多くの方に利用されている銀行の一つに「ゆうちょ銀行(郵便局)」があります。日本でも最大級の預金(貯金)を扱っている金融機関であり、利用されている方もおおいかと思います。
そのゆうちょ銀行における預金(貯金)商品の代表が「定額貯金(ていがくちょきん)」と「定期貯金(ていきちょきん)」です。どちらも長期間預けることで通常貯金よりも高い金利が期待できる預金商品となっています。
今回はこの2つの貯金商品の特徴と、それぞれにどのような特徴があるのかをまとめていきます。
ゆうちょ銀行での貯金に関するおさらい
まず、ゆうちょ銀行(郵便局)で扱う商品は○○貯金となっています。一般的な銀行では○○預金とかかれますが、郵便局時代の流れで、現在でも貯金という名称で呼ばれていますが、しくみは預金と同じです。
またゆうちょ銀行では、通常貯金で1300万円、定期貯金・定額貯金で1300万円までしかお金を預かることができません(2019年4月以降)。一般銀行では預金額に上限はありませんが、ゆうちょ銀行ではこの額を超えて貯金することはできないようになっています。
ちなみに、普通の銀行と同様に1000万円までの貯金(預金)はゆうちょ銀行が仮に破綻した場合でも保護されるようになっているのでご安心ください。
ゆうちょ銀行の定額貯金と定期貯金の比較
まずはざっくりと両者のサービスの特徴を比較します・。
| 項目 | 定額貯金 | 定期貯金 |
|---|---|---|
| 最大の特徴 | 6ヶ月経てばいつでも解約可 最長10年間預入可能 | 期間を決めて預ける (原則中途解約不可※) |
| 拘束期間 | 6ヶ月間(その後は自由) | 指定期間(1ヶ月~5年) |
| 金利タイプ | 半年複利(利子が利子を生む) | 単利(3年未満) 半年複利(3年以上) |
| 適用金利 | 預入時の金利が最長10年適用 (段階的に金利が上がるケースもあり) | 預入時の金利が満期まで固定 |
| 預入単位 | 1,000円、5,000円、1万円などの「口数」単位 | 1,000円以上、1円単位 |
| 解約ペナルティ | なし(6ヶ月経過後) | あり(中途解約利率が適用される) |
| 向いている人 | 金利上昇に備えたい人 使う予定が未定の資金 | 3年・5年など使う時期が確定している資金 |
定額貯金とは何か?
定額貯金(ていがくちょきん)はゆうちょ銀行(郵便局)における主力貯金商品です。最大の特徴は、預け入れ後「6ヵ月」が経過すると「いつでもどこでも払い戻しができる」と言う点です。
最長満期は10年間となっていますが、半年をすぎれば窓口で手続きする必要はありますが、普通の通常貯金(普通預金)と同様にすぐに引き出すことが出来ます。
適用される金利は3年目までは半年が経過するごとに上昇します。それ以後は同様の金利が適用されることになります。
定期貯金と比較した長所
・最長10年まで貯金できる(定期貯金は5年まで)
・半年経過後はいつでもペナルティなしに解約できる(流動性が高い)
定期貯金とは何か?
定期貯金(ていきちょきん)は、一般銀行における「定期預金」とほぼ同じ性質の貯金です。1000円以上1000円単位で預金することが出来ます。満期は1カ月、3カ月、6カ月、1年、2年、3年、4年または5年として設定を行なうことができ、満期前に解約することは出来ません(解約する場合は中途解約利率が適用される)。
金利は満期期間ごとに定められており、一般的には満期までの期間が長くなるほど適用される金利は高くなります。運用性を求めるのであれば満期が長期の定期貯金を選ぶと良いですが、その長い期間資金が拘束されることになります。
定額貯金と比較した長所
・同じ期間の貯金なら定期貯金のほうが金利が高い
定期貯金と定額貯金はどちらがお得か?
それぞれの貯金の強みから考えることが出来ます。
5年以内の範囲で確実に預けておける資金というのであれば、その期間の定期貯金のほうが有利です。一方で、半年さえ経過すればいつでもペナルティなしに解約できるという定額貯金は期間が明確でない資金にとって有利と言えるでしょう。
一方で、ここまで長々と書いてきましたが、定期貯金と定額貯金の選び方については、現在の低金利状況ではどちらを選んでもさほど差はないというのが現状です。
実際の商品性としては定額貯金はかなり魅力的だと思います。一定期間をすぎればペナルティなしにいつでも解約できる流動性を持つというのはかなり強いです。
実際、1990年くらいまでの定額貯金であれば預けていれば10年後の満期には二倍以上に増えていたというようなケースもあるわけで有利な金融商品です。
金融リテラシーの高い方に定額貯金をおすすめする理由は、「金利の後出しジャンケン」ができる点です。過去長い間、日本の預金金利はずっと低い水準で安定していましたが、近年は利上げが続いています。
金利上昇局面においては、半年ごとに利子が元本に組み込まれ、その増えた元本に対して次の利子がつくため、長期間預けるほど雪だるま式に増えます。定期貯金(特に3年未満)の「単利」よりも効率が良いです。
また、定額貯金は6ヶ月経てばペナルティなしで解約できます。もし預入後にゆうちょ銀行が金利を上げた場合、即座に解約して新しい高い金利で預け直すことが可能です。
超短期を除けば、商品性としては基本的に「定額貯金」の方をおすすめいたします。
ゆうちょ銀行の金利とネット銀行の金利比較
ゆうちょ銀行の定額貯金の金利は以下の通りです(2025年12月)。過去と比べるとだいぶ上がってきましたね。
| 預入期間 | 金利(税引前・年利) |
|---|---|
| 6ヶ月以上 3年未満 | 0.230% 〜 0.290% |
| 3年以上 | 0.320% |
ただし、最近ではネットバンク・ネット銀行のほうが圧倒的に高い金利を付与しているので運用性をみれば圧倒的にネットバンクがお得です。
| 銀行名 | 1年もの定期金利 | キャンペーン | 詳細 |
|---|---|---|---|
| 楽天銀行 | 1.00% | 冬のボーナスCP | 2026年1月末までの限定 |
| 住信SBIネット銀行 | 0.80% | 特別金利CP | 2026年2月8日まで |
| PayPay銀行 | 0.275% | 通常金利 | 3年定期は0.35%、10年定期は0.50% |
| ゆうちょ銀行 (定額貯金) | 0.230% (1年経過時) | 常時 | 3年以上持つと0.320%になる複利商品 |
また、銀行やゆうちょ銀行(郵便局)における預貯金商品についてもっと詳しく知りたい方は「銀行預金の種類と特徴」もぜひご一読ください。銀行や郵便局(ゆうちょ銀行)などが扱っている預金商品の特徴や強み、弱みなどがまとめられています。
以上、ゆうちょ銀行「定額貯金」と「定期貯金」の違いと選ぶべきポイントについてまとめました。
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