自動車保険の制度改定により、事故で保険を使った場合に通常の等級ダウンだけでなく「事故あり係数(事故あり等級)」が適用され、割高な保険料がかかるようになっています。

この事故あり係数の導入によって、最高等級の人であっても保険を使うと、翌年以降の保険料負担がかなり大きくなります。

今回は、自動車保険における「事故あり等級」の仕組みや、車両保険を使うべき損益分岐点、そして近年大幅に値上がりしている保険料を賢く節約するためのポイントを分かりやすくまとめました。

自動車保険の「等級」と「事故あり係数」の仕組み

自動車保険の等級(ノンフリート等級)は、これまでの保険利用実績に対して決められる保険料の割引・割増制度です。通常1等級から20等級まであり、数字が大きくなるほど保険料の割引率が高くなります。(初めて自動車保険に加入すると6等級からスタートします)

1年間無事故(保険を使わない)だと、翌年は1等級上がります。一方で事故を起こして保険を使うと、補償金額にかかわらず等級がダウンします。かつては「等級据え置き事故」という仕組みもありましたが現在は廃止され、ほぼすべての事故で等級ダウンに繋がります。

ダウンする等級数は事故の内容によって異なります。

  • 3等級ダウン事故:車同士の衝突、単独事故、当て逃げなど
  • 1等級ダウン事故:飛び石による窓ガラス破損、台風、洪水、落書き、盗難など
  • ノーカウント事故:弁護士費用特約や個人賠償責任特約などの使用のみ(等級は下がらず翌年1等級アップ)

事故あり等級(事故あり係数)とは?

2012年から2013年にかけて各社で順次導入された「事故あり係数」は、事故を起こして保険を使った人に、同じ等級であっても無事故の人より割高な保険料率(低い割引率)を適用する制度です。

具体的な割引率の違いを見てみましょう。

等級 無事故割引率 事故あり割引率
12等級 -50% -22%
15等級 -53% -28%
18等級 -56% -46%
20等級 -63% -51%

この事故あり係数が適用される期間は、3等級ダウン事故なら3年間、1等級ダウン事故なら1年間です。複数の事故が重なった場合は、適用期間が最長で6年まで加算されます。(0年の場合は無事故扱いとなります)

少額の自損事故なら保険を使わない方がお得?

このような仕組みを考えると、少額の修理費のために車両保険を使うと、翌年以降に支払う保険料の総額アップ分(実質的な負担)のほうが大きくなる可能性が高いです。言い換えると、少額の事故のために保険を使うのは経済的に損をしてしまうケースが多いのです。

もちろん、対人賠償や対物賠償といった億を超えるような賠償責任が生じる部分については、当然補償が必要なので基本的には「無制限」をおすすめします。
一方で、保険料の節約のために見直し対象となるのが「車両保険」、つまり自分が乗る車の傷や破損に対する補償の部分です。事故あり係数の導入により、少額の自損事故については保険を使わずに自腹で修理する方が、結果的にお得になる可能性が高くなっています。

車両保険を使うべき「損益分岐点」はいくら?

ネット上では「修理代が10万円以上なら保険を使ってもOK」という情報が見られることがありますが、多くは事故あり係数導入前や過去の保険料水準に基づく古いお話です。現在の損益分岐点はもっと高くなっていると考えるべきです。

以下の表は、特定の等級の人が車両保険(3等級ダウン事故)を使った場合と使わなかった場合の、保険料の差額(実質負担増)のシミュレーション目安です。

元の年間保険料 6等級の場合 10等級の場合 14等級の場合 18等級の場合
10万円 約19.9万円増 約17.1万円増 約18.8万円増 約20.0万円増
8万円 約16.1万円増 約13.6万円増 約15.1万円増 約16.0万円増
6万円 約11.9万円増 約10.2万円増 約11.4万円増 約11.9万円増
【注意】保険料値上げにより損益分岐点はさらに上昇中

2025年から2026年にかけて、大手損保各社は6〜18%の大幅な保険料値上げを実施しています。ベースとなる保険料が上がっているため、保険を使った際の負担増(損益分岐点)は上記の試算よりもさらに高額になっている点に注意してください。

さらに、車両保険に「免責金額」が設定されている場合、その分も自己負担として上乗せされます。
たとえば、免責5万円で保険料アップ分が15万円だとすると、実質的に20万円以上の修理費用がかからない限り、保険を使うと損をしてしまう計算になります。

車両保険の保険料を抑える賢い見直し方

上記の試算から考えても、少額の修理ではよほどのことがない限り保険を使わない方がお得という状況になります。となってくると、高い車両保険の保険料を抑えるためにも、初めから「低損害時には保険を使わない」という前提で契約を見直すのが合理的です。

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1. 補償範囲を「エコノミー型」に限定する

現在、車両保険は主にすべての事故を補償する「一般型」と、範囲を限定した「エコノミー型(車対車+限定A)」の2分類が主流です。

補償される事故 一般型 エコノミー型
車同士の事故
飛び石・落下物
台風・洪水・盗難
単独事故(電柱に衝突など) ×
当て逃げ ×

補償範囲が広い分、一般型は保険料が割高です。一方で、どうせ保険を使わないような「自損事故」などを補償対象から外すエコノミー型を選べば、保険料を大きく節約できます。ただし、「当て逃げ」のケースは一般型でしか補償されないため、そのリスクをどう捉えるかが判断のポイントとなります。

2. 免責金額を設定しておく

免責金額とは、車両保険を使う際の自己負担額のことです。たとえば「免責5万円」なら、修理費用のうち5万円は自腹を切る仕組みです。
「少額の事故なら保険を使わない」と決めているのであれば、初めから免責金額を高めに設定しておくことで、保険料を割り引いてもらうことができます。
また、修理代が高額化しがちな車同士の事故に備えて、「車対車免ゼロ特約(自動車同士の事故の場合は免責金額がゼロ円になる特約)」などをセットしておくのも有効な手段です。

さらに保険料を節約するためのポイント

他社への乗り換えでも等級は引き継がれる

保険料の負担を軽くするためには、保険会社自体の見直しも重要です。自動車保険を別の保険会社に乗り換えても、現在の等級はそのまま引き継がれます。事故あり係数も引き継がれますが、ベースの保険料が安いダイレクト型保険などに乗り換えることで、トータルの出費を抑えることが可能です。

テレマティクス保険の活用

近年は、走行距離や運転の安全性(急ブレーキの少なさなど)に応じて保険料が割引される「テレマティクス保険」や「走行距離連動型保険」も普及しています。年間走行距離が少ない方や、安全運転に自信がある方は、これらを活用すると大幅な割引を受けられるケースがあります。

自動車保険は面倒くさがらず毎年見直しをしよう

自動車保険は毎年しっかり見積もりをとって見直すことが大切です。特に近年は保険料の値上げが続いているため、損保会社によって大きな差が出ているケースもあります。

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ふかちゃん
マネーライフハック編集長。証券会社で個人向け金融サービスに従事した経験をもとに、2004年より金融・投資・クレジットカード・節約・ポイント活用に関する情報を発信しています。2011年からMoneyLifehackを運営し、2018年3月には月間200万PVを達成。金融サービスの提供側ではなく、利用者目線で実際に使って検証した一次情報をもとに、家計改善に役立つ情報を分かりやすくお届けしています。
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