年に一度、個人投資家が優れたファンドを人気投票で選ぶ“ファンドオブザイヤー”というイベントがあります。毎年行われているイベントですが、2018年1月に開催された、ファンドオブザイヤー2017では、第1位と第3位に楽天VT(楽天・全世界株式インデックスファンド)と楽天VTI(楽天・全米株式インデックスファンド)という2つのファンドがランクインしています。
この2つのファンドは2017年に設定された新ファンドで登場から日が浅いにも関わらず人気を集めています。今回はこの二つの投資信託(楽天VT、楽天VTI)についてそれぞれ特徴や評判などを紹介していきます。
ファンドオブザイヤーとは?
ファンドオブザイヤーというのは投資信託について実際に投資を行い、また情報の発信も行っているブロガー(投信ブロガー)が、彼らの目線で支持する投資信託を選び、得票数によってファンドをランキングにしたものです。
2017年版(2018年1月発表)は198名の投票があったとのことです。ランキングは以下のとおりです。
- 第1位 楽天・全世界株式インデックス・ファンド
- 第2位 <購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド
- 第3位 楽天・全米株式インデックス・ファンド
- 第4位 野村つみたて外国株投信
- 第5位 eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)
- 第6位 ひふみ投信
- 第7位 eMAXIS Slim新興国株式インデックス
- 第8位 たわらノーロード先進国株式
- 第9位 バンガード・トータル・ワールド・ストックETF
- 第10位 iFree S&P500インデックスファンド
かねてより低コストインデックスファンドがランキング上位を占めておりましたが、今回も同様ですね。
アクティブファンドとしてはこのブログでも先日紹介した、ひふみ投信のみがランクインしています。
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今回注目したいのが、ランキングで1位と3位になった楽天・全世界株式インデックス・ファンド(通称:楽天VT)と楽天・全米株式インデックス・ファンド(通称:楽天VTI)の二つです。いずれも2017年に組成された新しい投資信託です。
楽天VT、楽天VTIは米国ETF(海外ETF)をそのまま組み込んだもの
楽天VT、楽天VTIという二つのファンドは、それぞれ、アメリカの証券取引所に上場している、VT(バンガード・トータル・ワールド・ストックETF)、VTI(バンガード・トータル・ストック・マーケットETF)をそのまま日本円建で運用している投資信託です。
この二つのETFについては海外ETF投資の記事でもおすすめETFとして紹介したものですね。
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投資家→楽天VT(VTI)→VT(VTI)
という形で運用しているだけですね。
コスト的にはVTやVTIを直接買うほうがお得
商品的にいえば、楽天・全世界株式インデックスファンド(楽天VT)や楽天・全米株式インデックスファンド(楽天VTI)に投資をするのではなく、海外ETFとしてVTやVTIに投資するほうが、一社取引をかまないわけですからコストは安くなります。
投資家→VT(VTI)
実際に投資したときのコストを見てみましょう。VTの経費率(日本の信託報酬に相当)は0.11%(2018年1月現在)です。一方で、楽天VTの信託報酬は0.2396%程度となります。世界株に投資できる投資信託としてのコストはかなり安いのですが、厳密にコストを負うのであれば、VTやVTIを直接買うほうがお得です。
一方、売買手数料で見ると楽天VT、楽天VTIのほうが魅力的です。楽天VT、楽天VTIはノーロードファンド(売買手数料無料)です。対するVT、VTIは米国株扱いなのでやや高めの売買手数料がかかります。ただし、この差は売買時のみなので、毎月かかるコストと比較しても小さいです。
たとえば、100万円の投資をすると考えましょう。
売買手数料 | 信託報酬(運用コスト) | |
---|---|---|
VT | 5.4ドル(≒594円) ※売買の場合は2倍(1,188円) |
0.11%(年率) 年間:1,100円 |
楽天VT | 無料 | 0.2396%(年率) 年間:2,396円 |
1年で売るくらいの保有であれば、VTを直接買っても、楽天VTIを買ってもコスト総額は変わりませんが、2年、3年、4年と保有し続ければ信託報酬(運用コスト)の差が膨らんでいきます。仮に10年間の保有とした場合、VTのコスト総額は12,188円ですが、楽天VTのコスト総額は23,960円となります。
人気を集めた理由はその手軽さ
ただそれでも、楽天VTや楽天VTIの人気が高い理由はやはりその手軽さでしょう。
国内投信として、そのまま円建てで買えるというのは手軽です。たとえば、米国ETFとしてVT、VTIを購入する場合は以下のようなハードルがあります。
- 外国株取引のための口座開設の必要性
- VT、VTIはドル建てなので円をドルに両替して購入する必要がある
特に、投資初心者の方からすると米ドル建てで投資をするのはわかりにくいところもありますし、この辺りの手間がかからないというのは楽天VT、楽天VTIの大きなメリットだといえるでしょう。
外国税額控除は使えない
一方で税に関する部分では注意点があります。
VT(バンガード・トータル・ワールド・ストックETF)やVTI(バンガード・トータル・ストック・マーケットETF)からは分配金が出ています。
米国ETFは分配金が出るときに米国内で10%課税されています。VTやVTIに直接投資をしている場合、この外国で課税された税金分については取り戻すことができます(外国税額控除)
楽天VTや楽天VTIなどの国内公募株式投信においては外国税額控除を使うことはできません。楽天VTや楽天VTIがバンガードのETFから受け取った分配金は10%分が課税された形での入金となっているはずなので、外国税額控除を利用でき税額を取り戻せる人についてはVTやVTIに直接投資をするほうが単年度でみた税コストは小さくなります。
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分配金は出さない方針は課税繰り延べとなりメリット大
ただ、楽天VT、楽天VTIは配当金を分配しない方針のようです。
このため、長期投資を考えている方は、日本での20%+復興特別所得税)
たとえばこの分配金については分配しない方針のようです。無分配型としてファンド内で再投資されます。
この方針は長期投資にはメリットがあります。日本の税制では投資信託は分配された場合に課税(20%+復興特別所得税)されます。一方、分配されなければ、そのまま運用されます。そのため、税を繰り延べすることができ、複利効果が働き長期運用の場合、運用利回りが向上します。
VTやVTIに直接投資をすると分配されてしまい、国内で課税されます。この点は長期投資かにとって大きなメリットがあります。
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日本で買える世界株投資、米国株投資の投資信託としては間違いなくおすすめ
VTやVTIへの直接投資と楽天VT、楽天VTIへの投資を比較すると、一長一短はありますが、十分許容範囲になります。
実際に国内の外国株系の投資信託と比較すると楽天VT、楽天VTIのコストの安さは明らかです。
一部ネット証券経由で購入すればポイントが付与
楽天VT、楽天VTIはネット証券を通じても購入することができます。
ネット証券の中には投資信託の保有でポイントがもらえるようになっているところもあり、実質的な信託報酬の割引になります。
楽天証券は「ハッピープログラム」という投資信託を保有することで保有額に応じてポイント還元するサービスがあります。また、SBI証券でも「投信マイレージ」という同種サービスがあります。
楽天証券の場合、残高のおよそ0.048%(年率換算)が還元されることになり、楽天VTや楽天VTIも対象です。一方で海外ETFであるVTやVTIはポイント対象外になりますので、楽天証券経由の場合、実質的な維持コストの差は小さくなります。
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以上、2017年ファンドオブザイヤーにランクインした楽天VT、楽天VTIについて紹介しました。
今、一番おすすめのモバイル回線は「楽天モバイル」です。
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