共働きの夫婦・家庭の割合はすでに専業主婦世帯を大幅に超えて約2倍という比率になっています。そうした共働き世帯はいわゆるダブルインカム(二重の収入)となりますが、その収入をめぐってのお金の管理(家計管理)は難しくなります。
今回はそんな共働き夫婦・世帯における効率的なお金の管理方法やトラブルを起こさないためのリスク管理も紹介していきます。
共働きの割合は平成9年以降で完全に逆転
夫婦の働く形というのは専業主婦……というのは昔の話です。内閣府による「男女共同参画社会の形成の状況」では、毎年夫婦の働き方についての統計が取られています。
- 男性雇用者と無業の妻からなる世帯(いわゆる専業主婦世帯)
- 雇用者の共働き世帯
と分類したとき、昭和55年は専業主婦世帯1114万世帯に対して共働き世帯は614万世帯でしたが、平成4年に逆転し揉み合いますが、平成9年以降は完全に逆転して平成26年は専業主婦世帯720万世帯に対して共働き世帯は1077万世帯と昭和55年と真逆の構図になっています。
なお、平成26年データでは専業主婦世帯は40.1%、共働き世帯は59.9%という結果になります。
こうした理由は様々ですが、やはり収入の問題が大きいと考えられます。
日本はバブル崩壊以降は不況やデフレに苦しみ、給与所得が増加せず、社会保険料負担などが増加したことで手取り収入が伸びません。夫一人の収入で家族全体を養うというのが難しい状況になっているわけですね。
共働き家庭のお金の4つの管理方法とメリット、デメリット
専業主婦世帯の場合はお金の入り口が一つなので、管理がしやすいです。一方で共働きの場合は収入が二口になるうえ、稼いでいるのは夫婦それぞれとなるので、管理の問題や、どう使うかについて意見がぶつかってしまうこともよくあります。
まずは、共働き家庭におけるお金の管理方法とそれぞれのメリット、デメリット、トラブルになりやすい項目を紹介していきます。
費用ごとに分担を決めて支払いを分ける管理方法
共働き夫婦や同棲カップルなどにも多いのがこのパターン。家賃は男性、食費は女性、光熱費は男性、通信費は女性といったように費用の項目ごとに支払いを分けていくといったものです。
相手の収入のことを「知る必要がない」というところがメリットになります。
問題点としては、世帯全体の収入を把握するのが難しくなるというのと、自分が負担するコストに対して相手の使用状況が気になってケンカなどのトラブルになりやすいということが挙げられます。
家計管理のコツは何と言っても状況を正しく把握すること。パートナー、家庭全体の収入がわからないというのでは何から手をつけるべきかわからなくなります。
また、喧嘩という部分は、たとえば電気代を男性が払うというケースで女性が電気の無駄遣いをしているときになどに起こりやすいです。一方が負担しているため、無駄にされると怒りがフツフツと湧いてきてしまうわけです。もちろん、無駄遣いはよくありませんが、俺が負担している電気代を無駄に使いやがって!とお互いの収入で払っている場合よりもケンカになりやすいです。
片方の収入で賄って、もう片方の収入は全部貯金する
夫または妻の収入のどちらかで生活費をすべて賄って、もう片方の収入は全額を貯金していくというような家計管理方法です。
Wワークで片方分の収入を貯金していけるので、貯金をする上では強みのある管理方法です。
ただ、片方の貯金がたまっていく形になるので、その貯金状況をオープンにしていかないと夫婦間のトラブルになることもあります。
また、近々に片方が仕事をやめる予定があるというのであれば、退職後の貯金がしくくなる可能性もあります。
生活費の口座は共同管理できる口座を作りお互いに振り込む
まず、日常の生活費についてはそれぞれの収入の内、一定の金額を話し合って決めて生活費用の口座に振り込みをするようにしましょう。金額については夫婦間で話し合って決めてよいと思います。
給与振り込みの口座とは別にしておいた方が良いです。最近の銀行はネット銀行を中心にとして自動振り込みや自動入金といったサービスもあるのでこうしたものを活用すれば、銀行間でお金を移動させるというのはさほど面倒もなく、手数料などのコストもかからないはずです。
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こうして生活費を一定の範囲に制限することで、出費を抑えることができるはずです。
夫が生活費だけを渡して妻が管理する
夫が高収入の共働き家庭に多いです。50万円の手取りがあるとして20万円は生活費として奥さんに渡しておいて、生活費に関してはまるっと丸投げしてしまうというケースです。
このタイプの問題は丸投げする側(この場合は夫)の収入や支出が見えなくなるということです。
夫側としては生活費は渡している、あとはどう使おうと自分に勝手だ(あるいは、自分がしっかりと管理している)という主張をするかもしれません。
一方で夫の経済状況が妻にはわからないというのは、妻にとってはストレスです。また、丸投げをする夫側の節約意識が生まれにくいというのも問題です。
そのうえで、お金が必要になった時に「妻が貯めていると思った……」「夫が貯めていると思った……」といった形で問題が露呈することがよくあります。
DINKSに多いお金の使いすぎに注意
DINKSは少し古い表現ですが、Double Income No KidS(頭文字でDINKS)で子どものいない共働き夫婦のことを指します。
それぞれが正社員としてそれなり以上の収入があると夫婦お互いがそれぞれで自由にお金を使えるため節約や貯蓄についての意識に向かいにくいという特徴があります。
このあたりは「パーキンソンの法則」としても知られるように、「収入が多い=支出もそれに合わせて増える」といった形で結果的にお金が貯まらないという事も考えられます。余裕があるからこそ、将来を考えて強制的に貯金ができるような仕組みを作っておくとよいでしょう。
合算した収入が多い場合こそ、夫婦それぞれの収入をオープンにして、貯蓄や将来のことについて話し合うことが重要です。
共働きの夫婦における貯金管理方法
一方で貯金や運用(投資)については夫婦で共有してもよいですし、別々にやっていってもよいでしょう。
ただし、こちらも生活費用の口座と同じように給料振込口座から「先取り」して入金するようにしておきましょう。
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こうしておくことで、毎月決まった金額を確実に貯金していくことができるはずです。
運用は税制上の優遇などを活用しよう
さらに、余裕があるなら運用も考えておきましょう。2017年現在、NISA(小額投資非課税制度)や個人型確定拠出年金(iDeCo)といったように税制上の優遇を利用した運用の方法もあります。
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また、ふるさと納税のような寄付を利用して得をできる制度もあります。
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以上、共働き夫婦、DINKS夫婦のお金の管理と分担方法について紹介しました。
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