来店型保険ショップのからくりとは?メリット・デメリットと相談前に知るべき注意点
日本全国のショッピングセンターや繁華街などで見かける「来店型保険ショップ」。矢野経済研究所のデータによれば、2024年度の来店型保険ショップ市場規模(新契約年換算保険料)は前年度比5.2%増の2,173億円、2025年度予測も2,232億円と市場規模は拡大しています。一方で、不採算店舗の統廃合も進む成熟期に入っています。
保険の相談ができ、中立的な立場でピッタリの保険を紹介することができるというのがウリですが、本当に利用者にとって最適な提案をしているのでしょうか?
今回は保険ショップを利用するメリット、デメリット、来店する前に知っておきたい来店型保険ショップのしくみを紹介します。
来店型保険ショップを利用するメリットは?
保険ショップというものは駅前やショッピングモールなどの一等地に店舗を構えています。代表的な会社として「ほけんの窓口(約700店舗)」「保険見直し本舗(約380店舗)」「保険クリニック」「イオンのほけん相談」などがあります。
謳い文句としては、死亡保険や養老保険、学資保険、医療保険といった保険でも保険会社によって特徴は様々だし、強みとする部分も違っています。
○○生命の営業マン(保険レディ)だと自社の保険しか扱えないので、他社にもっといい保険があったとしても自社の保険しか売ることはできません。
一方で、来店型保険ショップであれば、複数の保険会社が扱っている保険商品を比較して、最適なものを提案することができます。
保険会社と直接契約しても、来店型保険ショップを経由して契約しても保険の条件は同じなので、保険を複数比較できる点は保険ショップのメリットといえます。
一見よさそうに見えます。たしかに、学資保険は○○生命がいいとか、掛け捨ての定期(死亡)保険なら××生命が安いとかいう話もありますからね。
保険ショップの収益構造を知る
保険ショップを使うメリット、デメリットを知る前に、保険ショップの構造というものを知っておいた方が良いと思います。
保険ショップの利益は「保険会社からの紹介手数料」です。保険ショップに来店してお客さんが新規に契約した保険から手数料が支払われるのです。
この保険会社の手数料は保険会社によって差があります。また、インセンティブのように一定以上販売した場合には上乗せの手数料などが支払われるようにもなっています。
最適な提案は誰にとって最適な提案なのか?
この保険ショップの収益構造を知ると以下のような疑問が浮かびます。
保険ショップ側には「最も収益性の高い保険(手数料率の高い保険)を売ろう」というインセンティブが生まれるのではないか?ということです。
そうなったときに、提案されている保険というものが「本当に加入者のことを考えたものなのか?」というのは甚だ疑問です。
最適な提案というのは顧客ではなく、自社にとって最適なものではないか?と疑ってしまいます。
このような状況であるため、「中立・公平な立場」と標榜はしていても真の意味で中立な提案というものは、期待できないと考えるべきだと思います。
もう一つ知っておきたいのは保険会社から出される手数料というものは、「私たちが支払っている保険料の中から出されている」ということも知っておくべきです。保険ショップに支払われる手数料は保険会社にとっては「経費」であり、そうした経費はすべて契約者が支払う保険料の中に含まれています。
実態として、生命保険の初年度手数料は年間保険料の30〜70%前後が一般的です。しかし、商品によっては最大100%程度に達し、インセンティブ等を含めると契約者が支払う保険料の1年分以上となるケースもあるそうです。
※「1年分以上」というのは特定の高単価商品やインセンティブ込みの特例的ケースであり平均的ではありませんが、月額1万円の生命保険に加入した場合、保険ショップが受け取る手数料が12万円超となるような事態も起こり得ます。
近年では、ライフネット生命など一部の保険会社が代理店に支払う手数料を公式サイト上で開示する動きもありますが、全体としてはまだ不透明な部分も残っています。
※ただ、こうした保険販売に関する手数料問題は保険ショップだけでなく、銀行での保険販売、生命保険販売員による保険販売でも同じことが言えます。
利用者と保険ショップとの間で利益相反が起こる可能性がある
販売手数料による営業方針は、利用者にとって真に中立なアドバイスをすることを難しくさせます。
保険というものはそもそも「保険は損をする金融商品」でも紹介している通り、入れば入るほど損をする商品です。
そのため、どうしてもカバーできないリスクを保険で抑え、自力で対応できる部分については現預金でカバーするというのが効率的な考え方です。
必要最低限だけ加入するというのが最善手となります。
しかしながら、販売手数料によるインセンティブが収入源となると「できるだけ多くの保険に入ってもらう」ということが自社(自分)の収益最大化となるため、必要以上にリスクを煽り、保険への加入を進めることになりかねません。
すべての保険関係者が契約者(加入者)のことを考えずに販売しているとは考えたくはないですが、そうなりかねない土壌が存在しているということは事前知識として知っておくべきです。
ちなみに、販売手数料モデルというのは保険会社の営業マンベースでも同じです。保険営業マン・保険レディの報酬は保険ショップと同様に保険販売による出来高によって変わるようになっています。
あと、保険ショップ以外にも保険相談としてサービスを提供している「中立なFPに無料相談」というのも、彼らの主な収入源は保険会社からのインセンティブなので同じ構図となります。
独立系報酬制FP(フィーベースFP)という選択肢
コミッションを一切受け取らず、相談者から直接報酬(相談料)を受け取るフィーベースFP(独立系FP)も存在します。完全に中立な立場からのアドバイスを希望する場合は有力な選択肢となりますが、日本ではまだ数が少なく、相談費用が数万円と比較的高めに設定されている点には留意が必要です。
2026年6月施行の保険業法改正による変化
販売手数料による利益相反の問題については、国も対策に乗り出しています。2024年の臨時国会で保険業法改正案が提出され、2026年6月1日に施行されることが確定しています。
【主な改正ポイント】
- 顧客の意向把握義務の強化:顧客の意向に基づいた商品推奨と、その理由の説明が義務化されます。
- 比較推奨の高度化:乗合代理店(保険ショップなど)では推奨理由の顧客への説明が原則必須となります。
- 「ハ方式」の事実上廃止:代理店の都合による比較推奨販売を禁止する方向へ動いています。
これにより、代理店側の都合(手数料が高いなど)だけで商品を勧めることが厳しく制限される方向へと進んでおり、法的な観点からも業界の改善が進みつつあります。
オンライン保険相談の台頭
現在では主要な保険ショップの多くが、店舗への来店だけでなくオンライン相談や訪問相談にも対応しています。「来店型」という枠組みを超え、自宅にいながらパソコンやスマートフォンを通じて気軽に相談できるようになり、利便性が大きく高まっています。
保険ショップを使う前の心構え
さまざまな背景を考慮すると、一番良いのは自分自身で最低限の保険をプランニングすることです。ただし、保険というのは複雑な部分も多いので自分で考えるのはちょっと……という方も多いかもしれません。
また、保険会社各社は様々な商品を開発しており、それぞれで商品性や利率なども異なるため、一括で複数の保険会社の商品を比較できる保険ショップはやはり便利です。
そこで、保険ショップは使って保険相談するけど、過剰な保険に入らないコツを紹介します。
必要最低限の保障となるように最初からプランニングを依頼する
まずは、最初のプランニングの際に、必要以上の保険を提案されないように先手を打っておきましょう。主張するのは以下の2点です。
- 必要最低限の保障だけを保険で賄いたいと主張する
- シンプルな保険制度にしたいと主張する
考えるべきことは「自分では対処しきれないリスクはどれか?」ということです。
対処しきれるリスクについては保険でカバーする必要はありません。たとえば現金・預金で生活費半年分もあれば、大抵の医療保険への加入は不要です。
自分でも保険のことを勉強しておく
保険について全く知らずに行くのではなく、ある程度の保険の仕組みは理解しておくことが重要です。
- 定期保険
- 終身保険
- 医療保険
- 学資保険
- 個人年金
- 収入保障保険・所得補償保険
といったように、色々な保険の種類があります。どんな保険があり、どんな特徴があるのか?どういう人に向いている保険なのか?といったような保険の基礎を理解しておきましょう。
保険ショップでの相談も効率的になるでしょうし、ある程度知っているということがわかる方が、変な保険を勧められないための抑止力ともなります。
複数の保険ショップで提案をもらうのも一つの手
そうはいっても、提案された内容が正しいかどうかがわからないという人も多いかと思います。
そういった場合は、少々面倒ですが保険ショップはたくさんありますので、複数のショップで提案内容を見比べて判断するのも良いかと思います。
必要な保障と不要な保障を判断した上で、自分の保険構成をどのようにするかについては即決するべきではありません。
ただ、最良の方法は最初にも書いた通り、契約者であるあなた自身が保険やライフプランニングについて詳しくなることです。金融知識などが必要になりますが、こうした知識は現代社会を生きていく上で間違いなく役に立ちます。
保険ショップへの相談をいい機会として、保険の内容や仕組みを勉強してみるのもいいかもしれませんね。
以上、来店型保険ショップの構造上の問題点と、利用者が知っておくべき事実、そして賢い活用方法をまとめてみました。
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