奨学金と教育ローンの違いを徹底比較!金利差や修学支援新制度も解説
貸与型の奨学金というのは事実上のローン(借金)であるというのはよく知られている話です。
その一方で、進学や勉強のためのローンに教育ローンという本物のローンもあります。それではこの教育ローンと貸与型の奨学金はどのような違いがあるのでしょうか?
今回は教育ローンと貸与型奨学金の違いについて、国の教育ローンと日本学生支援機構の貸与型奨学金(2種)とを比較しながら紹介、説明していきたいと思います。
貸与型奨学金と教育ローンの違い
まずは分かりやすいように表にしてみました。奨学金や教育ローンとして利用が多いはずの、日本学生支援機構(JASSO)の「有利子タイプ(第2種奨学金)」と、公的な教育ローンである「国の教育ローン」とを比較していきます。
| 貸与型奨学金(第2種) | 教育ローン(国の教育ローン) | |
|---|---|---|
| 借主(返済する人) | 学生本人 | 親(保護者) |
| 返済期間 | 分割返済の金額によって変わる | 最長18年間 |
| 利用条件 | 世帯年収が1012-1502万円以下 | 世帯年収が790-1190万円以下 |
| 保証人 | 連帯保証人が必要(または機関保証への加入) | 連帯保証人が必要(または保証料) |
| 金利 | 0.005%(利率見直し方式) 0.40%前後(利率固定方式) |
年3.55%(固定金利) ※母子・父子家庭等の特例は年3.15% |
| 融資上限額 | 月額3万円、5万円、8万円、10万円、12万円で選択 | 最高350万円 |
| 連絡先 | 日本学生支援機構 | 日本政策金融公庫 |
| お金の受け取り方 | 毎月受け取る | 一括して受け取る |
| 利息 | 在学中は無利息、返済時期より金利が発生する | 借入時点から発生する |
| 返済開始 | 卒業後から | 借りた翌月からだが、元金据え置きも利用できる |
大きな違いを挙げていくと
- 奨学金は学生が返済するが、教育ローンは保護者が返済
- 奨学金は圧倒的に金利が低い
- 奨学金は金利の発生が卒業後からと有利
といったところになります。単純にお金を借りるということだけを考えると圧倒的に奨学金のほうがお買い得というか、ローンとしてのスペックが高いといえます。
奨学金は事実上の借金であるということはよく知られており、卒業後に返済できない人が増えているという事実はあります。直近の奨学金においては返済が滞るとブラック情報が信用情報に記載されるということもあり、社会問題としても取り上げられることが増えています。
ただし、教育のためにお金が必要だという問題解決の手段としては、現状でもやはりNo1のお金の借り方だと思われます。
貸与型の奨学金と教育ローンは内容と性質をよく理解して活用しよう
教育のためのお金を借りるだけであれば、貸与型奨学金は実はかなり性質の良いお金となります。
国の教育ローンも他のカードローンなどと比較すると有利にお金を借りることができるものですが、奨学金の条件と比べるとかなりの差があります。
奨学金と教育ローンの金利の差は大きい
- 奨学金を総額350万円借りて15年で返済した場合
- 教育ローンを借りて元金据え置き後、15年で返済した場合
1)の場合、同じ固定金利の教育ローンと比較するため 0.40%(利率固定方式)で計算します。卒業後から返済が始まります。15年だと月々の返済額は約20,042円で、総額は約3,607,560円となります。借金額に対する金利は約107,560円です。
2)の場合、元金据え置き期間中(4年間)も年利3.55%の金利が発生します。4年間の利息だけで約496,992円となります。卒業時点で据え置き期間が終了し、そこから15年で元金350万円を返済していきます。
月々の返済額は約25,123円となり、15年間の返済総額は約4,522,140円。据え置き期間中の利息と合わせると、支払う利息の総額は約1,519,132円に達します。
歴然とした差がありますね。奨学金のローンとしてのスペックの高さを示しています。
近年急上昇する国の教育ローンの金利に注意
注意が必要なのは、国の教育ローンの金利が近年急上昇していることです。2022年時点では年1.65%でしたが、2026年2月時点では年3.55%と、わずか4年で倍以上になっています。これは日銀の金利正常化を受けた変化であり、今後もさらに上昇する可能性があります。
奨学金(利率固定方式:0.4%前後)との差は以前より開いており、「低コストで借りるなら奨学金」という記事の主旨は変わりませんが、教育ローンの金利負担はより重くなっていることを知っておくべきです。
奨学金を借りて親が返済するという手もある
たとえば、子どもが大学進学をするときに教育ローンを利用しようと考えている親御さんがいらっしゃるとしましょう。将来は自分(親)が支払うつもりでいますよね。
でも、それを奨学金として借りておき、子どもが卒業後にそのお金を親が返すというのも一つの手かもしれません。そちらのほうが金利は大幅に節約できます。
奨学金の返済は本来は学生自身が行うものですが、親が代わりに行うことは問題はありません。
名義上は子どもの債務を親が返済するときは贈与扱いになると思われますが、年間110万円までの贈与は贈与税非課税となります。
あくまでも親が返す予定としてお金を借りるなら貸与型の奨学金で借りるほうが教育ローンを利用するよりもお得といえそうです。
教育ローンのメリットは今すぐお金が手に入ること
一方の教育ローンのメリットは今すぐまとまったお金が借りられるということです。
子どもが大学に進学するときには入学金や下宿先のアパート、マンションの敷金礼金、引っ越し費用といったようなお金がまとまって必要になることがあります。そうしたお金を工面するのが難しいという場合、手元に資金を確保できるのが国の教育ローンです。
すぐ100万円が必要で、すぐに返済していくというプランであれば教育ローンの方が使いやすいといえるでしょう。
貸与型の奨学金はそんなに悪者なのか?
ここからは奨学金制度の問題について少し私の考えを。
日本の奨学金制度は若者に借金を背負わせるなんて問題だ。給付型にするべき!という意見も多くあります。
ただ、日本学生支援機構が実施した学生生活調査報告などを見ると、大学生の半数近くが奨学金を利用しています。半数が利用していると考えると、奨学金という制度自体は特別な限られた事情がある人向けのものというわけではないといえます。
むしろ、借りなければ進学できないのが問題だというのであれば、それは日本の賃金(収入)の方に問題があるという考えの方が妥当だと考えられないでしょうか。
2020年以降に大幅拡充された給付型奨学金(修学支援新制度)と多子世帯支援
かつては「給付型奨学金は一部の限られた人向け」という印象がありましたが、2020年4月から「高等教育の修学支援新制度」がスタートし、給付型奨学金と授業料減免がセットで受けられる制度が大きく整備されました。
2026年時点での主な対象や内容は以下の通りです。
- 第1区分(住民税非課税世帯):給付月額に加え、授業料がほぼ全額免除されます。
- 第4区分(2025年度新設):年収600万円程度の世帯にも一部支援が広がっています。
- 多子世帯(子ども3人以上):所得制限なしで授業料・入学金減免が受けられます。
現在では、子どもの人数によって受けられる支援が劇的に変わる制度設計になっています。特に「子ども3人以上の世帯」は所得制限なしで支援が受けられるため、「何人目の子どもか」という視点が読者の意思決定に直結します。「給付型は倍率が高くてどうせ無理」というイメージはすでに古く、要件を満たせば高い確率で採用される仕組みへと変わっています。
サラ金、カードローンと同列にするのはおかしい
ときどき、貸与型奨学金をサラ金やカードローンと同じように語る人がいますが、それは少しおかしいです。
消費者金融やカードローンの金利は10%台の二桁金利であることが多いです。一方の日本学生支援機構の第2種奨学金の金利は0.005%(変動金利)、固定金利でも0.40%前後です。
金利水準だけ見れば極めて低い金利です。返済しなければならない総額としては大きいですが、金利負担はそれほど大きくありません。むしろ無担保でこの利率は信じられないレベルです。
さらに、返済できないとき(厳しい時)は猶予を受けることもできます。
また、借金は借金でもこれほど低コストで借りれているわけですから、繰り上げ返済等で積極的に返済するよりも、むしろ現金(キャッシュ)として預金や運用をしておく方が有利になる可能性もあります。
まとめ。奨学金、教育ローンの性質を理解して賢く利用しよう
奨学金については貸与型を中心に若者への負担の大きさなどが取り上げられています。
ただ、貸与型奨学金を教育ローンとしてみた場合、そのスペックは尋常でないほど恵まれた内容になっています。民間金融機関がこの内容で教育ローンを販売したら破綻間違いないレベルです。
そう考えると、確かに貸与型奨学金は借金であるけれども融資としてみれば、相当レベルで優遇されているわけで、経済的理由で進学が難しい人にとっては十分な支援になっていると思われます。
奨学金問題は以下に集約されると思います。
- 貸与型であるという事実を知らない
- 大学の学費が高い
- 卒業後の収入が不安定
結局、卒業後に多額の奨学金債務を抱えるのは(2)の学費が高くなっていることが大きな問題です。
国公立大学の学費(授業料)は平成3年は375,600円でしたが、現在は多くの大学で標準額として535,800円が必要になっています。さらに、東京大学は2025年度入学者から年64万2,960円(上限額)に値上げしており、他大学でも値上げを検討する動きが広がっています。
一方で給与所得者(サラリーマン)の収入はどうかというと、国税庁の最新の民間給与実態統計調査では2023年の平均給与は460万円前後に改善しています。しかし、社会保険料の負担増や近年の物価高騰を考慮すると、教育コストの上昇に対する家計の負担感は依然として大きいと言わざるを得ません。学費は高くなる一方で実質的な家計のゆとりが生まれにくいため、厳しくなるのは当然です。
また、卒業後に非正規の働き口しかない、収入が少ないというのも景気や雇用の問題です。
結局のところ、奨学金問題というのは貸与型の奨学金自身の問題ではなく、社会の問題であって貸与型をやめればいい(給付型だけにすればいい)という問題ではないわけです。
なお、2026年4月より所得制限なしの高校授業料無償化が全国で正式にスタートし、私立高校も含めて全世帯で授業料支援が受けられるようになりました。このように高校段階での費用負担は大幅に軽減されていますが、大学進学においては修学支援新制度(特に多子世帯向けの支援)や奨学金・教育ローンをいかに賢く活用できるかが、家計の負担を左右する重要なポイントになります。
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