投資信託の選び方みんなが買っている商品は安心。そう感じるのは自然なことです。家電や日用品なら売れ筋ランキングが参考になる場面も多いでしょう。

しかし、投資信託の売れ筋ランキングは、そのまま信用してはいけません。とくに銀行や対面証券の窓口ランキングは、投資家にとって最適な商品ではなく、販売会社が売りやすい商品や手数料収入を得やすい商品が上位に並ぶことがあります。

新NISAの普及で低コストインデックスファンドが広がったとはいえ、販売チャネルによってランキングの中身は大きく違います。大切なのは「人気かどうか」ではなく、自分にとって低コストで長期保有しやすい投資信託かどうかです。

この記事の結論

  • 投資信託の売れ筋ランキングは、販売会社の販売結果にすぎない
  • 銀行や対面証券のランキングには、高コストファンドが残りやすい
  • ランキング上位でも、購入時手数料や信託報酬が高い商品は避けたい
  • 新NISAでは低コストのインデックスファンドをネット証券で選ぶのが基本
  • ファンド選びでは「人気」よりも「コスト・中身・継続しやすさ」を見る

投資信託の売れ筋ランキングとは?

投資信託の売れ筋ランキングは、販売額、販売件数、純資産総額、資金流入額などをもとに作られます。つまり、その銀行や証券会社で「よく売れた投資信託」を並べたものです。

ネット証券のランキングでは、eMAXIS Slimシリーズや楽天・プラスシリーズなどの低コストインデックスファンドが上位に入りやすくなっています。一方で、銀行や対面証券の窓口ランキングでは、現在でも購入時手数料や信託報酬が高めの商品が上位に残ることがあります。

ランキング上位=良い投資信託、ではありません。
ランキングは「売れた結果」を示すだけで、あなたに合っているか、低コストか、長期投資に向いているかまでは保証してくれません。

売れ筋ランキングを信じすぎてはいけない理由

投資信託ランキングが危険なのは、金融機関の販売方針が反映されやすいからです。とくに対面窓口では、担当者が説明しやすい商品、販売会社に手数料が入りやすい商品、キャンペーン対象の商品が売れ筋になりやすい構造があります。

金融庁も過去に、金融機関の販売姿勢や顧客本位の業務運営について問題提起をしてきました。表面的には改善が進んでいますが、販売会社が手数料収入で成り立っているという構造自体は変わっていません。

日本の投資信託の99%以上は投資する価値なし?2017年4月7日に日本の金融庁長官である森信親さんが、日本証券アナリスト協会のセミナーという業界関係者が集まっている中での基調講演で「...

ランキングを見るときの注意点

  • 販売会社がどこか
  • ランキングの基準が販売額なのか、純資産額なのか、資金流入額なのか
  • 購入時手数料がかかるか
  • 信託報酬が同種の低コストファンドより高くないか
  • 新NISAで長期保有しやすい商品か

対面窓口とネット証券ではランキングの意味が違う

同じ「売れ筋ランキング」でも、ネット証券と対面窓口では意味合いが異なります。ネット証券では投資家自身が検索・比較して低コスト商品を選ぶ傾向が強いため、低コストのインデックスファンドが上位に入りやすくなります。

一方で、銀行や対面証券では、担当者による提案や窓口での説明が販売に影響します。その結果、投資家にとってベストとは言い切れない商品がランキング上位に入ることがあります。

販売チャネル ランキングの特徴 注意点
ネット証券 低コストインデックスファンドが上位に入りやすい テーマ型や流行商品も混じるため中身の確認は必要
銀行・対面証券 窓口で販売しやすい商品が上位に入りやすい 購入時手数料や信託報酬が高い商品に注意

高コストファンドは長期投資の足を引っ張る

投資信託でとくに注意したいのがコストです。購入時手数料は投資開始時点で資産を減らしますし、信託報酬は保有している間ずっと差し引かれます。

たとえば、同じ日経平均株価に連動する投資信託でも、窓口で販売される古いファンドと、ネット証券で買える低コストファンドでは、購入時手数料や信託報酬に大きな差が出ることがあります。

比較項目 高コストな窓口販売ファンド 低コストなネット証券ファンド
購入時手数料 かかる場合がある 無料が一般的
信託報酬 年0.5%超の商品もある 年0.1%台以下の商品も多い
投資対象 同じ指数に連動することもある 同じ指数に連動することもある
長期投資への影響 コスト差が積み重なりやすい コストを抑えやすい

同じ指数に連動するなら、基本的には低コストな方が有利です。ランキング上位だからという理由だけで高コスト商品を選ぶ必要はありません。

高コストファンドと低コストファンドの比較については、以下の記事でも詳しく解説しています。

アクティブファンドはインデックスファンドに収益性で勝てない事実と理由日経平均株価やTOPIX、S&P500といったような株価指数に連動するように作られているファンドをインデックスファンド(パッシブ...

銀行窓口で投資信託を買う際の注意点はこちらも参考になります。

銀行や証券会社の窓口で投資相談してはいけない理由|新NISA時代の自己防衛策銀行や証券会社の窓口で投資・資産運用・保険の相談を気軽にするのは危険です。販売手数料や信託報酬が高い商品を勧められやすい構造、新NISAで確認すべきポイント、ネット証券で低コストに運用する方法を解説します。...

投資信託ランキングを見るならここを確認する

ランキングを見ること自体が悪いわけではありません。大切なのは、ランキングを入口にして、必ず中身を確認することです。

ランキング上位ファンドの確認ポイント

  • 購入時手数料は無料か
  • 信託報酬は同じ投資対象の最安水準と比べて高くないか
  • 投資対象はシンプルで分かりやすいか
  • 毎月分配型や複雑なテーマ型ではないか
  • 新NISAで長期保有しやすいか
  • 純資産額が少なすぎないか
  • 実質コストが信託報酬から大きく乖離していないか

ネット証券なら低コスト順に探せる

ネット証券では、投資信託を信託報酬の安い順、純資産額の大きい順、ノーロード対象などで絞り込めます。担当者の営業トークに左右されず、自分で条件を決めて探せるのが大きなメリットです。

SBI証券の投資信託検索画面

上記はSBI証券の投資信託検索画面の例です。「ノーロード(購入時手数料なし)」で絞り込み、信託報酬の安い順に並べるだけでも、高コスト商品を避けやすくなります。

ネット証券最大手のSBI証券の特徴と評判。安定感抜群の総合ネット証券会社ネット証券の中でも口座開設数ナンバーワンの証券会社がSBI証券です。2025年3月には1,400万口座を突破しており、利用者が多いという...

ファンド選びで迷ったら低コストシリーズから選ぶ

自分で細かく比較するのが難しい場合は、投資家からの支持が厚い低コストインデックスファンドシリーズから選ぶと失敗しにくくなります。

  • eMAXIS Slimシリーズ:業界最低水準の運用コストを目指す定番シリーズ
  • 楽天・プラスシリーズ:楽天証券との相性がよい低コストシリーズ
  • 購入・換金手数料なしシリーズ:ニッセイアセットの低コストシリーズ
  • たわらノーロードシリーズ:確定拠出年金などでも選ばれる定番シリーズ
  • iFreeシリーズ:幅広い投資対象を揃える大和アセットのシリーズ

全世界株式、米国株式、国内株式、バランス型など、自分の投資方針に合う資産クラスを決めてから、低コストファンドを選びましょう。

投資信託は「どこで買うか」も重要

同じ投資信託を買う場合でも、証券会社によって積立設定、クレカ積立、投信保有ポイント、アプリの使いやすさが異なります。

長期投資では、低コストファンドを買えることに加えて、続けやすい仕組みがあるかも大切です。SBI証券、楽天証券、マネックス証券、三菱UFJ eスマート証券などのネット証券を比較して、自分に合う口座を選びましょう。

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投資信託の購入は「買う時」と「持つ時」の両方で最適化する

投資信託を選んだあとは、どの証券会社で買うかも重要です。現在の最適解は、クレカ積立で購入時のポイント還元を受けることと、投信保有ポイントが高い証券会社で長期保有することを組み合わせる考え方です。

投信購入後のチェックポイント

  • 毎月の積立はクレカ積立に対応した証券会社を使う
  • 長期保有するファンドは、投信保有ポイントの対象か確認する
  • ポイント還元よりも、ファンド自体の信託報酬の低さを優先する
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まとめ:ランキングではなく、コストと中身で選ぶ

投資信託の売れ筋ランキングは、投資信託選びの参考情報にはなります。しかし、それだけで購入を決めるのは危険です。ランキング上位の商品が、あなたにとって低コストで合理的な商品とは限りません。

正しいファンド選びの手順

  • ランキングは入口として見る
  • 購入時手数料と信託報酬を確認する
  • 同じ投資対象の低コストファンドと比較する
  • 新NISAで長期保有しやすいか確認する
  • ネット証券で低コスト商品を選ぶ

新NISA時代の投資信託選びでは、「みんなが買っているから」ではなく、「自分の資産形成に合っていて、低コストで長く続けられるから」という理由で商品を選ぶことが大切です。

ABOUT ME
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ふかちゃん
マネーライフハック編集長。証券会社で個人向け金融サービスに従事した経験をもとに、2004年より金融・投資・クレジットカード・節約・ポイント活用に関する情報を発信しています。2011年からMoneyLifehackを運営し、2018年3月には月間200万PVを達成。金融サービスの提供側ではなく、利用者目線で実際に使って検証した一次情報をもとに、家計改善に役立つ情報を分かりやすくお届けしています。
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