海外送金というのは、海外にいる誰かにお金を送金するということになります。もっとも一般的な方法は海外の銀行口座への振込(送金)が挙げられます。また、こうした方法以外にも、海外送金の方法はあります。今回はそんな海外にお金を送りたいという時の方法やそれぞれに必要な手数料等のコストやかかる時間などを比較していきたいと思います。
海外送金とは何か?
海外に住んでいる方、海外で働きながら日本に送金している方、あるいは海外にいる家族に仕送りをする方、様々な理由で日本国内と海外との間で送金が必要になるケースは出てくるでしょう。
海外送金自体は都市銀行、ゆうちょ銀行といった大きな銀行であれば利用可能です。また、ネットバンクはもちろん、Paypal、トラベレックスというように送金ができるサービスは数多くあります。
また、最近では日本からチャージ可能で海外ATMから出金が可能になる海外プリペイドカードなども登場しており、海外送金も多様化しています。
目的に応じて使い分けをしましょう。
海外の銀行への振り込み
海外送金というとこの外国の銀行口座への振り込みをするという方法が一般的かと思います。その際にかかる手数料は下記の4つです。
海外送金手数料の種類 | その特徴 |
---|---|
送金手数料 | 送金元となる日本の銀行に対して支払う手数料です。この手数料の金額は銀行によって違います。 数百円レベルから数千円といった具合で銀行によってかなり手数料の差がありますので注意したいところです。 |
為替手数料 | 送金元の銀行に預けている日本円を米ドルなどのように外貨として送金する場合は、円を米ドルに両替したうえで送金することになります。 その時に必要な手数料が為替手数料です。 |
中継銀行手数料 (リフティングチャージ) |
送金側の銀行と受け取り側の銀行とで業務提携がない場合、業務提携をしている銀行を中継して受取銀行に送金されます。その中継銀行に支払うのが中継銀行手数料(リフティングチャージ)です。 基本的には受取人負担となります。また、最終的に中継銀行が入るかどうかは送金前にはわからないことが多く、手数料の額も送ってみないとわからないところがあります。 |
受取銀行手数料 | 送金を受けた受け取り側の銀行に支払う手数料です。 こちらは原則として受取人負担となりますが、送金先が負担することもできるケースが多いです。特に、相手の銀行先にキッカリの金額で送金したい場合には送金人負担とすると便利です。 |
いやー、これだけ手数料の種類があるってことは実際に送金するときはかなりの金額がかかることになるというのは間違いないです。
海外送金サービスがある銀行の手数料比較
海外送金サービスを実施している代表的な銀行、サービスを比較していきます。
手続き | 送金手数料 | 為替手数料 | 中継手数料 | 受取手数料 | |
---|---|---|---|---|---|
楽天銀行 | オンライン | 750円 | 1.5円 | 1000円(固定) | 受取人負担 |
ゆうちょ銀行 | 窓口 | 2500円 | 1.6円 | 受取人負担 | |
三井住友銀行 | オンライン | 3500円 | 1.6円 | 2500円 | |
SBI新生銀行 | 窓口 | 4000円 | 50銭 | 受取人負担 |
全体的にみて、優れているといえるのは、上記の4銀行だと思います。
楽天銀行の海外送金
送金手数料が安いです。中継手数料も固定されているため、総コストで見たらもっとも安く済む方法が楽天銀行の海外送金になるのではないかと思われます。難点としては受取銀行手数料については受取人負担しか利用できないという点でしょうか。
いずれにしても、海外送金を行うのであれば第1候補になるでしょう。
ゆうちょ銀行の海外送金
窓口から送金可能で送金手数料も安めです。ゆうちょ銀行の口座開設も不要なので、とりあえずすぐに海外送金したいという方にはお勧めです。
三井住友銀行の海外送金
中継銀行手数料(リフティングチャージ)+受取銀行手数料が合計で2500円固定というのはうれしいですね。送金人負担ができるので、1200ドルをきっかり支払いたいというようなケースはリフティングチャージと受取銀行手数料をこちら負担にできる三井住友銀行がお勧めです。
SBI新生銀行の海外送金
最大のメリットは為替コストが安いことです。とくに送金金額が大きいときに力を発揮します。
以下は送金金額別にかかる為替手数料を比較したものです。当然ですが、送金額が大きくなると為替手数料の差が手数料にも大きく影響していきます。
楽天銀行(1.5円) | SBI新生銀行(0.5円) | 差額 | |
---|---|---|---|
100ドル | 150円 | 50円 | 100円 |
1000ドル | 1500円 | 500円 | 1000円 |
10000ドル | 15000円 | 5000円 | 10000円 |
楽天銀行とSBI新生銀行とでは送金手数料はそれぞれ750円と4000円と3250円も差がありますが、送金金額が大きくなる場合は為替手数料分で差が逆転することがあります。
ざっくり3000ドル以上の送金をするならSBI新生銀行の方が安くつくということになりますね。
PayPayも使えるけど、日本からの個人間送金は禁止
オンラインの決済サービスであるPayPayも実際には海外送金に利用できます。ただ、日本国内のアカウントでは個人間での取引は禁止されており、利用できないという事になっています。
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海外留学や海外赴任での海外送金は海外プリカも使える
ここまで紹介してきた銀行への振り込みという方法はレガシーな方法で、どうしてもコストが高めです。また、送金から着金まで日本国内の銀行振込のように一瞬で行われるのではなく、数日~長い場合は1週間以上かかる場合もあります。
また、海外送金においては当たり前ですが、現地の銀行に口座を持っているという事が必要になります。送金相手が外国人(現地の人)なら当たり前に口座を持っているでしょうが、たとえば、留学中の子供に送金をしたいというような場合は、口座を作るのも面倒かもしれません。
海外プリペイドカードを使って送金を疑似的に達成する
最近では、海外用のプリペイドカードも充実しています。日本国内からネットを使って外貨をチャージ可能で、チャージしたお金は現地のATMで出金可能で、また、クレジットカードとしてお買い物にも利用できるという特徴があります。
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取引先への送金といったビジネスライクな利用は難しいですが、留学している子どもへの仕送りや留学費用の送金といった方法であればこうした海外プリカを使った事実上の送金も活用できます。
以下は代表的な海外プリペイドカードです。
マネパカード | キャッシュパスポート | Money T グローバル | |
---|---|---|---|
年会費 | 無料 | 月150円 1年以内に利用で無料 |
無料 |
カード発行手数料 | 無料 | 無料 | 500円 |
取り扱い外貨 | 5通貨 | 7通貨 | 12通貨 |
為替手数料 | 80銭(米ドル) ※0.72%程度 |
基準レートの4.0% | 基準レートの4.0% |
チャージ手数料 | 無料 | 1.0% | 無料 |
※為替レートは1ドル110円程度とした場合の手数料率。円安になるほど有利です。
コストを考えるとマネパカード一択
比較表を見ていただくと圧倒的にマネパカードが強いです。銀行を通さないため、実質的には為替手数料である片道80銭(米ドルの場合)だけで事実上の送金ができてしまいます。
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たとえば1000ドル(10万円)の送金なら必要な費用はわずか800円で済むという事になります。銀行の海外送金だとコスト最安の楽天銀行でも3250円がかかるので、かなり安くつきます。
現地ATMで出金する場合には1回あたり200円程度のATM手数料がかかりますが、小額の資金を日本から送金するというのであればもっとも低コストな手段になると思います。
マネパカードの難点としては、自分名義の口座から出ないとチャージ等ができないということです。ただ、海外にいてもインターネットが利用できれば、オンラインバンキング等を通じてチャージ手続きはできるので自分名義の口座のお金が入っていれば無理なく利用できます。
キャッシュパスポートやMoneyTグローバルは家族送金ができる
比較をしたキャッシュパスポート、MoneyTグローバルについてはコスト的なところからマネパカードには及びません。特に、チャージをするときに為替手数料が4%かかるというのは高いです。
仮に1ドル110円で1000ドルのチャージなら為替手数料だけで4400円も手数料が発生することになるので、すなおに海外送金を利用するほうがコスト的には安くつくことになる場合もあります。
その一方でこの二つのプリペイドカードは家族の口座などからチャージをすることができます。
現地のATMなどからチャージされたお金を出金することができるので、短期の留学や旅行などでお金が必要になったときに臨時送金する手段として残しておくと安心できるかもしれませんね。
まとめ。海外送金を安く済ませる方法
海外送金について、相手が海外の方であるというケースやまとまった金額であれば、基本的には銀行を利用した送金を利用するというのが一般的かと思います。
中でもコスト的には楽天銀行の海外送金が最も安くつくというケースが多く、多額の送金であれば為替手数料の関係でSBI新生銀行を使うのがお勧めです。どちらとも口座開設が必要になります。
例外的に、子どもや自分が海外留学や海外赴任をしているという場合には前もって海外プリカを作って持って行っておけば、日本国内からも簡単な方法で送金できるため、事前にマネパカードを作って取引できるようにしておけば低コストで日本から海外に送金可能です。
以上、海外送金の種類と特徴、手数料が安い方法を比較してみました。
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