燃油サーチャージが上がっても、発券済みの航空券に追加請求されるわけではありません。
ただし、旅程変更や再発券をすると、その時点の税金やサーチャージで再計算される場合があります。
燃油サーチャージの決まり方
燃油サーチャージは、国際的な指標であるシンガポールケロシン市況価格をもとに決まります。
日本発旅程では、ケロシン価格に同期間の平均為替レートを掛け合わせた円建て価格が基準です。
円安が進むと、ドル建ての燃料価格が同じでも円建ての負担は重くなります。
ANAの改定ルールでは、2026年7月と8月購入分は2026年4月から5月の2カ月平均値をもとに決まります。
2026年5月と6月購入分は2026年2月から3月の2カ月平均値です。
急激な価格変動に対応するため、参照期間は従来より近い月に変更されています。
| 発券日 | 適用額の発表時期 | 平均値算出対象期間 |
|---|---|---|
| 2026年5月から6月 | 2026年4月中旬から下旬ごろ | 2026年2月から3月 |
| 2026年7月から8月 | 2026年6月中旬から下旬ごろ | 2026年4月から5月 |
日本発旅程では、円建ての基準価格が6,000円を下回ると燃油サーチャージは適用されません。
2016年から2017年にかけては、原油安の影響で適用なしの時期もありました。ANAの改定条件は次のページで確認できます。
過去の燃油サーチャージの推移
燃油サーチャージは、原油価格、航空燃料価格、為替、航空会社の設定条件で大きく変動してきました。
記事で追ってきた範囲でも、2016年の適用なしから、2022年以降の急上昇、2026年7月と8月の過去最高水準まで大きな差があります。
日本発ハワイ線の燃油サーチャージ推移
下のグラフは、日本発ハワイ線の片道燃油サーチャージを基準にした代表推移です。
2013年末以降の旧ゾーン表、ANAの発表値、TRAICYの過去記事で確認できる日本発ハワイ線の片道額をつないでいます。
0千円10千円20千円30千円40千円
2013/122016/042019/082022/102024/122026/07
適用なし2022年高値最高水準
金額は日本発ハワイ線、1人1区間、片道あたり。
ハワイ線を基準にすると、燃油サーチャージの負担感がつかみやすくなります。
ハワイは日本人旅行者に人気があり、欧米線ほど極端に長距離ではないため、家族旅行の現金負担を考える目安になります。
2022年10月発券分のハワイ片道36,700円もかなり高い水準でしたが、2026年7月と8月購入分は40,400円まで上がっています。
| 発券時期 | ハワイ片道 | メモ |
|---|---|---|
| 2013年12月 | 16,000円 | ゾーンG |
| 2014年10月 | 13,500円 | ゾーンF |
| 2015年02月 | 4,000円 | ゾーンB |
| 2015年04月 | 6,000円 | ゾーンC |
| 2015年12月 | 4,000円 | ゾーンB |
| 2016年04月 | 適用なし | 適用なし |
| 2017年02月 | 2,000円 | ゾーンA |
| 2017年04月 | 4,000円 | ゾーンB |
| 2017年08月 | 2,000円 | ゾーンA |
| 2017年12月 | 4,000円 | ゾーンB |
| 2018年02月 | 6,000円 | ゾーンC |
| 2018年08月 | 8,500円 | ゾーンD |
| 2019年02月 | 11,000円 | ゾーンE |
| 2019年04月 | 4,000円 | ゾーンB |
| 2019年06月 | 6,000円 | ゾーンC |
| 2019年08月 | 8,500円 | ANA発表水準 |
| 2019年10月 | 6,000円 | ANA発表水準 |
| 2019年12月 | 6,000円 | ANA発表水準 |
| 2020年02月 | 6,000円 | ANA発表水準 |
| 2020年04月 | 6,000円 | ANA発表水準 |
| 2020年06月 | 適用なし | 適用なし |
| 2021年06月 | 4,400円 | 徴収再開 |
| 2021年08月 | 4,400円 | 同額継続 |
| 2021年10月 | 6,600円 | 引き上げ |
| 2022年02月 | 12,100円 | 引き上げ |
| 2022年04月 | 12,500円 | 引き上げ |
| 2022年06月 | 23,800円 | 大幅引き上げ |
| 2022年08月 | 31,100円 | 引き上げ |
| 2022年10月 | 36,700円 | 当時の高値圏 |
| 2022年12月 | 31,100円 | 引き下げ |
| 2023年02月 | 31,100円 | 同額継続 |
| 2023年04月 | 21,000円 | 引き下げ |
| 2023年06月 | 18,500円 | 引き下げ |
| 2023年08月 | 16,000円 | 引き下げ |
| 2023年10月 | 18,500円 | 引き上げ |
| 2023年12月 | 26,500円 | 引き上げ |
| 2024年02月 | 24,500円 | 引き下げ |
| 2024年04月 | 21,000円 | 引き下げ |
| 2024年06月 | 22,500円 | 引き上げ |
| 2024年08月 | 22,500円 | 同額継続 |
| 2024年10月 | 22,500円 | 同額継続 |
| 2024年12月 | 16,000円 | 引き下げ |
| 2025年02月 | 18,500円 | 引き上げ |
| 2025年04月 | 23,100円 | 引き上げ |
| 2025年06月 | 20,400円 | 引き下げ |
| 2025年08月 | 14,900円 | 引き下げ |
| 2025年10月 | 17,600円 | 引き上げ |
| 2025年12月 | 17,600円 | 同額継続 |
| 2026年02月 | 20,400円 | 引き上げ |
| 2026年04月 | 20,400円 | 同額継続 |
| 2026年05月 | 36,800円 | 基準改定後 |
| 2026年07月 | 40,400円 | 過去最高水準 |
2019年8月以降の金額は、ANAの発表内容とTRAICYの過去記事で日本発ハワイ線の片道額を確認しています。
2013年末から2019年7月までの金額は、当時のゾーン制におけるハワイ該当ゾーンを片道額に換算しています。2020年6月以降はいったん適用なしとなり、2021年6月発券分から再び徴収が始まっています。
過去の推移を見ると、燃油サーチャージは一方向に上がり続けるものではありません。しかし、高騰局面では2カ月の改定だけで数万円単位の差が出ます。
海外旅行では、航空券本体価格だけでなく、発券時期も費用管理の一部として見ます。
値上げが決まっているときの予約方法
燃油サーチャージの値上げがすでに発表されていて、旅行日程が固まっているなら、値上げ前に発券するのが基本です。
発券後に燃油サーチャージが上がっても、通常は追加徴収されないためです。
特に家族旅行では、片道数千円から数万円の差が人数分、往復分で効いてきます。
ただし、発券を急ぐ前に次の点を確認します。
- 航空券本体の運賃が高すぎないか
- キャンセル料や変更手数料はいくらか
- ホテルや現地ツアーも同じ日程で取れるか
- パスポート、ビザ、休暇の予定に問題がないか
- 変更時に再発券となり、燃油サーチャージが再計算されないか
燃油サーチャージだけを見て急いで発券すると、キャンセル料や高い運賃でかえって損をすることがあります。
航空券のキャンセル料や返金条件は、次の記事で整理しています。
値下げが見えているときの予約方法
次回改定で燃油サーチャージが下がりそうなときは、発券を待つ選択肢があります。
ただし、待っている間に航空券本体の運賃が上がったり、安い予約クラスが売り切れたりすることがあります。
燃油サーチャージの下げ幅より、航空券本体の値上がりやホテル代の上昇が大きければ、待った意味は薄くなります。
特典航空券では、燃油サーチャージが下がったタイミングで旅程変更や取り直しを考える人もいます。
しかし、空席が戻らない、手数料がかかる、必要マイル数が変わるなどのリスクがあります。
「下がるまで待つ」は、空席が多い路線や日程変更しやすい人向けの方法です。
マイル特典航空券でも燃油サーチャージは重い
ANAやJALの国際線特典航空券では、マイルで航空券を取っても、燃油サーチャージ、税金、空港使用料などを別途支払うことが多いです。
2026年7月と8月購入分のような水準では、マイルで運賃部分を節約しても、現金負担がかなり残ります。
欧米線を家族4人で往復するなら、燃油サーチャージだけで520,000円です。
この負担を完全に消すことはできませんが、ANAスカイコインやeJALポイントのような航空会社系ポイントで航空券代に充当できる場面があります。
マイルを特典航空券に使うか、ポイント化して有償航空券に使うかは、燃油サーチャージの水準も含めて比較します。
ANAスカイコインの使い方は、次の記事で解説しています。
eJALポイントの使い方は、次の記事で整理しています。
海外旅行費用を抑える実務的な考え方
燃油サーチャージが高い時期は、航空券だけで節約しようとすると選択肢が狭くなります。
旅行全体の費用で考えるほうが現実的です。
- 燃油サーチャージ込みの総額で航空券を比較する
- 直行便だけでなく乗継便も比較する
- 旅行時期をピークからずらす
- マイル特典航空券と有償航空券を比較する
- 航空会社系ポイントを使って現金支出を減らす
- 現地での両替やカード手数料も含めて見る
海外旅行中の現地通貨調達は、航空券とは別に差が出る費用です。
海外キャッシングと両替の比較は、次の記事で解説しています。
結論として予約はいつするべきか
燃油サーチャージは発券日で決まるため、値上げが決まっているなら値上げ前に発券する効果があります。
2026年7月と8月購入分のように過去最高水準まで上がる局面では、家族旅行や長距離路線ほど差額が大きくなります。
ただし、燃油サーチャージだけで予約判断を決めるのは危険です。
航空券本体の運賃、空席、ホテル代、キャンセル料、日程変更のしやすさを合わせて判断します。
海外旅行の航空券は、最終的に「燃油込みの総額」で比較します。
マイルを使う場合も、必要マイル数だけでなく、燃油サーチャージと税金を含めた現金負担を見てから発券します。
次に読む記事
ANAマイルの使い方やマイル価値を確認したい人は、次の記事を確認してください。
JALマイルやeJALポイントの使い分けは、次の記事が参考になります。
航空券を取った後のキャンセル料や返金条件は、旅行前に確認しておきます。
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