2026年12月の年金で所得税が戻る?自動還付される人と確定申告が必要な人

2026年12月の公的年金支給では、所得税の基礎控除引き上げを反映した年税額の精算が行われます。
2026年2月から11月までに引かれ過ぎた所得税があれば、12月の年金支給時に原則として自動還付されます。
還付のために全員が確定申告をする必要はありません。
一方、2026年中に新たに扶養控除の対象になった親族がいる人や、12月に年金支給がなく精算されない人は、確定申告が必要になる場合があります。
この記事の結論
- 2026年12月の精算は、公的年金の支払者が原則として自動で行います。
- 所得税が引かれていなかった人には、戻す税金がないため還付もありません。
- 65歳以上の源泉徴収対象外となる年金額は、205万円未満から214万円未満へ引き上げられました。
- 65歳未満は155万円未満から164万円未満へ引き上げられました。
- 新しい扶養要件、医療費控除、寄附金控除などは、12月の自動精算とは別に確定申告を判断します。
2026年12月に年金の所得税を精算する理由
2026年度税制改正で、所得税の基礎控除と公的年金の源泉徴収計算に使う基礎的控除額が引き上げられました。
法改正が年の途中だったため、2026年11月までの年金支給では改正前の控除額で所得税が計算されます。
12月の支給時に改正後の控除額で2026年分の税額を計算し、すでに源泉徴収した税額との差を精算します。
| 時期 | 所得税の計算 | 受給者の手続き |
|---|---|---|
| 2026年2月から11月の支給 | 改正前の基礎的控除額で源泉徴収 | 通常は不要 |
| 2026年12月の支給 | 改正後の控除額で1年分を再計算 | 原則不要 |
| 2027年の確定申告 | 自動精算できない控除や他所得も含めて最終計算 | 該当者のみ必要 |
会社員の年末調整に似ていますが、公的年金の支払者が2026年分に限って行う特別な精算です。
12月の振込額が通常より増えても、年金の基本額が増えたとは限りません。
引かれ過ぎていた所得税が戻り、差引支給額が増えた可能性があります。
源泉徴収されない年金額の基準が上がる
公的年金の源泉徴収対象外となる年金額は、年齢別に引き上げられました。
| 受給者の年齢 | 改正前 | 改正後 | 増加額 |
|---|---|---|---|
| 65歳以上 | 205万円未満 | 214万円未満 | 9万円 |
| 65歳未満 | 155万円未満 | 164万円未満 | 9万円 |
ここでいう年金額は、源泉徴収の判定に使う公的年金等の支払額です。
給与、個人年金、事業所得、不動産所得を含む年間所得全体の非課税ラインではありません。
老齢年金は課税対象ですが、遺族年金と障害年金は原則として非課税です。
「年金が214万円未満なら所得税も住民税も一切かからない」という意味ではありません。
他の所得、社会保険料、扶養状況、自治体の住民税基準で最終的な税負担は変わります。
自動還付はいくらになるのか
日本年金機構は、毎回の源泉徴収額が改正前6,000円、改正後4,600円になる例を示しています。
2月、4月、6月、8月、10月の5回で、1回あたり1,400円ずつ多く引かれていたとすると、過納額は合計7,000円です。
12月分の本来の源泉徴収額4,600円と相殺し、差額2,400円が還付されます。
過去5回の引き過ぎは、1,400円×5回=7,000円です。
12月に本来引く所得税は4,600円です。
7,000円-4,600円=2,400円が12月に還付されます。
この例では、過納額7,000円の全額が現金で上乗せされるわけではありません。
12月分として引くはずの税額と相殺した残りが、通常の年金支給額へ加わります。
過納額が12月分の税額より少なければ、12月の源泉徴収額が減るだけで、明細に還付額が表示されない場合もあります。
| 状態 | 12月の結果 |
|---|---|
| 過納額が12月の税額より多い | 相殺後の差額を還付 |
| 過納額が12月の税額より少ない | 12月の源泉徴収額を減額 |
| 2026年中に所得税が引かれていない | 原則として還付なし |
| 12月に年金支給がなく精算されない | 源泉徴収税額があれば確定申告で精算可能 |
自動還付される人とされない人
自動精算の対象になりやすいのは、日本年金機構などから課税対象の公的年金を受け、2026年中に所得税が源泉徴収されている人です。
扶養親族等申告書に記載済みの控除と改正後の基礎的控除額を使って、支払者が年税額を計算します。
原則として自動精算:2026年12月にも公的年金の支給があり、年の途中まで所得税が源泉徴収されていた人です。
還付がない可能性:もともと所得税が0円だった人や、再計算しても税額が変わらない人です。
確定申告で精算:12月に公的年金の支給がなく支払者の精算を受けられず、2026年中に源泉徴収税額がある人です。
複数の年金支払者がいる人は、それぞれの支払者が自社の支給分を基に処理します。
すべての年金、給与、その他所得を合算した最終税額までは自動で一本化されないため、確定申告要否を別に確認します。
確定申告が必要または有利になるケース
12月の自動精算は、基礎的控除額の引き上げを年金の源泉徴収へ反映する処理です。
本人が支払った医療費や寄附金、申告書へ反映されていない新しい扶養親族まで自動で把握する仕組みではありません。
新たに扶養要件を満たした親族がいる
2026年度税制改正で、扶養親族等の合計所得金額の要件は58万円以下から62万円以下へ引き上げられました。
改正によって2026年分から新たに扶養控除などの対象になる親族がいる場合は、原則として確定申告が必要です。
19歳以上23歳未満の親族に関する特定親族特別控除を受ける場合も、申告が必要になるケースがあります。
医療費控除や寄附金控除を受けたい
本人または生計を一にする家族の医療費が一定額を超えた場合は、医療費控除で所得税が戻る可能性があります。
ふるさと納税を含む寄附金控除、生命保険料控除、地震保険料控除、雑損控除も、年金の12月精算だけで追加されるものではありません。
還付申告をする場合は、公的年金以外の所得も含めて申告します。
公的年金以外の所得がある
公的年金等の収入金額が400万円以下で、公的年金等以外の所得金額が20万円以下なら、所得税の確定申告不要制度を使える場合があります。
ただし、所得税の申告が不要でも住民税の申告が必要な場合があります。
医療費控除などの還付を受けるため確定申告をするなら、20万円以下の副収入も申告対象です。
「年金400万円以下、その他所得20万円以下」は、所得税の申告不要制度です。
還付申告をした方が得か、住民税申告が必要か、他所得を合算すると納税になるかを分けて確認してください。
住民税非課税世帯の判定は、所得税の源泉徴収基準とは別です。
課税証明書と源泉徴収票の違いは、次の記事で確認できます。
12月の入金後に確認する手順
- 年金振込通知書またはねんきんネットで12月の支払額を確認します。
- 通常の年金額が増えたのか、所得税の精算で差引支給額が増えたのかを分けます。
- 2026年中に源泉徴収された税額があるかを確認します。
- 2027年1月以降に届く2026年分の公的年金等の源泉徴収票を確認します。
- 新しい扶養親族、医療費、寄附金、生命保険料、他所得を整理します。
- 自動精算で終わるか、還付申告または確定申告が必要かを判定します。
通帳の入金額だけでは、年金額の改定と税金の還付を見分けにくいです。
源泉徴収票の源泉徴収税額は、12月の精算後の年間税額を確認する資料になります。
なくした場合は、ねんきんネットから電子送付や再交付を申し込めます。
所得控除と確定申告の全体像を整理するには、年末調整の記事も参考になります。
よくある質問
12月の年金は全員増えますか
全員ではありません。
2026年中に所得税が源泉徴収され、改正後の計算で過納額が生じた人の差引支給額が増えます。
還付のために申請書を出しますか
12月の年金支給時に行う基礎的控除額の精算は、原則として申請不要です。
新たな扶養控除や医療費控除など、自動反映されない控除は確定申告を検討します。
12月に年金支給がない場合はどうしますか
公的年金の支払者による精算が行われず、2026年分の年金から所得税が源泉徴収されていた場合は、確定申告で精算できます。
源泉徴収票を確認してから手続きします。
遺族年金や障害年金も対象ですか
遺族年金と障害年金は原則として非課税なので、所得税の源泉徴収と今回の還付の対象には通常なりません。
課税対象の老齢年金と混同しないでください。
自動精算と確定申告を分けて確認する
2026年12月の公的年金では、改正後の基礎的控除額を使って年間の所得税が再計算されます。
引かれ過ぎた税金があれば、公的年金の支払者が原則として自動還付します。
ただし、12月に支給がない人、新たに扶養要件を満たす親族がいる人、医療費控除や寄附金控除を受ける人は、別に確定申告を検討します。
12月の入金額だけで判断せず、年金振込通知書と2026年分の源泉徴収票をそろえて確認してください。
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