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お宝保険とは何か?知らずに解約や転換、下取りをしてはダメな理由

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生命保険などの保険において「お宝保険」と呼ばれる保険があります。一般的には過去に販売されていた保険商品で特に予定利率(契約者に約束している利回り)が高い保険契約です。日本では歴史的な低金利が続いていましたが、2016年には日銀によるマイナス金利政策が始まったことで一段と予定利率が低下しています。

こうした状況から数年前に契約した保険契約であっても現状の金利(予定利率等)と比較するとかなり有利になっていることがあります。「保険の見直し」などと称して契約の切り替え(解約)や転換、下取りなどを提案するケースもあるかもしれませんが、そうした保険は見直してはいけません。

今回はそんなお宝保険について解説していきます。

お宝保険とは?お宝保険の定義

生命保険の貯蓄部分に対して保険会社が契約者に対して約束している利回り(利率)を予定利率といいます。この予定利率は一部の保険を除いて、「固定金利」となっています。

そのため、過去の金利が高い時期に契約した保険はそれだけ、割安な保険料または高い利回りで運用されているわけです。こうした保険は「解約」や「転換」「下取り」といったように契約を終了してしまうと終わってしまうため、できる限り保険契約は維持するようにするべきです。

 

予定利率とは何か?

予定利率という言葉自体、耳にしたことが無いという方もいらっしゃるかもしれません。
この予定利率というのは保険会社が契約者に他しいて約束する運用利回りのことです。

払った保険料は死亡保障などの保険に使われる「純保険料」、保険会社運営のための経費「付加保険料」、最後に将来の保険や満期保険金のための保険料として「貯蓄保険料」の3つがあります。

この予定利率で運用が約束されているのは「貯蓄保険料」に相当する部分が対象です。

なので、予定利率と銀行預金(定期預金の金利)などとを直接比較はできません。

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予定利率が高い保険はなぜよい保険なのか?

予定利率が高い保険はそれだけ貯蓄部分の利回りが高くなります。

また、満期保険金がないタイプの生命保険であっても保険加入期間が長い保険は、若い時に払っている保険料には、年を取った時の死亡リスクに対する保険料も含まれており、その部分は運用されるため、結果として保険料自体が安く抑えられています。

その為、基本的には予定利率が高い保険の方が有利になります。

 

なぜ昔の保険はお宝保険と呼ばれるのか?

予定利率は基本的に市場金利に連動しています。日本では「失われた20年」といわれるように、長期の景気低迷が続いています。
市場金利は低下を続けており、2016年にはマイナス金利政策がとられています。

当然これを受けて、生命保険会社各社の貯蓄性の保険の予定利率も低下しております。

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こうしたことから、昔加入した保険=予定利率が今より高い保険ということで、そうした保険がお宝保険と呼ばれます。
一般的には予定利率が高かった1999年(平成11年)以前くらいの保険のことを指す場合が多いです。これ以前の保険は予定利率が現在と比べるとかなり高いです。

なお、以下は生命保険会社が予定利率を決める際の参考指標ともいえる、金融庁の標準利率の推移です。

標準利率
~平成11年(1999年)3月 2.75%
平成11年(1999年)4月~ 2.00%
平成13年(2001年)4月~ 1.50%
平成25年(2013年)4月~ 1.00%
平成29年(2017年)4月~ 0.25%

特に、2017年(平成29年)4月には日銀のマイナス金利政策を受けて国債利回り(長期金利)が大幅に(マイナス圏まで)下落したことを受け、標準利率も大きく低下しています。

2013年3月以前の保険も狭義のお宝保険

特に直近は2013年4月、2017年4月にそれぞれ大きく標準利率が下落していることを受け、生命保険の予定利率も下がっています。

一般的なお宝保険は1999年以前くらいの契約の保険とされていますが、2013年3月以前に学資保険などの貯蓄性の保険を契約している方は、現在の状況を考えるとプチお宝保険といえるかもしれません。

 

お宝保険の解約、転換、下取りはやめておいたほうがいい

保険会社から、今契約している保険を解約、転換・下取りをして別の保険に切り替えないか?という提案が出ることがあります。

解約 今契約している保険を解約すること。保険契約がなくなる。積立部分(貯蓄部分)については解約返戻金として戻ってくる。
転換・下取り・乗り換え 現在の保険契約を利用して別の保険を契約する方法。同じ保険会社の場合利用可能。
現在の保険の積立部分(貯蓄部分)を新しい契約の保険料に充当する方法。既存の保険はなくなり、新しい保険に切り替わります。

 

保険を切り替わると予定利率も今現在のものが適用される

たとえば、今40代の方で20代の時に入っていた終身保険だと予定利率は4%くらいあるはずです。その保険を転換や下取りなどで別の保険に切り替えたとしましょう。今だと予定利率は1%くらいになってしまいます。

ということは、この保険の切り替えは高金利の定期預金を解約して、わざわざ低金利の定期預金に預けなおすようなもので、経済合理性はありません。

 

保険料が安く見えるマジック

ちなみに、転換、下取りを利用して保険契約を乗り換えると月々の保険料が安くなるケースがあります。
先方(保険会社)は転換したら、保険料が安くなるからお得!と発言するかもしれませんね。

でもこれは、新しい保険契約を結ぶときに、いままでのお宝保険で積立をしてきた積立金を新しい保険のために支払っているから安くなっているにすぎません。

「下取り」としてこれまでの保険で貯めてきたお金を一時払い保険料として払うから、結果的に月々の保険料が安くなっただけです。

 

保険会社がお宝保険の転換を迫る理由は?

じゃあ、なんで保険会社は転換をさせようとするのか?
というと、わかりやすい話ですが儲けのためです。

既存契約の高い予定利率は保険会社にとっては、金利低下で自社の利回りが低下する中で逆ザヤの契約となります。

契約者にとってのお宝保険は保険会社からすると損をする保険になっているわけです。その為、転換をして低い予定利率の保険に換えてしまおうとするインセンティブが働いています。

もちろん、保障内容が現在のあなたの家計や家族構成等の状況にあっていないというように見直しが必要なケースもあると思いますが、1999年3月以前に契約した生命保険については解約等は慎重に検討するようにしましょう。

 

以上、お宝保険とは何か?知らずに解約や転換、下取りをしてはダメな理由を紹介しました。