逆指値注文のやり方と意味、株やFXなどで使える逆指値を活用しよう
株式投資やFX(為替)のように価格取引をするときの注文方法の一つに“逆指値(ぎゃくさしね)”と呼ばれる注文方法があります。一般的にはリスクヘッジとなる注文や予約注文として活用できる注文方法となります。
この逆指値注文は投資家が株取引や為替取引をする上で一番最初に覚えておくべき特殊注文(条件付き注文)となるはずです。今回はそんな逆指値とは何か?どのような注文方法でどうやって活用していったらいいのか?ということを投資初心者にもわかりやすく紹介してきます。
ちなみに逆指値は英語でいうと“Stop Order”と呼びます。なお、特にFX(為替取引)においては「Stop Loss Order(ストップロス注文)」と呼ばれることもあります。損切り目的の逆指値を「ストップロス」、トレンドに順張りで乗る目的の逆指値を「ストップエントリー注文」と区別するケースもあります。
株注文、為替注文の基本「指値」と「成行」
まず、逆指値注文について説明する前に“指値”と“成行”という基本注文の意味を理解しましょう。
指値500円で1000株買いという注文を出した場合、「500円以下で買える株を1000株まで買う」という注文になります。
一方で成行で1000株買いという注文は「いくらでもいいから1000株を買う」という注文になります。
それぞれ一長一短があります。
| 指値注文 | おもわぬ価格で約定(売買成立)することが無いので、希望価格で買える(売れる)。 一方、市場でその金額で売り(買い)注文が出ていない場合は売買が成立せず、希望の数量が買えない可能性があります。 |
|---|---|
| 成行注文 | 金額を指定しないので特別気配などでない限りは指定数量の売買が成立します。 一方で、板が薄い(取引量が小さい)銘柄の場合、自分の注文で買いあがり(売り下がり)となり、思わぬ高い価格で買う(安い価格で売る)ことになる場合があります。 |
逆指値注文とは何か?
逆指値注文は「指値」という名称がついていますが、基本注文の指値・成行とは違います。
この指値は「トリガー」という意味で使われています。
逆指値注文は株取引やFX取引などにおける特殊注文の一つで、“特定の条件を満たしたときに有効となる注文”です。
逆指値注文が有効になる条件とは?
逆指値注文は以下の条件を満たしたときに有効になります。
- 逆指値の買い:指定価格以上になった時に買い注文
- 逆指値の売り:指定価格以下になった時に売り注文
よく読んでいただくとわかりますが、逆指値注文というのは今現在の価格よりも「高い値段で買う」あるいは「安い値段で売る」という一見合理的ではない注文形式となっています。
現在の株価が仮に500円だとしましょう。
逆指値の買いというのは550円以上になったら買い、逆指値の売りというのは450円以下になったら売りというように、“特定の価格をトリガーとして買い注文、売り注文を出す注文”となります。
逆指値の指値注文、逆指値の成行注文
逆指値注文というのは前述のように「トリガー」となる注文です。
このトリガーを満たしたときにどういう注文をするのかも指定する必要があります。以下は逆指値の売り注文のケースで見ていきます。
逆指値の指値注文:株価が450円を下回ったら450円で1000株売り(指値)
逆指値の成行注文:株価が450円を下回ったらいくらでもいいから1000株売り(成行)
一般的には後者の“成行”が利用されることが多いです。なぜなら、指定水準を超えたというときに金額を指定していると買えないリスク(売れないリスク)があるからです。特に後述しますが、逆指値売りはリスクヘッジ(損切り)で利用されることが多いのでなおさらです。
逆指値を利用した投資戦略とは何か?活用術
今より高い金額で買うなら、今買えばいいはずです。逆に今より低い金額で売るくらいなら今売ったほうがいいはずです。なぜ逆指値という注文方法が用意されているのでしょうか?
逆指値注文というのは、大きくトレンドに乗る、あるいはリスクヘッジをするという2つの目的で利用されます。
逆指値の買い注文はトレンドフォロー型
逆指値の買い注文は、株価が所定の水準を超えて上昇したときに買い注文を出すということになります。
たとえば、今後株価(為替レート)が上昇するか下落するかはわからないけれど、この水準をブレイク(突破)したらボックス相場を超えて上昇トレンドに入るはず!という考えがあるときなどに利用します。
トレンド(流れ)に乗っかるタイプの注文ですね。大台を超えたら買い、基準線や平均線を超えたら買いといった注文などに利用できますね。
逆指値の売り注文はリスクヘッジ型
続いて、逆指値の売り注文は、相場が思った以上に下落したときのロスカット(損切り)や利益確定の売り注文を出すというときに利用されます。
どちらも意味的には同じです。
500円で株を買ったけど、損失は10%までと考えていれば、450円以下になったら売るような逆指値注文(売り)をずーっと出しておけば万が一の株価下落に備えることができます。
さらに、たとえば、購入した株が600円まで上昇したとき、550円以下になったら売るという逆指値注文をだせば、最低でも50円の利益確定ができるという体制を構築できます。以降株価が上昇すればそれに合わせて逆指値水準を切り上げていけば、今すぐ利益確定はしないけど、一定の利益確定はできるという状況を作ることができます。
利益を最大化する「トレーリングストップ」とは
記事内で触れている「逆指値水準を株価上昇に合わせて切り上げる」手法を自動化したものが「トレーリングストップ(Trailing Stop)注文」です。株価や為替レートが有利な方向に動いた際、あらかじめ設定した値幅を保ちながら逆指値価格が自動的に追従(トレール)する注文方法となります。手動で逆指値を切り上げる手間が省けるため、含み益を守りながら利益を最大化するのに適しています。多くの証券会社やFX会社で対応しています。
逆指値注文は有効期限を決めることができる
逆指値注文は有効期限を付けることができます。本日中はもちろんですが、今週中、期間指定といったように期限を決めることができます。リスクヘッジのためのロスカット注文であればなるべく長い期間で設定しておくと、手間がありません。
さらに便利な「OCO注文」との組み合わせ
逆指値をさらに便利に活用できるのが「OCO注文(One Cancels the Other)」です。OCO注文は、利益確定の指値注文と損切りの逆指値注文を同時に発注し、どちらか一方が約定したら、もう一方が自動的にキャンセルされる注文方法です。例えば、500円で買った株に対して「600円になったら指値で利益確定売り」と「450円以下になったら逆指値で損切り売り」を同時に設定できます。相場を常時監視できない投資家にとって特に有効な注文方法となります。
逆指値注文の注意点・デメリット
逆指値注文はリスク管理に非常に有効ですが、利用する上で知っておくべき注意点やデメリットもあります。
スリッページのリスク
逆指値注文の大きなデメリットとして「スリッページ」があります。逆指値条件に達した瞬間、成行注文が発動しますが、相場が急変動しているタイミングでは、設定した価格と実際の約定価格がズレる(スリッページ)ことがあります。たとえば450円で逆指値売りを設定していても、相場が急落した場合は440円や430円で約定するケースがあります。特に出来高が少ない(板が薄い)銘柄や、ニュースなどで相場が急変したとき、または寄り付き時などに発生しやすい現象です。
損切り後の反転
逆指値が発動した直後に、相場が元の水準に戻るケースがあります。一時的な価格の変動で損切りさせられ、その直後に株価や為替が回復してしまうリスクも考慮しておく必要があります。
特別気配など気配値では発動しない
株価の参照は「約定値段」が基準となるため、特別気配(ストップ高・ストップ安)の状態では逆指値が発動しないケースがあります。価格が大きく飛んで約定した場合、想定以上の損失を被る可能性があります。
権利確定日をまたぐ注文の注意点
権利付き最終日をまたぐ期間指定の逆指値注文は、権利落ちによる株価の下落によって逆指値価格に到達し、意図せず約定してしまう(または失効する)場合があります。権利確定日付近での長期間の逆指値注文には注意が必要です。
逆指値を上手に活用して大損のリスクを減らそう
逆指値注文については基本的にはトレンドフォローの買いよりも、ロスカット(損切り)のために使われることの方が多い注文だと思います。
- 常に相場を見ることができない昼間仕事をしている人
- 値動きの激しい株を売買している人
こういう人は保有株に逆指値注文を出しておくだけでも、思わぬ相場の急落で知らない間に大損していた……なんてリスクを減らすことができます。
逆指値注文を上手に活用して、株式投資や為替投資(FX)などのリスクヘッジをしていきましょう。
逆指値注文ができる証券会社、ネット証券
逆指値注文はいわゆる特殊注文とされる注文の一つですが、今現在においてはもはや基本注文ともいえるレベルで普及しています。大手のネット証券はもちろん、中小のネット証券、対面証券会社でも逆指値は扱っています。
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