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大手ハウスメーカーの中古住宅「スムストック住宅」のメリット、デメリット

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スムストック住宅というものをご存知でしょうか。スムストック住宅は大手のハウスメーカーが共同で推進・認定している中古住宅のことです。日本は人口減少社会を迎えており、空き家率の上昇などの空き家問題も抱えています。その割に中古住宅の売買というものはあまり進んでいません。

そこで、大手ハウスメーカーが共同して自分たちが作った質の高い住宅を「スムストック住宅」として認定するという動きが出ています。今回はそんなスムストック住宅について買い手・売り手の両方の立場からメリット、デメリットを見ていきたいと思います。

スムストック住宅とはどんな住宅なのか?

スムストック住宅は大和ハウス工業、積水ハウスといった大手ハウスメーカーがつくった優良ストック住宅協議会が認定した住宅が該当します。

  1. 旭化成ホームズ
  2. 住友林業
  3. 積水化学工業
  4. 積水ハウス
  5. 大和ハウス工業
  6. トヨタホーム
  7. パナホーム
  8. ミサワホーム
  9. 三井ホーム
  10. ヤマダ・エスバイエルホーム

の10社がハウスメーカーとなっています。

 

日本の中古住宅の不動産市場での評価

日本の中古不動産の売買はけっして活発とはいえません。また、不動産の上物(建物)はあまり高く評されない傾向があり、建築後20年~30年で物件の価値はゼロ評価となるケースがほとんどです。

一方で近年では建築技術も向上しており、特に大手ハウスメーカーの最新技術で建てられた住宅は適切なメンテナンスをしていればもっと長持ちするといわれています。

スムストック住宅はこのような優良な住宅を評価することで自社ブランドの向上や、中古市場での価値向上を図るということが考えとしてあるのでしょう。

 

スムストック住宅に認定される方法

確認したところ緩いです。

  • ハウスメーカーで建てた住宅であること
  • 新築時の図面やリフォーム、メンテナンスの情報が管理されている
  • 長期点検メンテナンスプログラムがある
  • 新耐震基準レベルの耐震性能がある

上記が認定基準となっています。もっともらしい(?)ことが書かれていますが、そんなたいしたことではありません。というか、ほとんどの物件が該当すると思います。

 

スムストック住宅に認定されるメリットは何か?

スムストック住宅は建物のスケルトン(構造躯体)の50年、インフィル(内装設備)を15年で査定します。大手ハウスメーカーが建てた物件なんだから他所の工務店が建てた物件よりは長持ちするでしょ。という考え方になりますね。

つまり、スムストック住宅に認定された場合、その住宅は一般的な方法で査定される場合よりも査定価格が高くなるということになります。

売り主にとってはこれはメリットですか…ね。

 

買主にとってはあえてスムストック住宅を買うメリットはない

物件価格は査定価格で売れるわけじゃないです。
不動産は買い手と売り手が金額に合意しないと売れません。

別に不動産の売値なんていくらでもいいわけです。吹っかけても問題ないです。でも、それに買い手が現れるかは別です。

スムストック住宅の大きな欠点は、買主に対してスムストック住宅を買うメリットを提示できないことにあります。

たとえば、スムストック住宅についてはハウスメーカーの延長保証が受けられるとか、購入から〇年以内に問題が発生したときはメーカー負担で修理をするといった特典があれば別ですが、現状ではそんなものは提供されていません。

つまり、ただ認定した物件というだけです。もちろん、その認定基準が非常に厳しいものであるという前提があれば、一定の品質が担保されていると考えることができますが、認定基準があまり厳しくないということを考えると、メリットがあるといえるレベルではないと思います。

 

現状ではあえて認定されるメリットもデメリットもない

現状の内容を見る限り、スムストック住宅に認定されることはメリットもデメリットもないかと思います。中古住宅の売買価格というのは売主と買主が合意した価格でないといけません。

いくら売主にとって都合の良い査定をしたとしても、その査定結果に対して買主が納得しなければそれはそれで意味がないということになります。

現状ではそうした買主メリットはほとんどないように見えるので、大きく普及するようには思ないというのが私の感想です。

 

以上、大手ハウスメーカーの中古住宅「スムストック住宅」についてまとめてみました。