2025年3月末時点で862万人へと大幅に拡大しており、私たちの老後資産形成において非常に身近な制度となりました。

そんな企業型確定年金には「マッチング拠出」というものがあります。マッチング拠出とは、企業が出す掛け金とは別に、労働者自身が掛け金を上乗せすることが出来る制度です。

会社にその制度があり、利用するかどうか迷っている方向けに、この制度を利用するべきかどうか?デメリットはないのか?限度額はどうなるのか?といったことを、2026年の最新の制度改正を踏まえて詳しく紹介していきます。

企業型確定拠出年金の仕組みをおさらい

確定拠出年金とは、企業が掛け金を支払い、実際の運用は労働者が行うと言うものです。専用口座にプールされているお金を労働者は自分の判断で、定期預金や投資信託などに振り分けて運用を行います。

運用成果によって将来受け取れる年金額(退職金額)が変動するというのが大きな特徴となっています。

制度は2001年よりスタートし、加入者は2014年3月時点で464万人に達しました。その後も順調に増加し、2025年3月末時点では862万人に達しています。

マッチング拠出とは?

マッチング拠出という制度は、従業員が自分で掛け金を上乗せすることが出来る仕組みです。マッチング拠出を利用することによって従業員は自分の意思で将来の年金のための積立を増やすことが出来るのです。

2026年の制度改正で上限額が大幅に拡大!これまで、マッチング拠出の上限額には「企業が拠出した金額と同額まで」という厳しい制限がありました。しかし、2026年4月1日からの制度改正により、この「会社拠出額以下」という上限規制が撤廃されました。

これにより、他に企業年金がない会社の場合、会社拠出が1万円であっても、従業員は最大月4.5万円(合計5.5万円−会社拠出1万円)までマッチング拠出できるようになりました。さらに、2026年12月には拠出上限の合計が月6.2万円に引き上げられる予定であり、マッチング拠出の活用余地が大幅に広がります。

マッチング拠出のメリット、デメリット

マッチング拠出として上乗せした分(保険料を支払った分)については全額が「所得控除(小規模企業共済等掛金控除)」の対象となります。

つまり、その分だけ所得税や住民税などの節税にもつながります。このしくみは個人型確定拠出年金(iDeCo)の場合と同様ですね。

仮に所得税、住民税を合わせて30%の税率が課せられている人だとすると、月に2万円のマッチング拠出をすることで年24万円の所得控除、つまり24万円×0.3=72,000円の節税となります。

確定拠出年金口座内での運用益も非課税となるので、効率的に資産形成が可能です。

受け取り時の税制優遇も大きなメリット

拠出時や運用時だけでなく、受け取り時にも大きな優遇が用意されています。

  • 一時金として受け取る場合:退職所得控除が適用されます。勤続20年超であれば「800万円+(勤続年数-20年)×70万円」が控除され、税金が大幅に軽減されます。
  • 年金として受け取る場合:公的年金等控除が適用され、65歳以上であれば最低110万円まで非課税で受け取ることが可能です。

途中解約ができないというデメリットに注意

メリットが多い一方で、デメリットもあります。それは途中解約が出来ないことです。不測の事態が起こりお金が必要になっても、これまでにマッチング拠出した分を戻してもらうと言うようなことは出来ません。

おなじ非課税運用には新NISA(成長投資枠・つみたて投資枠)という少額投資非課税制度がありますが、新NISAは途中解約や引き出しがいつでも可能という点が大きく異なります。

マッチング拠出とiDeCo(個人型確定拠出年金)の比較と併用について

企業型確定拠出年金に加入している場合、ご自身で掛け金を上乗せする方法として「マッチング拠出」と「iDeCo(個人型確定拠出年金)」の2つの選択肢があります。ただし、マッチング拠出とiDeCoを同時に併用することはできません。

2022年10月の法改正により、マッチング拠出を「利用していない」企業型DC加入者であれば、原則としてiDeCoとの併用が可能になりました。つまり、以下のいずれかを選択することになります。

  1. 企業型確定拠出年金 + マッチング拠出
  2. 企業型確定拠出年金 + iDeCo(マッチング拠出は利用しない)

マッチング拠出とiDeCoの比較表

どちらを選ぶべきか迷う方のために、2つの制度の違いをわかりやすく比較しました。

比較項目 マッチング拠出 iDeCo(個人型確定拠出年金)
口座管理手数料 会社負担(実質無料) 本人負担(年約2,052円〜)
運用商品 会社が選定したラインナップ 自分で金融機関・商品を選択可能
拠出限度額
(2026年4月〜)
月5.5万円まで(会社拠出との合計) 最大月2万円(他に企業年金がない場合)
転職時の対応 次の企業やiDeCoへの資産移換が必要 金融機関を変更せずそのまま継続可能
併用の可否 iDeCoとの併用は不可 マッチング拠出を利用しなければ併用可能

企業型確定拠出年金の場合、運営管理機関手数料などは会社負担です。そのためコスト面を考えると、企業型確定拠出年金+マッチング拠出のほうが少しだけ効率的になるかと思います。

iDeCoからマッチング拠出への切り替え注意点2026年4月の改正でマッチング拠出の限度額が拡大し有利になったため、iDeCoからマッチング拠出へ切り替えを検討する方もいるでしょう。ただし、同時加入はできないため「iDeCoでの拠出停止手続き」→「運用指図者への切り替え」→「社内でのマッチング拠出申請」という手順が必要になり、数カ月のブランクが生じる可能性がある点に注意してください。

マッチング拠出の手続き方法

実際にマッチング拠出を始める際の手続きは、一般的に以下のようなステップで進みます。

  1. 会社への制度確認:まずは勤務先がマッチング拠出制度を導入しているか確認します。
  2. 金額の決定:家計の状況をもとに、毎月いくら上乗せするかを決めます。
  3. 申込書の提出・システム申請:会社の担当部署(人事・総務など)へ申請書を提出、または社内システムから申し込みを行います。
  4. 給与天引きの開始:申請が通ると、指定した月から給与天引きで拠出が始まります。

手続きの詳細や申し込みのタイミング(年1回や常時など)は企業によって異なるため、必ず社内の規定を確認してください。

マッチング拠出ができるならやるべき?

企業型確定拠出年金におけるマッチング拠出制度は、働く人の老後の年金づくりという観点においては非常に有利なものとなっています。

老後まで引き出せないというデメリットを十分に考慮したうえで、家計の余裕状況を考えながら、余裕があれば積極的に利用すべきだと思います。

マッチング拠出の金額については見直しも可能です。ある程度余裕があるときは多めの金額を拠出しておき、子供の教育費などがたくさんかかるときはマッチング拠出額を減らすといった柔軟な対応も可能です。

一方で、老後まで下ろせないというリスクはしっかりと考えておく必要があります。以下の点もご一読いただき、自分の状況にあった掛け金(マッチング拠出額)を設定してください。

  • 老後前に使う予定のお金の準備はしていますか?
  • 他に借金返済(ローン返済)など優先すべき項目はありませんか?

マイホーム購入のための頭金が必要という場合、それは企業型確定拠出年金(+マッチング拠出)をアテにするものではありません。それが準備できていないなら、マッチング拠出をするよりも新NISAや預貯金など他の手段で準備しておく必要があります。

また、「借金返済・繰上返済は超効率的でノーリスクな資産運用と同じ」でも紹介しているように、他に借金・ローンがあるなら金利負担を減らすために繰り上げ返済(追加返済)をして少しでも金利負担を減らすほうがマイナスの資産運用を減らせます。

場合によっては、マッチング拠出を利用して老後に備えるよりも価値ある運用ができる可能性があります。

マッチング拠出は合法的な節税対策にもなるので、ご自身の家計の状況も把握したうえで、上手に制度を活用してください。

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ふかちゃん
マネーライフハック編集長。証券会社で個人向け金融サービスに従事した経験をもとに、2004年より金融・投資・クレジットカード・節約・ポイント活用に関する情報を発信しています。2011年からMoneyLifehackを運営し、2018年3月には月間200万PVを達成。金融サービスの提供側ではなく、利用者目線で実際に使って検証した一次情報をもとに、家計改善に役立つ情報を分かりやすくお届けしています。
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