楽ラップ、マネラップ(MSV LIFE)、WealthNaviといったように、ロボットアドバイザーを活用した自動投資サービス・ファンドラップがいろいろ登場しています。こうしたサービスの特徴は投資資金を預けておくことで、国際分散投資を行って資産配分を最適化することができる運用方法です。
その一方で昔から存在する金融商品にバランスファンド(バランス型投資信託)というものがあります。これはファンドの運用について国内株や債券、不動産(REIT)などの複数のアセットクラスに資産を配分する投資信託です。
この二つ投資の特徴としてはかなり似通っていると思いませんか?最近はロボアド投資(ファンドラップ)が注目を集めていますが、古典的なバランスファンドと比較したときにどのような特徴があるのか?どちらが優れているのでしょうか?
ロボアド投資(ファンドラップ)とバランスファンドの違い
ロボットアドバイザー(ロボアド)はリスクとリターンを分析し、最適なアセットアロケーション(資産配分)の構築とその維持を行ってくれるサービスとなっています。
投資家のリスクレベル(とってもよいとかんがえるリスクの大きさ)に合わせて、最適なポートフォリオを提案してくれるという投資サービスです。近年ではこのロボアド+ファンドラップ(ラップ口座)を組み合わせることによって投資を完全に任せてしまうという投資サービスが増えています。
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ただ、あえて、ロボアド+ファンドラップという手法を使わなくても、冒頭で説明したインデックスファンドにバランス投資をするようなファンドが存在しています。
コストを比較するとインデックスファンドの方がお得
たとえば低コストインデックスファンドとして代表的なiFreeシリーズからは「iFree 8資産バランス(信託報酬:0.23%)」、同じく<購入・換金手数料なし>シリーズからは「<購入・換金手数料なし>ニッセイ・インデックスバランスファンド4資産均等型(信託報酬:0.34%)などがあります。
これらは複数のアセットクラス(国内株、先進国株、新興国株、国内債、先進国債、新興国債、不動産(REIT)、金など)に最初から分散投資をしているファンドです。リバランス等も自動で行ってくれるわけで、ロボアド投資(ファンドラップ投資)と何が違うのだろうか?という疑問をお持ちの方も多いかと思います。
実際にロボアド投資のサービスを提供しているWealthNaviとiFree8資産バランスファンドに必要なコストを比較しましょう。
WealthNavi | iFree 8資産バランス | |
---|---|---|
販売手数料(売買手数料) | 無料 | 無料 |
信託報酬(投信運用経費) | ETFによって異なるが年率0.11~0.14% | 0.23% |
ファンドラップ手数料 | 年1%が必要 | 無料 |
合計金額 | 年1.11~1.14% | 年0.23% |
年率にすると年間で0.9%ほどの差が出ることになります。となると、WealthNaviとしてはiFree8資産バランスよりもその分だけ高い超過収益がないと収益性で勝てないということになりますね。
今回は比較的コストが安いWealthNaviを使っていますが、野村ファンドラップのような大手総合証券系のサービスだとさらに差は大きくなります。
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ロボアドの強みはそのアセットアロケーション決定のロジック部分
実際にロボアド投資(ファンドラップ投資)とバランス型インデックスファンドへの直接投資の違いについて考えてみましょう。
最も大きな違いは、アセットアロケーション(資産配分)を決定するロジック部分になります。
上記のiFree8資産バランスや<購入・換金手数料なし>ニッセイ・インデックスバランスファンド4資産均等型などのインデックスバランスファンドは基本的に対象となるアセットクラスに対して均等配分しています。
iFree8資産バランス
国内株式、先進国株式、新興国株式、国内債券、先進国債券、新興国債券、国内リート、海外リート
ニッセイ・インデックスバランスファンド4資産均等型
国内株式、海外株式、国内債券、海外債券
それぞれ上記の資産に対して8資産バランスなら12.5%ずつ、4資産均等型は25%ずつを投資するというスタイルになっているわけです。
一方でロボアド投資の場合はこのように定率の配分を行うわけではありません。
投資家のリスクレベルに沿ったポートフォリオが構築できる
資産運用をするといっても、その目的も資金の性質も投資家によってさまざまです。
比較的リスクをとってもOKという人もいれば、この資金は数年後に使う予定がある資金なので安全に運用したいという人もいるはずです。
ロボアド投資はこうした、その人それぞれのリスクに合わせた運用が可能だという点に強みがあります。
たとえば、WealthNaviの場合、リスク許容度を1~5段階を選ぶことでき、それぞれの人に合った運用が可能です。
最新の市場の動向から常にアセットアロケーション(資産配分)の見直しが行われる
ロボットアドバイザーは、資産配分を常に最新の市場動向のデータを収集しており、それを運用にも反映しています。最適なアセットアロケーションというのは過去の相場の動向から作られるものですので、古いデータは参考にならないケースがあります。
ロボットアドバイザー(ロボアド)は常に最新のデータを取り入れて最適な資産配分を行ってくれるようになっているという点も大きな強みといえそうです。
だからといって超過収益が生じるというわけではない
一方でこのようなロジックがあるから、必ずしもバランス型インデックスファンドよりも高い成績を残すことができるというわけではありません。
特にリスク許容度(リスクレベル)を低く設定しているケースは当然ですが期待リターン(予想される収益性)も小さくなります。そうなってくると、ロボアド投資(ファンドラップ)にかかる年間管理費のようなコストが重荷になってきます。
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上の記事でも書いていますが、資産運用においてコスト(特に継続的に発生するコスト)はできる限り引き下げていくのが投資において超重要です。
このコストは期待リターン(予想収益率)に対しての比率によってさらに大きく影響します。
たとえば、期待リターンが6%の時の手数料1%(16.7%)と期待リターンが2%の時の手数料1%(50%)とでは手数料の負担割合が大きく変わることになりますね。
ロボアドのコスト構造はローリスク運用をするときによりデメリットが表面化してくることになります。
ロボアド投資(ファンドラップ)が向いている人
まとめると、ロボアド投資(ファンドラップ)を利用する場合は、基本的にはハイリスク運用をしたいというケースに限られるといえそうです。
低リスク運用をしたいというのであれば、どれだけ運用コストを下げられるかより重要になってくるので、投資顧問料などの維持コストがかかるファンドラップはおすすめできません。
一方で、大きなリターンを狙いながらリスクをある程度管理したいというケースにおいてはロボアドのようなポートフォリオを最適化してくれるというメリットは大きいように思われます。もちろん、管理費はかかりますが、リスク運用においてはロボアドによる分散投資の効果が期待されると私は考えています。
現在投資ができるロボアド投資については下記の記事をご参照いただければと思います。
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以上、ロボアド投資(ファンドラップ)とバランスファンド投資の違いとそれぞれのメリット、デメリットについて比較してみました。
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