イデコ(個人型確定拠出年金)を始めるにあたっては、基礎年金番号が必要になるなど、一般的な証券口座の開設とは少し手続きが異なります。

以前は、第2号被保険者(会社員や公務員など)の場合、口座開設の際に勤務先から「事業主の証明書」を取得する必要がありました。この手続きがハードルとなり、iDeCoの開始をためらっていた方も多いのではないでしょうか。

しかし、2024年12月の法改正により、この事業主証明書は原則として廃止されました。これにより、会社員や公務員がiDeCoを始めるハードルは大きく下がっています。

今回は、最新の法改正を踏まえたイデコの口座開設の方法や注意点について詳しく紹介します。

2024年12月法改正でiDeCoの口座開設ハードルが低下

事業主の証明書が原則不要に

2024年12月1日の法改正により、会社員や公務員がiDeCoに加入する際の「事業主の証明書」が原則廃止されました。これにより、勤務先に書類の記入を依頼する手間が省けました(※給与天引きを選択する場合を除く)。この改正もあり、加入者は前年同月比2倍の約7.2万人に急増しています。

掛金拠出限度額の引き上げ

確定給付企業年金(DB)などに加入している会社員・公務員の掛金拠出限度額が「月額1.2万円から月額2万円」へ引き上げられました。

イデコ(iDeCo)の口座開設の方法

イデコの口座開設の手続きにおいて必要な項目や進め方をまとめていきます。

まずは証券会社(または銀行)に口座開設の手続きをしましょう。運用コストなどを考慮すると「楽天証券」「SBI証券」などのネット証券がおすすめです。

口座開設において必要になる主なものは以下の通りです。

  • 本人確認書類(運転免許証など)
  • マイナンバー(個人番号カード、または通知カードなど)
  • 基礎年金番号がわかるもの

以前は郵送手続きが中心でしたが、現在は楽天証券やりそな銀行など、多くの金融機関で「Web完結」での申し込みが可能になっています。

基礎年金番号の調べ方

口座開設に必要な「基礎年金番号」は、以下の方法で確認することができます。

  • 基礎年金番号通知書(2022年4月以降に新規加入した方に交付)
  • 年金手帳(2022年4月に廃止されましたが、すでにお持ちの青色やオレンジ色の手帳は引き続き有効です)
  • ねんきんネット(オンライン照会)
  • マイナポータル(2024年10月から確認可能)
  • ねんきん定期便

事業主証明書が必要になるケース(個人払込と事業主払込)

原則不要になった事業主証明書ですが、「掛金の引き落とし方法」によっては現在でも必要になります。

個人払込:加入者本人の銀行口座から引き落とす方法(証明書:不要)
事業主払込:給与天引きで、事業主がまとめて納付する方法(証明書:必要)

項目 個人払込 事業主払込
引き落とし元 本人の銀行口座 給与天引き(事業主口座)
会社への証明書 不要 事業主払込に関する証明書が必要
税控除の処理 年末調整または確定申告 給与計算で自動反映(年末調整)
払い忘れリスク 口座残高不足の可能性あり なし
会社の事務負担 少ない 多い(掛金集計・納付が必要)

個人払込を選択しても、年末調整(または確定申告)で申告を行えばしっかりと税金控除を受けられます。会社に手間をかけずにスムーズにiDeCoを始めたい場合は「個人払込」を選択しましょう。

どうしても会社に協力してもらえない・知られたくない場合

もし非課税での運用はしたいけれど、会社にiDeCoの加入について絶対に知られたくない、あるいは手続きを頼めないという場合は、NISAを検討するのも一つの方法です。

NISAは会社の承認などは一切不要ですので、会社に知られることなく投資をすることができます。

会社側:従業員からiDeCo加入を頼まれたら?

小さな会社の社長や経理・総務担当者の方が、従業員から「事業主払込でiDeCoに加入したい」と頼まれた場合の手続きは以下の通りです。

  1. 国民年金基金連合会に事業所登録をする(初回のみ)
  2. 従業員が提出する事業主証明書に必要事項を記入する
  3. 加入者が事業主払込を依頼する場合は源泉徴収し掛金の納付を行う
  4. 年末調整を依頼された場合は対応する

※以前は年1回の現況確認(資格確認)という手続きがありましたが、2024年12月の改正で廃止されました。

一番手間がかかるのは、給与天引きによる事業主払込です。従業員数が少ない場合は事務負担になるため、従業員の方に「個人払込」を選択してもらうよう案内するのも有効です。個人払込であっても、税金の調整は年末調整で対応可能です。

知っておきたいiDeCoの最新制度

最後に、iDeCoのその他の重要な制度変更についても触れておきます。

加入可能年齢の拡大(2022年改正)

2022年5月の法改正により、iDeCoの加入可能年齢が「60歳未満」から「65歳未満」へと拡大されました。シニア世代の方でも、条件を満たせば非課税メリットを活かした資産形成が可能です。

拠出限度額のさらなる引き上げ予定(2027年)

2027年1月からは、企業年金のない会社員など多くの区分で掛金上限がさらに引き上げられる予定です(例:企業年金なしの会社員は月額6.2万円まで拡大予定)。将来の投資計画を立てる上で、ぜひ知っておきたいポイントです。

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ふかちゃん
マネーライフハック編集長。証券会社で個人向け金融サービスに従事した経験をもとに、2004年より金融・投資・クレジットカード・節約・ポイント活用に関する情報を発信しています。2011年からMoneyLifehackを運営し、2018年3月には月間200万PVを達成。金融サービスの提供側ではなく、利用者目線で実際に使って検証した一次情報をもとに、家計改善に役立つ情報を分かりやすくお届けしています。
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