飲食店の出前を外注できるUber Eats(ウーバーイーツ)。Uber Eatsの大きな配達カバンを背負った人を見かけない日はないくらいになっていますね。この配達をしている人はUber Eatsの配達パートナーです。
随時募集をしており、応募・講習をうけることで配達パートナーとなることができます。仕事を受託するごと(配達するごと)に報酬をもらうことができ、いつでも自分の好きなタイミングで働くことができます。
今回はそんなUber Eatsの配達パートナーとして働くメリットとデメリット・注意点を紹介していきます。
Uber Eatsの配達パートナーはアルバイトではない
まず、最初に理解しておかなければならないことは、Uber Eatsの配達パートナーとなるのは「アルバイト(社員)」として働くという仕組みではありません。
Uber Eatsと配達パートナーは業務委託の関係にあり、配達の仕事を委託(受託)したという関係になります。
個人事業主としてUber Eatsから仕事の受託を受けているという形になるわけです。そのため、Uber Eatsから支払われるのは給料ではなく報酬となります。
Uber Eatsの配達パートナーとして働く時の注意点
まずは、悪い話からしていきましょう。Uber Eatsの配達パートナーとして働くのは会社員やアルバイトとして働く時とは大きな違いがあります。
- 事故を起こして相手に対してケガを負わせたり、物を壊してしまった(賠償責任)
- 配達中に転倒してケガをしてしまった
- 給与所得控除が使えず確定申告が必要。特に学生のバイト代わりの利用は注意
この3点が大きいです。
事故を起こして相手に対してケガを負わせたり、物を壊してしまった(賠償責任)
Uber Eatsの配達パートナーとして配達中に第三者に対してケガをさせてしまった場合はどうでしょうか?
普通の会社員やアルバイトとして働く場合、業務中に起こした事故の責任は故意や重過失でない場合、原則として使用者(会社)にあります。
一方で、Uber Eatsの配達パートナーはUber Eatsから仕事を受託しているわけです。
そのため、配達中に起こした事故の責任は配達パートナーに生じます。
事故を起こして相手に損害を与えた場合、その賠償責任が生じることになります。
賠償責任に対しては火災保険や自動車保険などで個人賠償責任保険という保険に加入している方が多いです(存在は知らなくても、何らかの保険で勝手に加入していることも多い)。
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プライベートの時間中ならこの保険で十分というケースも多いのですが、Uber Eatsの配達パートナーとして働いている時間は「業務時間」となります。個人賠償責任保険は「日常」が対象で、仕事中は日常に含まれません。
そのため、Uber Eatsの配達パートナーとして働いている時間に事故などで相手にケガをさせたり、ものを壊した場合には個人賠償責任保険を使うことはできません。
ただ、配達中に関してはUber Eats側が自転車保険を用意しております。
本保険は Uber が日本国内の保険会社と契約を結んでいる対人賠償・対物賠償保険(上限 1 億円)となり、自転車・原付バイク・軽自動車を利用する Uber Eats 配達パートナーが、配達リクエストを受けた時点から配達が完了するまでの間に生じた事故に対して適用されます。本保険に関する事前申し込みや、追加料金のお支払いは必要ありません。
そのため、配達中に関してはUber Eats側の保険で一定範囲の補償ができることになりますので、安心できます。
配達中に転倒してケガをしてしまった
Uber Eats配達パートナーは個人事業主として業務委託の形で働きます。
アルバイトとして働く時の大きな違いは、「雇用保険や労災保険といった労働保険、社会保険に入れない」ということです。特に労災保険に加入できないというのは、「宅配・配達」がメインの業務となるUber Eatsの配達パートナーにとってはリスクが大きくなります。
Uber Eatsの配達パートナーは自転車やバイクなどで食べ物を配達します。ただ、この配達時に転倒するなどしてケガをしたときは少し大変です。
たとえば、サラリーマンをしながら副業としてUber Eatsの配達パートナーをしているとしましょう。そして、Uber Eatsで配達中に転んでしまってケガをして病院で治療を受けることになったとします。
ケガの治療で通院が必要になる時、健康保険(保険証)を出して治療を受けるのが一般的です。一方で、仕事中のケガなら労災保険を使って治療を受けます。業務中のケガの場合、健康保険を使った治療はできないことになっています。
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じゃあ、Uber Eatsの配達中はどうなるのでしょうか?仕事中だから労災保険でしょうか?
いいえ、Uber Eatsの配達パートナーとして配達中に事故にあった場合は“どちらの健康保険も使えない”ということになります。
業務中の事故なので健康保険はつかえません。一方の労災保険は、労災保険に加入している会社の業務中のケガで利用できます。Uber Eatsの配達パートナーとして働いている時間は、どちらの保険からもスッポリと抜け落ちているわけです。
会社員向けの健康保険(社会保険)や労災保険の枠組みが作られた、考えられた時間中はUber Eatsの配達パートナーのような会社員をしながら個人事業主として働くことがあまり想定されていなかったのでしょう。
なので、Uber Eatsの配達パートナーとして働く場合、万が一の事故に備えて傷害保険などのケガの保険に加入して事故に備えておくことが必要になります。
給与所得控除が使えず確定申告が必要。特に学生のバイト代わりの利用は注意
最後の注意点は税金がらみとなります。
Uber Eatsの配達パートナーの受け取る報酬は給与ではありません。収入があった場合、確定申告が必要となります。
サラリーマンなどが副業として行う場合は年20万円以下なら申告不要制度がありますが、それ以上の収入があれば確定申告が必要になります。
特に注意をしたいのは大学生や短大生、専門学校生などの学生がバイト気分でUberEatsをやることです。やること自体は悪くありませんが、年間で38万円以上の所得(Uber Eatsからの報酬-必要経費)を得た場合、確定申告が必要となるだけでなく、ご両親の税法上の扶養から外れてしまいます。
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103万円じゃないの?
という疑問もあるかもしれませんが、103万円は学生バイトの場合です。アルバイト(給与所得)は給与所得控除(必要経費)が認められますが、Uber Eatsのような報酬形態の場合は、実際に払った必要経費しか認められません。
Uber Eatsの場合、多額の必要経費が発生する可能性は低いので、扶養に入っている学生の方はUber Eatsでの稼ぎすぎにご注意ください。
Uber Eatsの配達パートナーとして働くメリット
最初に注意点、デメリットを紹介しましたが、Uber Eatsの配達パートナーとして働くのはメリットも大きいです。前述のデメリット部分はUber Eats側の保険や、こちらで傷害保険等に加入することで対処可能です。
一方で、Uber Eatsの配達パートナーとして働くメリットはやはり“時間の自由度が高い”という事が挙げられます。
自分の好きな時間の隙間時間に働ける
全く利用しない(配達をしない)とパートナー契約を打ち切られる可能性もありますが、ノルマがあるわけではありません。働く時間は自分が自由に決めることができます。ちょっと暇ができたので1時間、2時間くらい配達しようか(あるいは1件だけ配達しようか)。といった感覚で働くことができます。
空いた時間(隙間時間)を有効に使うことができるというのは、大変魅力的です。
特に、プライベートを大切にしたいという方は、アルバイトでシフトに入ってしまうと自分の予定がアルバイトによってきめられてしまう部分も大きくなります。
Uber Eatsのように、働きたいときだけ働くという選択であれば、プライベートを重視しつつ、空いた時間だけ働くということができます。
Uber Eatsの配達パートナーになるには?
登録無料でUber Eatsの配達パートナーとなることができます。パソコンやスマホからオンライン申し込みをすることで手続き完了です。
自転車で宅配する場合は「身分証明書」「証明写真」があればOKです。スマホの場合、スマホカメラで撮影してアップロードすればOKです。
原付・バイクで配達をする場合、自転車の場合に加えて「自賠責保険証書の写真」「ナンバープレートの写真」も必要になります。
手続き後に、簡単な講習を受けたらUber Eatsのバッグがもらえて配達を始めることができるようになります。
それ以降は講習でも説明がありますが、アプリを使って仕事を引き受けることができるようになります。
まとめ、Uber Eatsという働き方
最初の方でも紹介したように、事故や保険の問題もありますが、Uber Eatsはパートナーとして、自分の好きな時間に好きなだけ働くことができます。
自分の体調や予定に合わせて、ちょっとしたお小遣い稼ぎをするのもいいですし、Uber Eatsの配達パートナーとしてガッツリと稼ぐ収を目指して働くというやり方もあるでしょう。
以上、Uber Eatsのメリット、デメリットについて紹介しました。
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