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賃貸住宅の家賃値下げ交渉・家賃交渉のポイント

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negotiation新生活に向けた引っ越しシーズンも佳境に入り、新居選びに奔走している方も多いことでしょう。数多くある物件の中からせっかく良い物件があっても、家賃が少し高いから無理。ということも多くあると思いますが、家賃は交渉によって下がることがあります。

むしろ可能であればしっかりと家賃交渉をして、毎月の固定費となる家賃を節約しましょう。

但し、やみくもに交渉しても門前払いになりかねませんので注意が必要です。ここでは、家賃交渉の有利に進めるためのポイントやコツの他、交渉可能な物件と交渉できない物件の違いについてまとめていきます。

家賃値下げ交渉の準備をしよう

部屋を借りる場合、不動産業者から紹介される物件が気に入ったからといって、やみくもに家賃交渉するのではまず成功しません。交渉事には相手のマイナスポイントをうまく利用し、妥協点を見つけていくことが絶対条件です。

例えば部屋を探すときに最近はインターネットで検索し、気に入った物件があったら不動産会社に問い合わせて物件を実際に見ることになるでしょう。

この時、周辺の類似した物件の家賃相場、設備などを調べておきましょう。家賃は同じでも、築年数が古い、日当りが悪い、オートロックがない、エレベーターが無いなど物件ごとにより探せばマイナスポイント(欠点)は出てくるかと思います。

こうしたマイナスな面は不動産一般的にはマイナスとされますが、住む人によってはマイナスとは言えない部分もあるかと思います。たとえば、昼間はほとんど家にいないという人にとって日当たりはあまり関係がないといえるでしょう。そういう方は自分にとってはマイナスではないマイナス面を家賃交渉材料とすることで、有利に交渉することができます。

 

家賃交渉ができる物件、できない物件

家賃交渉(値下げ交渉)がしやすい物件は空室が長期化している物件です。また、タイミング的にはいわゆる“閑散期”を狙うのがおすすめです。また、いわゆる“事故物件”も気にならないのならねらい目です。

 

空室が長期化している物件は早く入居者を確保したい

3カ月程度空室となっている物件には何かしらの問題があります。例えば入居募集のシーズン(1~3月、7~8月)に決まらなかった、相場よりも家賃が割高(物件や設備が古いなど)、事故物件や近隣住民の問題などの理由が挙げられますが、この中で入居シーズンに決まらなかった物件はかなりの確率で家賃交渉が可能です。

相場よりも家賃が割高だと思われる物件については、そもそも家主が周辺の類似物件の家賃状況をきちんと把握していないことや、お金に困っていないため無理に家賃を下げることをしないなどの理由があります。

この場合、頑張って交渉してもそれほど期待できません。入居募集に熱心な家主というのは周辺の物件にも詳しいし、設備の面にも気を配っているため、相場を無視した家賃設定はしないものです。

 

家賃交渉しやすいのはやはり閑散期

家賃交渉をしやすいタイミングもあります。一般的に1月~4月中旬くらいまでは入学・就職などのシーズンで賃貸需要が大きくなります。買い手が多いということは売り手はわざわざ値段(家賃)を下げてまで入居させる必要もないので強気になります。

一方で4月下旬からは閑散期となります。物件数は減るものの売れ残り物件は厳しい状況が続きますので、5月~8月くらいまでは家賃交渉をしやすくなります。

  • 1月~4月中旬:繁忙期
  • 4月下旬~8月中旬:閑散期
  • 8月下旬~10月中旬:やや繁忙期
  • 10月下旬~12月:やや閑散期

こんな感じでしょうか。

なお、閑散期に借りるメリットは、今家賃交渉がしやすいだけでなく、そのあとも契約更新の都度、家賃交渉ができる余地があるという事です。後進の際の家賃交渉に納得がいかないという場合でも、そのタイミングなら新しい入居先も探しやすいわけですから。

 

事故物件は気にならない方にはおすすめ

事故物件(自殺や火事があった部屋)は、心理的瑕疵物件と呼ばれます。

こうした部屋は住みたい人が少ないため、交渉の余地は高いものの心理的に気になる方にはお勧めしません。逆に気にしないという方には魅力的といえるかもしれません。

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家賃交渉の対象とするのは家賃だけじゃない

家賃交渉と一概に言ってはいますが、実は「家賃(月額賃料)」を下げてもらうというのは、実は少し難易度が高めです。

月の家賃を下げると、その引き下げが他の部屋にまで飛び火してしまうのを恐れますし、なにより物件の収益的価値が下がってしまいます。借り手からすればあまり関係のない話ですが、家賃を下げることで物件の表面利回りが下落するため、大家が物件を売却するときの売却査定額に悪い影響が出るのです。

そのため、家賃交渉というのは家賃(月額賃料)にこだわらず、その他の項目も含めて広く交渉するようにしましょう。

 

大家さんの譲歩を引き出しやすいフリーレントや礼金引き下げ

月々の家賃以外にも、初期費用を抑える目的で礼金賃、フリーレントを交渉する方法もあります。

  • 礼金(契約時に大家に渡す謝礼、家賃2カ月分など)
  • フリーレント(一定期間の家賃を無料にするというもの)

実は月々の家賃を交渉するよりもこの部分の交渉は比較的ハードルが低いため、交渉のやりがいがあります。

例えば家賃5万円、礼金2カ月の物件を契約し、月の中盤(15日)ぐらいに入居したいと考えます。この場合、月の家賃を交渉したとしてもよくて1,000~2,000円程度がやっとだと思われます。

月々の家賃というものは一度下げてしまうと上げることはかなり難しいので、オーナーにとってもできるだけ下げたくはありません。但し、空室を埋めたいという気持ちは大いにあるので、諸費用の部分の交渉をしてみましょう。

このケースの場合には礼金を1ヶ月にし、月の半ばから入居したことによる日割家賃をフリーレント(当該期間のみ家賃を無料)にするなどといった交渉は可能です。

礼金を1ヶ月にすることだけでも5万円の初期費用を削減できますので、節約効果は大きいと思われます。「家賃の値下げ」にこだわる方も多いようですが、仮に初期費用を5万円も抑えることができれば、月々2千円の家賃値下げと比較して25カ月分と2年以上の節約効果があるわけです。絶対に家賃引き下げとこだわるのではなく、別の妥協点を見つけていくことも大切です。

 

家賃の値下げ交渉するタイミングはいつがいいか?

家賃の交渉をするのにも効果的なタイミングがあります。一般的に家を借りるまでの流れは以下のようになっています。

  1. 物件選びをしている段階
  2. 物件に申込を入れる段階
  3. 入居者審査がされる段階
  4. 重要事項説明・契約段階

(1)物件を始めて見た段階での交渉は避けましょう。なぜなら、賃貸営業マンにとっても物件を紹介したばかりの段階では、お客が本当に契約してくれるかどうかの判断がつかないため家主に対して提案がしづらいからです。

逆に、(3)(4)にまで進んでしまうと、家賃交渉を今頃されても……。ということになってしまいます。

となると、交渉のタイミングというのは物件申し込みの直前が良いかと思われます。入居申し込みの直前は契約したい意思をある程度伝えた後なので、成約したい賃貸営業マンにとっては頑張りどころです。よっぽど仕事にやる気のない営業マン以外は相談にのってくれるでしょう。

最近では(4)の入居申込書にサインし、入居審査も通過した後で家賃の減額を要求するお客さんもいるようです。

実際に賃貸借契約書を交わさない限りは家賃などの条件交渉は可能ですが、賃貸営業マンや家主にとっては大きな問題です。

また、このようなお客は後々トラブルを引き起こす人物と判断されかねませんので、場合によっては「そうおっしゃるのであれば、借りていただかなくても結構です」となる可能性も十分にあることを承知しておきましょう。

 

現在入居中の物件は更新のタイミングがチャンス

また、これから借りる物件だけでなく、今住んでいる物件に対する家賃交渉も可能です。

この場合はタイミング的に物件の更新時期を選ぶようにするとよいです。これからも住みたいと思っているんだけど、〇年住んでいるんだから、家賃を○○円減額してほしい。といった交渉のやり方があります。

難しいようなら後進のタイミングで引越しをするという選択肢もあるわけですし。

また、長年借りている物件であれば設備の更新をお願いするのも手ですね。長年住んでいるわけですから色々古くなってガタがきた部分もあるでしょうから、○○の調子が悪いから交換してほしいというような交渉も可能です。

 

家賃の値下げ交渉をする場合の注意点

家賃交渉は行って問題ある行為ではありません。しかしながら、大切にしていただきたいのは、取引はお互いが気持よく行うべきであり、一方のみに負担がいく、相手から嫌われるような行為は避けるべきということです。

 

仲介業者に対して仲介手数料の値下げ要求は厳しい

部屋探しをサポートする仲介業者にとってお部屋探しを手伝うための様々な事務費用や人件費を賄うのが仲介手数料です。賃貸の仲介手数料というのは家賃の1ヶ月分以内と定められていますので、これが半分になったとしても問題はありません。

なので、交渉の余地自体はあります。ただし、これを飲む不動産業者は少ないでしょう。家賃交渉の間に立ってくれる人でもあるわけなので、そこの取り分を少なくする交渉はあまり良い結果につながらないかもしれません。

参考:お部屋探しで押さえたい仲介業者(不動産屋)の選び方

 

でも、仲介手数料は家賃の半額でしょう?

賃貸契約における仲介手数料に対する建設省告示第1552号によると以下のようになっています。

平成29年最終改定

宅地建物取引業者が宅地又は建物の貸借の媒介に関して依頼者の双方から受けることのできる報酬の額(当該媒介に係る消費税等相当額を含む。以下この規定において同じ。)の合計額は、当該宅地又は建物の借賃(当該貸借に係る消費税等相当額を含まないものとし、当該媒介が使用貸借に係るものである場合においては、当該宅地又は建物の通常の借賃をいう。以下同じ。)の一月分の一・〇八倍に相当する金額以内とする。この場合において、居住の用に供する建物の賃貸借の媒介に関して依頼者の一方から受けることのできる報酬の額は、当該媒介の依頼を受けるに当たつて当該依頼者の承諾を得ている場合を除き、借賃の一月分の〇・五四倍に相当する金額以内とする。

まとめると、家賃は上限1か月分で、借主・貸主から0.5ずつね。でも承諾したら片方から全額とってもいいよ。というものです。0.54となっているのは消費税分(8%の時の文書なので)です。

賃貸事業者(不動産業者)としてはこの太赤字にしている部分を利用して、借主に全額負担をお願いしているわけです。

なので、仲介手数料は双方から取る形にして、半額にしてください。という事もできるのはできます。

ただ、法律論を振りかざして、0.5か月分しか払わないと主張すればどうなるか?閑散期などで借り手有利な場合は成功するかもしれませんが、通常は「じゃあ、よそで物件を借りてください」となる可能性の方が高いでしょう。

(追記)実際、訴訟になっており2020年1月14日に東京高裁において東急リバブルと賃借人が行った裁判で東急リバブルが敗訴しました。

内容としては国が定めている0.5か月分を超える手数料を“承諾なく受け取ったのは”違法という判決になります。言い換えれば仲介業者は仲介依頼の成立にまでに借主の承諾があれば1カ月分受け取ってもよいということになります。

言い換えれば、1カ月払ってもいいという承諾をせずに仲介依頼をした場合に1か月分を請求してきたら、承諾していないので0.5カ月分にしてほしいというように主張できます。ここは覚えておきましょう。

 

家賃交渉で使えるトーク集

この時も、「この物件に決めたいんだけど、毎月の予算を考えると○○円オーバーしているんです。家賃を下げて貰えるなら入居するので何とか大家さんと交渉はできませんか?」というように相手に対して、基準を与えるとよいでしょう。

あるいは、「内覧した物件の○○部分が気になった。この部分を修繕してもらうことはできるか?」といった要望を出すこともできます。その流れで対応できないなら家賃を下げる形で……というように交渉をつなげることも可能です。

どちらにおいても、大切なのは要望が通ったら必ず借りるということを表明することです。契約するかしないかがフワッとした状態だと仲介業者も交渉しにくいですし、大家さんの決断を迫ることもできません。

 

家賃交渉は積極的にやろう

色々書きましたが、家賃交渉は基本的に借りる前に可能な交渉となります。

家賃はいわゆる「固定費」となるわけですから、それが少しでも下がれば居住期間が長くなれば長くなるほど節約効果も大きくなります。

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住んでいる途中で家賃交渉をするのは少しハードルが高めなので、借りる前に積極的に家賃交渉をしていきましょう。

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友田幸宏
福岡で投資用不動産の売買仲介を中心に行っています。 単なる売買仲介ではなく、お客様にとって将来にわたる資産形成のご提案をいたします。また、権利関係が複雑な物件や古ビル、古アパートの売却相談や活用方法についてもコンサルティングいたしますのでお気軽にご連絡下さい。 HP:福岡の不動産売買ならリータス
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