こどもNISAとは?2027年開始、年間60万円・上限600万円と親NISAとの使い分け

2027年1月から、18歳未満の子どもを対象にした「こどもNISA」が始まります。
年間60万円、合計600万円まで積み立てられ、運用益を非課税にできる制度です。
教育費づくりに使いやすい一方、親名義のNISAとは違って資産は子どものものになり、年齢と使途に応じた引出制限もあります。
この記事では、2026年7月11日までに成立した法令と公表資料を基に、制度の仕組み、贈与税、親のNISAとの使い分け、積立シミュレーション、教育費を使う前の出口戦略を整理します。
こどもNISAは、親のNISAの代用品ではなく、子どもへ資産を移しながら長期運用する制度です。
親が自由に使えるお金を残したい世帯は親名義のNISAを優先し、生活防衛資金と近い将来の教育費を確保した後に利用を検討するのが基本です。
こどもNISAは2027年開始で年間60万円まで
こどもNISAは通称で、法律上は未成年者特定累積投資勘定という仕組みです。
2026年度税制改正法は2026年3月31日に成立しており、単なる検討案ではありません。
現時点で確定している主な条件は次のとおりです。
| 項目 | こどもNISAの内容 |
|---|---|
| 開始日 | 2027年1月1日 |
| 対象者 | その年の1月1日時点で18歳未満の居住者等と、その年に生まれた子ども |
| 年間投資枠 | 60万円 |
| 非課税保有限度額 | 取得価額で600万円 |
| 対象商品 | 長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託等 |
| 個別株 | 対象外 |
| 非課税保有期間 | 期限なし |
年間60万円を12か月均等に積み立てるなら、毎月5万円が一つの目安です。
ただし、法律で毎月5万円までと決められているわけではなく、実際の積立頻度や注文単位は取扱金融機関の仕様に従います。
成長投資枠は設けられないため、個別株や成長投資枠だけの投資信託を買うことはできません。
制度の基準日:2026年7月11日
口座開設の受付開始日、必要書類、取扱商品、カード積立、ポイント還元などは金融機関ごとの正式発表前であり、現時点では断定できません。
引き出せる時期は「12歳の誕生日」で判断しない
こどもNISAで最も誤解しやすいのが、引出制限です。
制度上の区切りは誕生日ではなく、「その年の3月31日に12歳である年」を基準に判定します。
| 時期 | 引出しの扱い |
|---|---|
| 基準となる年より前 | 災害、疾病その他のやむを得ない事情を除き、自由な引出しはできない |
| 基準となる年以後 | 子ども本人の教育費または生活費に充てるため、金融機関へ書面を提出して引き出す |
| 成人後 | 成人向けNISAへ移行し、通常のNISAとして管理する |
年齢条件を満たした後でも、親の旅行費や住宅購入費など、親のために自由に使える口座になるわけではありません。
基準となる年より前にやむを得ない事情による特例を使う場合は、口座内の資産や金銭を一部だけではなく全て払い出す扱いです。
未成年の間は親権者等が手続きを行いますが、子どもの同意を得た上で、資金の使用目的を子ども本人の教育または生活に限定する必要があります。
制限に反して引き出すと、過去の利益や分配金まで遡って課税される可能性があります。
小学校入学前後に使う予定のお金や、親が緊急時に取り崩したいお金は、こどもNISAへ入れず預金等で確保しておきましょう。
お金を入れた時点で子どもへの贈与になる
親や祖父母が自分のお金をこどもNISAへ入れると、その資金は子どもの財産になります。
18歳になったときに初めて贈与が発生するのではなく、子どもの口座へ資金を移した時点で贈与として考えます。
暦年課税の基礎控除は、贈与を受ける子ども一人につき年間110万円です。
110万円は親から110万円、祖父母から110万円という贈与者ごとの枠ではなく、その子が1月1日から12月31日までに受け取った贈与の合計で判定します。
年間60万円なら必ず非課税とは限らない
こどもNISAへの入金が年間60万円だけなら、通常は贈与税の基礎控除110万円の範囲内です。
ただし、別の預金口座への入金、お年玉として管理する高額資金、祖父母からの贈与などがあれば合算します。
毎年同じ時期に同額を贈る場合も、最初から複数年分を約束する契約に見えないよう、贈与の都度記録を残しておくと資金の経緯を説明しやすくなります。
扶養義務者が教育費や生活費を必要な都度直接支払う場合は、通常必要な範囲で贈与税がかからないことがあります。
一方で、将来の教育費として投資口座へまとめて入れ、そのまま運用する資金まで同じ非課税扱いになるとは限りません。
年間110万円を超える贈与や複数人からの資金提供がある場合は、税務署または税理士へ確認してください。
親のNISAとこどもNISAは所有者と自由度が違う
教育費を準備する方法として、必ずこどもNISAが先になるわけではありません。
親名義のNISAで運用し、進学時に親が学費を支払う方法にも、資金の使い道を途中で変えられる利点があります。
| 比較項目 | 親名義のNISA | こどもNISA |
|---|---|---|
| 資産の所有者 | 親 | 子ども |
| 年間投資枠 | 最大360万円 | 60万円 |
| 0~17歳時の非課税保有限度額 | 1,800万円 | 600万円 |
| 未成年期の引出し | 親の判断で可能 | 年齢と使途による制限あり |
| 資金移転 | 運用中は贈与なし | 入金時に子どもへの贈与 |
| 向く目的 | 教育費を含め家計全体で柔軟に使う資金 | 子どものために分離して長期運用する資金 |
こどもNISAの600万円は、成人後のNISA総枠1,800万円に上乗せされる独立した永久枠ではありません。
成人向けNISAへ移行した後は、こどもNISAから引き継いだ取得価額も成人の非課税保有限度額の管理に関係します。
- 生活費6か月分などの生活防衛資金を預金で確保します。
- 5年以内に使う入学金や学費は、値下がりする投資商品と分けます。
- 親が使い道を変更できる状態を残したいなら、親名義のNISAを優先します。
- 資産を子どものものとして確定させ、10年以上運用できるなら、こどもNISAを検討します。
- 親のNISA枠を十分使っている世帯は、追加の非課税運用先としてこどもNISAを検討します。
親名義の新NISA、学資保険、こどもNISAを教育費の目的別に比較したい方は、次の記事も参考にしてください。
毎月1万円から5万円の積立シミュレーション
18年間積み立てた場合の概算を、年率3%と5%の二つで試算しました。
毎月末に積み立て、税金と手数料を考慮せず、年間を通じて同じ利回りで運用できたと仮定した参考値です。
実際の運用成果を保証するものではなく、元本割れする年もあります。
| 毎月の積立額 | 積立元本 | 年率3% | 年率5% |
|---|---|---|---|
| 1万円 | 216万円 | 約286万円 | 約349万円 |
| 1万5,000円 | 324万円 | 約429万円 | 約524万円 |
| 3万円 | 600万円 | 約809万円 | 約998万円 |
| 5万円 | 600万円 | 約888万円 | 約1,157万円 |
毎月3万円では200か月で元本600万円に達し、その後16か月は追加投資せず保有したものとして計算しています。
毎月5万円では120か月で元本600万円に達し、その後96か月は保有を続けたものとして計算しています。
児童手当の一部を積み立てるなら、支給額の全額を機械的に投資せず、当面の育児費や入学準備費を先に預金へ残す方法もあります。
大学進学の5年前から出口戦略を始める
投資信託は、必要な時期に相場が下落している可能性があります。
大学入学時に必ず使う資金なら、高校入学前後から少しずつ売却し、預金へ移すと価格変動リスクを減らせます。
- 使う時期と最低限必要な金額を決めます。
- 使用予定の5年前を目安に、必要額と現在の評価額を確認します。
- 相場が良い年も含めて数回に分けて売却します。
- 入学金と初年度授業料など、支払時期が決まった分は預金へ移します。
- 使う予定がない残額だけを長期運用として残します。
非課税だから長く保有すること自体が目的になると、教育費を払う直前の値下がりに対応できません。
投資期間ではなく、使う日から逆算して運用リスクを下げることが大切です。
口座開設前に家族で決めておくこと
こどもNISAは、口座を作る証券会社だけを比べても十分ではありません。
- 誰が毎年いくら贈与するかを決めます。
- 他の贈与と合わせて年間110万円を超えないか確認します。
- 中学、高校、大学のどの時点で使うかを決めます。
- 親名義のNISAと預金に残す金額を先に決めます。
- 入金記録、贈与の記録、売却後の使途を保管します。
- 金融機関の正式な口座開設書類と引出手続きを確認します。
旧ジュニアNISAを保有している方は、新制度へ自動的に同じ条件で引き継がれると決めつけず、保有資産と新口座を分けて確認してください。
こどもNISAのよくある質問
2027年に18歳になる子は利用できますか?
2027年1月1日時点で18歳未満なら、2027年分のこどもNISAの対象です。
1月1日時点ですでに18歳なら成人向けNISAの対象になるため、誕生日と年齢判定日を分けて確認してください。
毎月5万円を積み立てる必要がありますか?
必要ありません。
年間60万円を均等に割ると毎月5万円になりますが、家計に合わせて1万円や1万5,000円などから積み立てる考え方もできます。
子ども名義で個別株を買えますか?
こどもNISAには成長投資枠がないため、個別株は対象外です。
対象となる一定の投資信託等から選びます。
12歳になれば何にでも使えますか?
使えません。
制度上の年齢区分を満たした後も、子ども本人の教育費または生活費であることと、金融機関への書面提出が必要です。
年間60万円を祖父母が出しても贈与税はかかりませんか?
その60万円だけなら基礎控除110万円の範囲ですが、同じ年に子どもが受け取った他の贈与を合算します。
年間110万円を超える場合や、複数年分をまとめて約束する場合は個別の税務確認が必要です。
成人後は600万円が1,800万円へ上乗せされますか?
単純な上乗せではありません。
成人向けNISAへ移行した資産は、成人後の非課税保有限度額の中で管理されます。
まとめ
こどもNISAは、2027年から年間60万円、合計600万円まで子どものために非課税運用できる制度です。
長期の教育資金づくりに役立つ一方、資産は子どものものになり、未成年期の引出しには厳格な年齢・使途条件があります。
まず親の生活防衛資金と近い将来の教育費を預金で確保し、親名義のNISAとの所有者の違いを理解した上で使い分けましょう。
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新NISA全体の非課税枠と基本ルールを確認する。
子ども名義の銀行口座を作るときの注意点を確認する。
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