ライフプランやマネープランを立てる時に必要となるのが、子供の教育費。いったいどのくらいかかるものなのか?どの程度を見込んでおけばよいのか?ということは、人生設計や、住宅購入や生命保険(学資保険)加入などを考える時に把握しておく必要があります。

今回は目安となる学費や教育費について最新の「子供の学習費調査」や「教育費負担の実態調査報告」、「子どもの教育資金に関する調査」といった統計情報や民間の調査資料をもとにまとめていきます。

子どもに必要な学費や教育費は年々増加

education総務省の家計調査によると、子どもの数が減る中で、子ども一人当たりにかかる年間の教育費は右肩上がりとなっています。

年間教育費は1971年は2.4万円だったものが、1981年10万円を突破、その後も上昇し、1991年には20万円超となり、1995年には30万円をこえ、現在も上昇傾向が続いています。

また、ソニー生命が発表した「子どもの教育資金に関する調査」では、約60%の保護者が「教育費が増えた」と実感しているデータがあり、いくら必要だと思うか?という質問では1000万円~1400万円くらいという回答が多く集まっています。

ただ、2000万円~2400万円や3000万円以上という回答もあり、子どもの教育に多額の資金をかける予定の保護者が多いのが現状です。

幼稚園・小学校・中学校・高校の学費

下記は、幼稚園、小学校、中学校、高校(高等学校)における1年あたりの学費を表にしたものです。()の金額はそれを通学年数で掛けたものです。

最後のトータルはずっと公立、ずっと私立だった時にかかるトータルの学費を示しています。(文部科学省「令和5年度 子供の学習費調査」修正済みデータより)

公立 私立
幼稚園(3年) 18万4,646円
(55万3,938円)
34万7,338円
(104万2,014円)
小学校(6年) 33万6,265円
(201万7,590円)
182万8,112円
(1,096万8,672円)
中学校(3年) 54万2,475円
(162万7,425円)
156万359円
(468万1,077円)
高校:全日制(3年) 59万7,752円
(179万3,256円)
103万283円
(309万849円)
トータル 約596万円 約1,976万円

上記の学費には学校教育費(授業料やPTA会費、生徒会費、寄付金、図書費、学用品費、課外活動費、通学費、制服代など)、学校給食費、学校外活動費(学習塾、参考書代、スポーツ・レクリエーション活動費用など)の平均合計が含まれています。

幼稚園から高校卒業という期間でも、公立で約596万円、私立なら約1,976万円もの学費がかかる計算になるわけですね。上記には学習塾などの費用も含まれているわけですが、家計への影響は大きいです。

無償化制度による実質負担額の軽減と注意点

2019年10月の「幼保無償化」により、3〜5歳児の幼稚園・保育所は認可施設で無償(月上限2.5万円)となりました。そのため、公立幼稚園の実際の負担額はさらに低く抑えられています。

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また、2026年4月からは私立高校を含む全世帯で高校授業料が実質無償化されています。これらを加味すると、上記の調査数値よりも「実質的な手出し負担」は低下しています。
ただし、対象となるのはあくまで「授業料のみ」であり、給食費・塾代・制服・教材費等は引き続き自己負担となる点に注意が必要です。

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さらに、この上には学費の中でも最もお金がかかる大学生としての学費がプラスされるわけです。

大学の学費・生活費・仕送りなど

大学生の学費等の資料は「子供の学習費調査」には含まれないため、日本政策金融公庫の教育費負担の実態調査報告をもとに考えます。

※参考として、下記は平成24年時点での大学4年間における学費累計額の目安です。現在はインフレや消費税増税の影響もあり、これ以上の負担がかかる傾向にある点にご留意ください。

入学までの費用 学費+仕送り(年) 4年間トータル
国立大学 自宅通学 82.3万円 108.5万円 516万円
自宅外 126.3万円 216.5万円 992万円
私立大学 文系 自宅通学 95.6万円 148.1万円 688万円
自宅外 139.6万円 256.1万円 1164万円
理系 自宅通学 102.9万円 175.1万円 803万円
自宅外 146.9万円 283.1万円 1279万円

国立大学と私立大学との間でかなり大きな差がありますね。また、自宅外の場合、平均して月9万円の仕送りが発生しているため仕送り負担が大きくなっています。マンションやアパートを借りる費用や家具代金などもかかりますし……。

子供にかかる学費(教育費)の総額

いくつかのパターンで、幼稚園から大学までの総額を出してみたいと思います。(日本政策金融公庫の最新概算データを参照)

全部国公立で自宅通学

一番費用がかからないパターンですが、それでも幼稚園から大学まで全て公立の場合、約822.5万円の学費がかかる計算となります。

幼稚園~高校までは公立、大学は私立(自宅外)

比較的多いパターンかもしれません。幼稚園から高校までを公立(約596万円)で抑えても、大学が私立で自宅外通学となると、仕送りや生活費も加わり、総額で1,500万円〜2,000万円近い費用がかかるケースも少なくありません。

すべて私立

一番お金がかかるパターンです。日本政策金融公庫の最新データによると、幼稚園から大学まですべて私立の場合は約2,307.5万円もの学費がかかる計算となります。理系や自宅外通学であれば、さらに上乗せされる可能性があります。

これが子供一人あたりにかかるわけです。子供が二人、三人となると2倍、3倍の学費(教育費)が発生することになるわけですね。

1年あたりにかかる学費は幼稚園、小学校、中学校、高校、大学と進むにつれて上昇していく傾向があります。特に大学生の時の跳ね上がりが半端ではないです。

そのため、子供の学費、教育費を備えるというのであれば、高校生までの間に大学生でかかる学費をカバーできるように学資保険や積立貯金等で早期から貯蓄していくことが重要ということになります。

子供にかかる学費と注意したいポイント

子供の学費を考える場合は下記のようなケースに注意が必要です。基本的には大学進学時期になってから考えるのではなく、そのずいぶん前(できれば子供が小さいうち)から考えておきたいものです。

なぜなら子供が生まれた段階で年数的に子供の進学時期というものはほぼ固定されるからです。

なお、「子どもの教育資金に関する調査」では、教育資金の積立としては「銀行預金(定期預金)」が最多で続いて「学資保険」「財形貯蓄」と並んでいますが、近年では制度改正に伴い、一定額を投資(運用)に回す家庭も増えています。

新NISAを活用した教育費の積立(2024年〜)

2024年から始まった新NISAは、教育資金の積み立て手段としても注目されています。
つみたて投資枠(年120万円)を活用してインデックス型の投資信託に積み立てれば、運用益が非課税となり、学資保険や定期預金と比べてインフレに対応しやすい特徴があります。子どもが生まれてすぐに積み立てを始めれば、18年間の積み立て期間が確保でき、長期・分散投資の複利効果が期待できます。
ただし、元本割れリスクがある点は学資保険・預金と異なるため、家計のリスク許容度に応じて選択しましょう。

学費(教育資金)を貯めていく方法については以下の記事でもまとめているのでこちらも参考にしてください。

子供の教育資金はどう貯める?預金・学資保険・新NISAのメリットとデメリットを徹底比較子供を一人育てるためには1,000万円の教育費が必要だ、などといわれています。 ソニー生命の「子どもの教育資金に関する調査2026...

また、奨学金制度も利用できます。

大学進学前に知っておきたい奨学金の種類 給付型と貸与型の違い教育費は人生における三大費用の一つに数えられ、中でも大学生時期の子どもに一番お金がかかります。 大学の授業料は私立大学だけでなく、...

自分(世帯主)のリタイア以降に子供の大学生の時期が来ないか?

リタイア後は収入が急減しますが、子供の学費は相変わらずかかります。もしそのようなケースは事前に必要とされる学費を学資保険や貯蓄等で準備しておく必要があります。

また、自分自身の老後の生活も考えておく必要があります。子どもの進学支援をしすぎて老後の自分の生活に大きな問題が来ないように試算しましょう。

老後資金に必要なお金とそれを貯めるための方法。2000万円は本当に必要なのか?老後に必要なお金ということについて漠然とした不安を持っている方も多いかと思いますが、実際どの程度を自分自身で準備しなければいけないか?と...

子供の大学生の時期がかぶらないか?家計収支のマイナスに備える

大学生の子供が同時期に在学している時期は家計支出が大幅に大きくなります。

一時的にキャッシュフローが大幅に悪化する可能性があります。実際、多くの家計は子どもの大学進学時期は家計収支がマイナスとなり、場合によって債務超過(資産<負債)となるケースも少なくありません。

資産を現預金などの引出が可能な形にしておく必要があります。それでも不足する場合は資金調達(教育ローンや貸与型の奨学金)なども検討しておく必要があるでしょう。

住宅ローン等は組んでも大丈夫か?

住宅ローンはついつい今の収支を基準に考えがちです。

しかしながら、教育費(学費)は基本的に上昇します。最近は勤続年数が増えたからといって年収が確実に上昇する時代ではありません。住宅ローンを組む時はしっかりと、子供の学費・教育費をシミュレーションした上で検討しましょう。
自分で計算するのが難しいなら専門家を活用するという手もあります。

住宅ローン相談会やFP相談の活用法と注意点住宅購入は多くの場合、住宅ローンの借り入れとセットになっています。将来が不透明な中で、多額のローンを背負うことに対して不安な気持ちでいっ...

学費が確保できない!厳しい場合はどんな方法がある?

学費については公的な教育ローンや、子供自身が返済するというのであれば奨学金などを使うこともできます。代表的なものには「日本学生支援機構」の奨学金制度、教育ローンとしては日本政策金融公庫が提供している「国の教育ローン」というローンもあります。

参考記事として「大学進学で知っておきたい奨学金の基礎知識」もぜひご一読ください。このような制度もぜひ積極的に活用しましょう。

以上、子どもの教育や進学、養育に必要な学費の目安についてまとめてみました。

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ふかちゃん
マネーライフハック編集長。証券会社で個人向け金融サービスに従事した経験をもとに、2004年より金融・投資・クレジットカード・節約・ポイント活用に関する情報を発信しています。2011年からMoneyLifehackを運営し、2018年3月には月間200万PVを達成。金融サービスの提供側ではなく、利用者目線で実際に使って検証した一次情報をもとに、家計改善に役立つ情報を分かりやすくお届けしています。
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